テラーノベル
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満天の星空、月明かりを頼りに僕らは西の都へと急いでいた。3日前に挙兵したアルスター軍の進攻を、西の都の宰相へと伝えるためだ。
「あとどのくらい?」
「もう少し、魔法も使えないんじゃ時間はかかるよ」
僕の横を浮かびながら、ルビーは応えた。ルビーは赤い竜の子供、でも人の目には見えない。なんでも、精霊竜と名付けられた珍しい竜らしい。
真っ暗な道は、舗装されているとはいえ走るには辛い。道ばたにいる物乞いにぶつかりそうになったりしながら、なんとか都の正門までたどり着いたときには、足がほとんど動かなくなっていた。それでも、門番に書状を渡して、門が開くと僕は走り出した。
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