アイドルとしての夢をまた叶えるべく、前よりも丁寧な過程で始めることにした。
まずひとつの目標、芸能事務所への加入。フリーで活動するより、事務所からの手助けがあった方が人気は出やすく、それに人気が出ればより大きい舞台に立てる。
その前に養成所である程度の事は慣れておかなければならない。
「この養成所、いいかも!」まぁ簡単に養成所に入所できるわけでもない、慎重に養成所を選ばないとどれほど努力していたって私が夢見たアイドルになれない。
ある程度の育成の実績や、学習プログラムがない養成所は何をしたって水の泡になる可能性がある。
「こんにちは。」いろんな養成所のプロフを見て、ここの養成所ならやっていけると思ったところに行ってみた。
「あなた、この前テレビに出てた千紗ちゃん?最近可愛い可愛いって大人気の!!来てくれて嬉しい。歓迎します!私の名前は美佐都、よろしくね!」
「はいお願いします!」
「なんで養成所に来たの?」
「えっと…私前にアイドルをやってて…」
「ああ!この前テレビで言ってたわよねもう一度アイドルを始めたいって」
「すごい、ちゃんと見てくれてるんですね!」
「ええもちろん!それでこの養成所に来たのね〜。」
「大丈夫。心配しないでね。ここは実績が色々あるし、必ず千紗ちゃんをまたアイドルにしてあげられるように、頑張るわ!!」
「ほんとですか?!ありがとうございます…!!」
「ええ!ただ、実績あってこそ過酷なレッスンを受けると思うわ…頑張ってね」
過酷なレッスン。
『千紗!動きズレてる!』
『やる気あんの?』
『ねー人気ないんだし辞めればいいのに。』
『こんな練習したって人気は出ないままなんだしさぁ、』
大丈夫、あんなグループにいたよりこの養成所いた方がもっと楽しいと思うし夢への大きな一歩になる。
「はい。」
「今日もレッスン始めてくわよ。担当は美佐都ですよろしくお願いします。」
養成所では主に”基礎能力”、”歌唱”、”ダンス”などを学ぶ。養成所によってはダンスを主に特化してる所もある。
「今日は3セットね。それじゃ行くわよ〜!」
ワン・ツーワン・ツーのリズムで動いていく。これはアイドル時代練習してたから初級だ。でも_
「ちょっと佳代。動きズレてるわよ。佳代だけやり直しねはいせーの」
さすが実績ある養成所だ、具体的に説明しながらダメ出しをしてくれるから成長しやすいんだなと思った。
でも昨日まであんなに優しかった美佐都さんが厳しい講師になってることに気づき震える。
「はい、もう1回やるわよ〜」
ワン・ツーワン・ツー…
「全員完璧ね!すごい!今から25分の休憩を入れるわ。もういいなと思った人は自主練習しててもいいわよ〜」
ふぅ、と溜息をつき自分の荷物がある場所へ向かう。
「あの…」
声を掛けられ思わず振り向く。
「千紗ちゃんですよね…」
「そうですけど、なにか、?」
「やっぱり…!私『ナイトガーデンLove』にいた時からのファンだったんです!」
「そうなんだ、ありがとう!!」
「まさか養成所にいるなんて…お互い頑張りましょうね!」
小柄で可愛い子だった。あの子なら俳優・アイドル、どちらの道へ歩んでも間違いはないだろう。
でもそんな甘ったるい考えをしていたら追い越されてしまう。オーディションよりも前の過程で手を抜かない事が大事だ。
まだまだ夢をこの手に留めるのは難しい。でも一つ一つ積み重ねて、
そして遂に手にするは”アイドル”という希望_
コメント
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グループ名にセンスありすぎて驚いた( アイドルっていう目標はみんな変わらないけど、仲間でありながらもライバルでもあるもんねぇー、 ほんと大変だ、千紗ちゃんを応援します✊🏻❤️🔥
ナイトガーデンLoveは千紗が以前いたアイドルグループの名前です