仕事終わり、みんなが着替えを終えて帰る準備をしている頃。
康二が俺のところにふらっとやって来て、目を輝かせながら言った。
🧡「照兄〜、ちょっと星見に行こ!今日の夜、めっちゃ綺麗に見えるねんて」
康二いつもそうだ。よく思いつきで、ちょっとしたことで誘ってくる。
💛「星?急にどうした?」
🧡「ええから!俺の好きな場所あってさ、写真も撮りたいし」
写真。そういえば、康二はよくカメラを持ち歩いてる。風景や空、メンバーの何気ない笑顔や日常──彼がファインダー越しに見る世界は、きっと誰よりも優しい。
💛「まぁ、行くなら行くけど、いつ? 」
🧡「まぁ、暗なってからやし、1回家帰ってからまた連絡する」
康二は軽く笑って、車の鍵を取り出す。
🧡「今日は俺という運転手付きやで〜 」
そう言って笑った顔が、無邪気で、ずるいくらい愛おしかった。
💛「なにそれ笑」
🧡「はは、じゃぁ時間なったら迎えに行くから、家着いたら連絡してな。」
💛「りょーかい」
🧡「また後で〜」
と元気よく手を振り、帰って行った。
時間になり康二が迎えに来てくれた。
車に乗り込み、俺は助手席。
ハンドルを握る彼は楽しそうに鼻歌を歌い運転している。
💛「今日はどんなの撮るの?」
🧡「星空と、あと…照兄も、撮ってもいい?」
不意にそんなことを言うから、心臓が跳ねた。
💛「俺?俺は別にいいけど、星の方が映えるだろ」
🧡「照兄がおるからこそ、えぇ写真になるの!」
💛「そう?笑 康二の写真好きだし、じゃぁ撮ってもらおっかな」
🧡「やったー!照兄好き!最高にえぇ写真撮ったる!」
そう言って笑う彼を見て、俺は黙ってしまった。
あぁ、やっぱりダメだ。この笑顔を見ると、何も見えなくなる。俺の”好き”は、康二の”好き”とは、やっぱ違う。
🧡「着いたよ」
💛「ありがとう」
目的地に着くと、康二はすぐに降りてカメラを取り出し、夜空に向ける。
星空が広がる静かな場所、周りには誰もいなくて、ただ無数の星だけが輝いている。
🧡「わぁ…見て見て!この星の並び、綺麗やで」
💛「あぁ、すげぇな。…康二が教えてくれなきゃ、こんなとこ絶対知らなかった」
🧡「せやろ!お気に入りやねん、ここ」
カメラのシャッター音が静かな夜に響く。
その横顔が真剣で、光の加減で少しだけ大人びて見えた。
💛「康二、そうやってカメラ覗いてるとき、一番楽しそうだな」
🧡「え?…うん、だって俺、好きやねん。写真も、こういう時間も、照兄といるのも」
”好き”──。
康二はよくこうやって、何でもないみたいに言葉を投げてくれる。でも、それは、俺の想ってる”好き”じゃない。
俺の”好き”は、もっとずっと重たくて、不器用で、臆病だ。
それでも、その笑顔を見るたびに思う。
──そんな君が、たまらなく愛おしい。
夜空に浮かぶ星よりも、今、目の前で笑ってる君が一番綺麗だ。
コメント
10件
え、どっちだろ。 この組み合わせで物語読むの初めてかも。センシティブのみのは読んだことあるけど。
岩本兄弟…てぇてぇ
ただ無性に岩本兄弟が書きたくなりました🙄 春休み中で最低一日一個は書くと言ったのですが、これから忙しくなりそうなので、ゆっくり書いて行こうと思います🙇