テラーノベル
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「ふっかさーん! こっち向いてや〜!」
楽屋でくつろいでいた深澤辰哉に、カメラを構えた向井康二が近づいてくる。
いつもの光景だ。深澤は「はいはい」と適当にピースサインを作った。
「お、ええ顔! やっぱふっかさんは盛れるなぁ!」
「お前、それ誰にでも言ってんだろ」
「ちゃうわ! 俺のカメラロール、ふっかさんだらけやで?」
康二はニカッと笑うと、カメラを置いて深澤の隣に座り込み、そのまま深澤の肩に頭を乗せてきた。
「……ふっかさん、ええ匂いする」
「お前は犬か。……重いって」
「ええやん、減るもんちゃうし」
康二はそう言うと、深澤の手を取り、自分の両手で包み込んで指を絡めた。恋人繋ぎだ。
普段ならここで「気持ち悪っ!」と振り払う深澤だが、今日は抵抗せず、少しだけ握り返してきた。
「……ん?」
その小さな反応を、康二は見逃さなかった。
「……ふっかさん、今日なんか素直やな?」
「……別に。疲れてるだけ」
「ふーん……。疲れてる時は、俺に甘えたくなるんや?」
康二の声色が、少しだけ低くなる。
いたずらっぽい瞳の奥に、男の色気がちらついた。
康二は深澤の顎をクイッと持ち上げ、至近距離で見つめた。
「……なぁ、ふっかさん」
「……なんだよ」
「俺な、ふっかさんが他のメンバーとイチャイチャしてると、ほんまはめっちゃ嫉妬してんねんで」
真っ直ぐな瞳。
冗談めかしているが、その目は笑っていない。
「俺だけ見ててほしい。……俺だけのふっかさんでおってほしい」
「……っ、」
直球すぎる愛の言葉に、深澤の顔がボッと赤くなる。
年下のくせに、こういう時だけ妙に男らしくて、ドキドキさせられる。
「……お前、そういう重いの禁止」
「無理や。愛が重いのが向井康二やもん」
康二は深澤の首筋に顔を埋め、チュッと音を立てて吸い付いた。
「……ひゃっ!? こ、康二!?」
「……俺のマーキング。これで他の奴、寄ってこんやろ」
「お前……跡つくだろバカ……!」
「ええねん。……ふっかさんは俺のモノって書いてあるようなもんや」
康二は悪びれもせず笑うと、赤面して固まっている深澤を、愛おしそうに強く抱きしめた。
「……ふっかさん」
「……ん」
「愛してるで。……世界で一番」
「……うるせぇ。……知ってるよ」
照れ隠しに康二の背中を叩くが、その手には力がなく、むしろ康二の体温を求めているのがバレバレだ。
関西弁の熱烈な求愛は、疲れ切った最年長の心を溶かす、最高に甘い魔法なのだ。
コメント
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こーじ重々だー S系とは違ってこれはこれでめっちゃいいね 続き待ってます