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霞学園高校2年1組の教室では、担任である駿による点呼が行われていた。

鮎川あいかわ!」「はぁーい!」

猪俣いのまた!」はぁーい!

鵜飼うかい!」「はぁーい!」

小野寺おのでら!」「はぁーい!」

皆が駿の呼びかけに元気よく返事をする。

しかし、「金森!」梓の名前を呼びかけるか、反応がない。

「あれ?金森ー?」駿は教室を見回すが梓の姿が見当たらない。

駿が不思議そうにしていると、1名の生徒が「今日はまだ来てないみたいですよ?」と口を開く。

「え?来てない?何やってんだよ・・金森のヤツ」

駿は心の中で「寄り道すんなよって言ったのに」と呟きながら

出席簿に遅刻を意味するバツマークをつけようとした瞬間、教室の引き戸がガラガラと開き

「すいません!遅れちゃいました!」

梓が慌てた様子で教室に入って来る。

「金森!何やってんだ!遅刻だぞ?」

「ごめんなさい・・・」梓は深々と頭を下げて席に着く。

「まぁ、ギリギリ間に合った事にしといてやるよ」

駿は出席簿の梓の欄にマルマークを記入する。

「よかったね梓」横の席のクラスメイトが梓に耳打ちする。

「うん・・助かった」梓は安心したように微笑む。

駿はそんな梓に不安な眼差しを向ける。



一限目の終了を告げる予鈴が校内に鳴り響く。

「よし!今日はこんなもんだな!まぁ、いつも言ってるけど、今日の授業内容を各自復習して、次回に備えるようにな?」

駿の言葉を合図に生徒が立ち上がり、日直の号令と共に授業が終わる。

梓そのまま着席せず、移動教室のために廊下に出る。

「金森?ちょっといいか?」

廊下に出た梓を駿が呼び止める。

「なぁに?先生?」

「なぁに?じゃないだろ!?なんで、俺より先に家を出た金森が、俺より遅く来てんだよ!

寄り道するなって言ったろ?」

駿は小声で梓に詰め寄る。

「あ・・それは・・・」

「一限目の授業が俺だったから良かったけど、他の先生だったら問答無用で遅刻にされてるぞ?」

「わ、分かってる・・・」

梓はうつむきながら応える。

「まぁ、これ以上は言わないけど、なんかあったら何でも相談するんだぞ?」

駿は去り際に梓の肩をポンっと叩く。

「先生・・・」梓はそんな駿の背中を黙って見つめる。

「梓?何やってんの?次3階でしょ?遅れちゃうよ?」

クラスメイトが梓に話しかける。

「あ!いっけない!また遅れちゃう」

梓はクラスメイトと共に次の教室へ向かう。



昼休みになり、生徒が昼食をとる中、駿はデスクで書類を漁っていた。

「えっと・・金森・・金森・・あ、あった!」

駿が手にした書類は梓の個人情報が書き記されている生徒書類だった。

「えっと・・親御さんの番号は?っと・・・」

駿は書類に目を通し、スマホに登録した梓の母、こずえの連絡先と、書類に記載されている連絡先を照らし合わせる。

「やっぱりだ!間違ってない!だったら何で・・・」

駿は困惑した様子でスマホと書類をにらむ。

「もっかい連絡してみるか」

駿はスマホを操作し、再びこずえへの連絡を試みる。

しかし、スマホからは昨夜同様のアナウンスが流れて来るだけで、電話は繋がらなかった。

「うー・・・ん、どうなってんだ?」

駿は頭を抱えていると、それを心配した教師、雛形ひながたつかさが声をかけてきた。


「皆川?どうかされました?」

「ああ、雛形先生・・・」

「何かあったんですか?」

「あ、いや、大した事じゃないんですけど、金森の事で・・・」

「金森さん?金森さんって皆川先生のクラスの金森梓さん?」

「ええ、なんか悩みを抱えてるみたいで、親御さんに電話して、自宅での様子を聞いてみようとしたんですけど・・」

「何か問題でも?」

「それが・・番号が既に使われていないらしくてですね・・・」

「え?番号が?」

つかさは驚いたように目を見開く。

「ま、まぁ、でも、職場は知ってるので、今日の帰り途中にでも、会いに行ってみます

まぁ、金森の親御さんは夜勤らしいんで、今行っても居ないと思いますけど、店の人に話を聞くくらいなら、出来るはずですから」

「大丈夫ですか?」

つかさは駿が気がかりと言った様子で、不安な眼差しを向ける。

「大丈夫ですよ」

駿は内心不安であったが、それをつかさに悟られないように笑顔を作り平静を装う。

「何かあったら相談してくださいね?」

「あはは・・ありがとうございます」



駿は放課後に駅前にある、梓の母である梢が働いている24時間営業のスーパーに訪れていた。

「え!?2週間!?そんな前からですか!?」

スーパーで働いている従業員から話を聞いた駿は、驚きのあまりに声を荒げる。

「そうなんですよ・・コロナで休んでる人だっているのに、困ってるんですよ・・・」

従業員の女性は困り果てた様子で愚痴をこぼす。

「その2週間のあいだに、連絡もないんですか?」

「ええ、全くないんです・・・まったく何考えてるんですかね・・」

駿は従業員の話に会いた口が塞がらなかった。

「で、でも」駿が更に踏み込んだ話を聞こうとすると、1人の男性がバックヤードから出てきて

たちばなさん!ちょっといいかな?」と駿と話をしている従業員に呼びかける。

「あ、すいません。主任に呼ばれたんで、この辺で」女性は軽く会釈をすると、バックヤードへと消えていく。

駿が諦めて帰ろうとすると、それをお揚々に再び従業員が走って来る。

「待ってください」

「え?どうかされましたか?」

駿が聞くと「実は夜勤の方に聞いた話を思い出しまして」

「聞いた話って?」

「実は・・・・・」

Forbidden Love(ノベル版)

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