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三年ぶりに来た地元の祭り。
大学受験などで忙しく、三年間地元に帰れていなかったのだ。
久しぶりに見る地元は少しばかり変わっていた。
広かった田んぼの1/3が都市開発の為に埋め立てられ、現在はトラックなどが出入りしていた。
…進んでいないのは俺だけかもしれない
府とそんなことが脳裏によぎる。
そう。止まっているのだ。
高校生の頃から。
平凡な高校生だった。
学力は平均並、運動も平均並。
とくにずば抜けた特技もなく、三年間がすぐに終わると思っていた。
…でも違った。
好きな人ができた。青髪の、高身長の彼。
1度だけ、話しかけられたことがある。
元々隣町からの転校生だった俺。
教室に入り、一番初めに話しかけてくれたのがあいつだったかもしれない。
あの時から初恋は始まって居たのかもしれない。
あの時から、俺は自分の気持ちに嘘をついて居たのかもしれない。
そんなことを考えるときりがないので、少しぶらっと歩くことにした。
ヨーヨー釣り、スーパーボール、金魚すくい、射的、フランクフルト、焼きそば、焼きとうもろこし、フライドポテト……、
りんご飴
懐かしいな。りんご飴なんて幼稚園児の時に食べてみたものの、甘すぎて最後まで食べられなかった思い出がある。
昔の自分に対抗心が芽生え、りんご飴を買ってしまった。
さすがに1人ど真ん中でりんご飴を食べる勇気は元陰キャの俺には無く、いそいそと端っこの、屋台の影で見えないような所に移動した。
地元の友達は大体が東京や大阪の方に仕事に出ていったらしく、あんまり地元には戻って来ないらしい。
りんご飴を一口噛る。飴の甘さと、りんごの味が合わさって、癖になるような味がした。
特に話す相手も居ないので、手元のスマホに視線を落とす。
某青い鳥のタイムライン
いろんな人が新しいことを発信していく。その中で目にとまった、
「夕立」
雨が降るのは少々厄介だ。
ただ夕立と言うことはあまり長くは降らないだろう。
少々濡れても問題ないだろうと思っていると、ポツポツと雨が振りだした。
心なしか雲の量が多かったのはこのせいだったのかと心の中で相づちを打つ。
屋台の陰に入り、なんとか雨を逃れることができた。
…かなり強い雨だった。
地面に当たった雨粒が跳ね返り、少しズボンの裾が濡れた。
タイムラインもいきなりの雨で少々困惑しているようだった。
もう一口りんご飴を噛ろうと顔をあげた。
次第に雨は強くなっていく。
ふと、遠くの方に人影が見えた。
かなりの速さで走ってくる。
俺よりも10センチほど高い背丈
青髪が良く似合う顔
間違えもしない。初恋の彼だった。
こちらに向かって走ってきてたのは勘違いなんかじゃなく、ほんとうに俺を見つけて走ってきたらしい。
「久しぶり」
近くの紫陽花の葉から、雨粒が落ちた。
それと同時に、口にある飴が、妙に甘く感じた。
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初投稿失礼します。
ご紹介が遅くなり、大変申し訳ございません。
改めまして、夏至(げし)と申します。名前に特に意味はないので、あだ名なども全然作って頂いて構いません。呼びやすい名前で呼んでください。
主は黒くんリスナーです。
ほとんど黒くん愛されor黒くん総受けの作品しか書きません。
リクエストなどを募集することがあるかもしれませんが、その最には黒くんcp以外の物はやめて頂けると幸いです。