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「魚は、出来るだけ新鮮なうちに捌いておきましょうね」
そんな訳で、朝5時から料理がスタート。
僕はお約束のサバから。
美洋さんと未亜さんは協力して、詰め放題の魚色々を捌いている。
彩香さんは、ソーダカツオとシイラを前に固まっている亜里砂さんを指導中。
「中骨と頭は、捨てないで私に寄越すのですよ。出汁に使うのです」
未亜さんは、骨等を焼いて出汁を作るつもりのようだ。
きっと、油揚を煮るためだろうけれど。
先生は、時々教えながら、基本は黙って見ている方針の模様。
僕はサバを取り敢えず塩漬けした後、美洋さん達の詰め放題を手伝って。
何とか1時間程度で、全部を捌き終わった。
「それでは、朝御飯を作りましょうか。魚は取り敢えず刺身でいいですね。あとは簡単に、煮物とみそ汁でも作りましょうか」
先生は、そう言ってささっと準備をする。
「あと、未亜さんのカブと油揚を使っていいですか」
「どんどん使って欲しいのですよ」
僕がこそこそと塩漬けしたサバを洗って、砂糖とぽん酢を混ぜた液体に漬けた頃。
朝食が完成した。
「お刺身各種とお味噌汁とあら煮、あと焼き油揚ですね。お味噌汁は、ソーダカツオの頭部分のあらに、カボチャとカブ、油揚を入れたもの。あら煮は、シイラの頭部分のあらです。焼き油揚は、焼いて生姜を混ぜた出し汁をかけたもの。さあ、どうぞ」
例によって、いただきますの唱和の後、食べ始める。
「このピンクっぽいお刺身、美味しいですね」
「それがシイラです。この時期は脂がのっていて美味しいですよね。鮮度が落ちやすい魚ですけれど、今日のは大丈夫そうだったので」
「このみそ汁も豪華ですね。魚の強い風味が活きていて」
「ソーダって、出汁が出やすくていいですよね」
「私は、この焼き油揚が好きなのですよ」
皆さんそんな感じで、勢いよく食べていく。
同じ刺身でも、シイラとソーダカツオとでは全然味わいが違う。
当然アジやサバも美味しいし、カワハギも最高だ。
「うちの母には行儀が悪いと言われるのだが、父親直伝の美味い食べ方!」
亜里砂さんが、あら煮付けの皿を傾け、自分の御飯茶碗に汁を注ぎ入れる。
先生も苦笑。
「確かに行儀は悪いですけれど、美味しいですよね」
良くわかる。
「食べ過ぎるなよ。出かけた時に動けなくなるぞ」
川俣先輩がそう言ってはいるけれど、美味しいものは美味しい訳で。
みそ汁すら、何度もおかわりしたくなる旨さだ。
普通のみそ汁に比べるとちょっと甘さを感じるけれど、味噌が違うのだろうか。
「臭みをとるために、ちょっとお酒を使っています。あとは味噌、合わせ味噌ですが、今日は甘めの白味噌を大目に混ぜてみました」
なるほど。