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#銀魂夢
こま
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~それから数日後~
「あーあ、次の任務の予算、どうやって阿伏兎に誤魔化そうかな……」
ある日の午後、第七師団の廊下。銀華は自室の扉のすぐ近くに立ち、そんなことをボーッと考え込んでいた 。
手に持った煙管の煙をなんとなく眺めながら、意識が完全に仕事の裏計算へと向いていたその瞬間だった。
ーーーバガァァァン!!!
「あはは! 阿伏兎、次の星の美味いものリストーーー」
勢いよく、本当に文字通り全力の力任せで開け放たれた重厚な扉が、完全に油断していた銀華の顔面へ正面衝突した。凄まじい衝撃音が廊下に響き渡る。
「ぶふっっ!?」
夜兎の頑丈な肉体をもってしても、不意打ちのゼロ距離扉アタックは防げない。
銀華は一歩も動けぬまま、その衝撃を顔面全体で受け止めて後ろへ吹っ飛んだ。
「……あれ? 誰かいた?」
扉を開けた張本人である神威が、きょとんとした顔で部屋から顔を出す。
足元に転がっている緑色の髪を見て、彼は初めて状況を把握した。
「えっ、銀華!? うわあ、ごめん! そんなところに立ってるなんて全然知らなくてさ! 大丈夫!?」
いつもなら
「あはは、バカだねぇ」
と笑い飛ばすか、あるいは
「避けない銀華が悪いんだよ」
と言い放つはずの神威が、珍しく本気で慌てふためいて声を上げた。
神威にとって銀華は、なんだかんだ言っても傍にいてほしいお気に入りの助手であり、飯使いであり、そして例の「新種の殺意」を抱いている特別な相手だからだ。
しかし、床に両膝をついてうずくまった銀華は、いつもと様子が全く違っていた。
「……っ、……〜〜〜〜っっっ!!」
声にならない悲鳴。
いつもなら即座に飛び起きてビールのジョッキを投げつけるか、冷徹な目で睨みつけてくるはずの強気な彼女が、完全に動きを止めている。
ゆっくりと顔を上げた銀華の顔を見て、神威は息を呑んだ。
「……痛、ツ、うぅ……っ」
あの、15歳とは思えないほど大人びていて、いつも不敵に微笑んでいる銀華の美しい顔。
その鼻筋から、真っ赤な鼻血がツラツラと容赦なく流れ落ち、チャイナ服の胸元を汚していく。
そして何より、夜兎特有の透き通るような肌に映える大きな赤い瞳には、生理的な激痛のあまり、ボロボロと大粒の涙が溢れて溜まっていた。
「……神威、あんた……っ、本気で、ぶっ殺す……っ」
鼻血を垂らし、目を真っ赤に潤ませ、痛みに体を震わせながら自分を睨みつけてくる銀華。
弱みなど決して見せないはずの有能な「掃除屋」の、あまりにも無防備で、あまりにも痛々しく、そしてどこか妖艶ですらある涙目の姿。
それを見た瞬間。
神威の脳内で、何かが決定的に「パキィン」と音を立てて割れた。
「…………え」
神威の思考が真っ白に染まる。
胸の奥がドクドクと、過去最高の大音量で脈打ち始めた。いつも感じていた「めちゃくちゃにしたい」という衝動が、一瞬で限界値を突破して沸点に達する。
(なに、これ……。いつもと、全然違う……。いつもは手首を掴んで組み伏せたいって思うくらいだったのに……。今の銀華を見てたら、もっと……もっと酷い目に遭わせて、もっと泣かせたい。その鼻血も涙も、全部俺の手で拭って、俺のせいでボロボロになってるアイツを、この腕の中に閉じ込めて……)
神威は知らなかった。
それが世間一般でいう『サディズムを刺激された歪んだ性癖の目覚め』であり、男として開けてはならない【別の禁断の扉】を開けてしまった瞬間だということを。
「……ねぇ、銀華」
神威の青い瞳から光が消え、底知れない暗い悦びを孕んだドロドロとした色へと変わる。
彼は慌てるのをやめ、ゆっくりと、獲物を追い詰める獣のような足取りでうずくまる銀華に近づいた。
「それ、すっごくいいね。もっと泣いてよ。俺がもっと、痛くしてあげるからさ……」
「はぁ!? あんた何不気味なこと言って……っ、ちょ、阿伏兎ーーー!! 団長が本格的に狂ったァァァ!!! 助けて!!」
危機を察知した銀華が、鼻血を押さえながら必死に廊下を這って逃げようとする。
その細い足首を、神威の冷たい手がガシッと掴んだ。
「あはは、どこに行くの? 逃げちゃダメだよ、銀華」
「ひっ……!?」
そこへ、廊下の向こうから
「おいおい、何事だァ!?」と、
尋常じゃない殺気を感じ取った阿伏兎が全力でドタドタと走ってきた。
そして、鼻血と涙目で捕まっている銀華と、完全に
【男としての業】に目覚めてしまった神威の顔を見て、すべてを悟り絶叫した。
「団長ォォォォォ!!! お前ついにそっちの扉までブチ破りやがったかコンチクショウ!!! その目は完全に一線越えた男の目だろ!! 離せ! 今すぐその穢れた手を離せぇぇぇ!!!」
「邪魔しないでよ阿伏兎。今、すごく良いところなんだから」
「良いところな訳あるかバカヤロー!! 銀華ァァ! お前もそんなエロい泣き顔晒してんじゃねぇ! 団長の獣のスイッチが入っちまっただろうが!!」
「私が好きで泣いてる訳ないでしょーが!! 鼻が!! 鼻が折れるくらい痛いんだよォォォ!!」
第七師団の廊下で繰り広げられる、未曾有の貞操危機。
阿伏兎の必死のタックルによって銀華はなんとか救出されたものの、神威の瞳にはしっかりと「泣き顔の銀華」が焼き付いてしまい、これ以降、彼の「新しい殺意(=歪んだ愛)」はさらに危険な方向へと加速していくのだった。
コメント
1件
ああああ神威のスイッチ入っちゃった!!!😭💕 銀華ちゃんの無防備な泣き顔に歪んだ愛情が加速する展開、最高にエモくて胸がギュッとしたよ…! 鼻血ダラダラ&涙目で睨む姿に「もっと泣かせたい」ってなる神威の豹変、マジで背筋ゾクゾクしたし阿伏兎の絶叫で笑いも誘われた! この歪み合いがたまらんよ、続きが気になりすぎる…!!🔥✨