第2章「仄暗い願い」その29
鮮やかな夕日の光が、練習場と――その中に、ぽつんと立つ修介を、オレンジ色に染めていた。
多目的棟三階、三〇一号室。
このフロアはたまたま空いていることが少なく、練習の際は使う機会があまりなかった――そんな場所を、修介の待ち人は選んだ。
課題発表の打ち上げはすでに終わっている。
反省したり笑ったりと、ささやかながら何事もなく楽しい時間を過ごすことができた。
その後、修介はある人物を呼び出したのだ。
すぐ行くから、と言われて先に来たのだが――待っていると、時間というのは長く感じてしまうもので。
もしかして、待ち人は来ないのではないか。
声をかけたときに、何もかも気づかれてしまい、早まったことをしていたら――
そんな不安を膨(ふく)らませた修介は、無意識に室内をうろうろしてしまうのだった。
永遠とも思えるような時間が過ぎた頃――
「――待*************************
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