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鳳蓮荘
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第二十七話:真実の愛と、解き放たれた誓い
合宿所の最上階にある儀式の間のドアを開けると、そこには月光を背に受けて佇む生徒会長——神城レオナの姿があった。
「遅かったわね、タカシ……。ううん、私の『運命の人』」
レオナの言葉と同時に、彼女の身体から溢れ出たのは、これまでの甘い香りの魅了(チャーム)とは一線を画す、圧倒的で苛烈な漆黒の魔力だった。部屋全体が目に見えるほどの重圧で歪み、床がギシギシと悲鳴をあげる。
「会長、一体何を……!?」
「彼女は……サキュバスの真の姿を取り戻そうとしているのよ!」
後ろから駆けつけてきた白銀美咲が、息を荒らしながら眼鏡の奥の目を見開く。その隣では黒羽朱音も、威圧感に気圧されながら必死に俺の前に立ちはだかった。
「真のサキュバスはね、愛した男の精気と魂をすべて喰らい尽くし、永遠の僕(しもべ)にする……それが私たちの血に刻まれた、本来の不吉な本能なのよ!」
白銀さんの叫びを耳にしながら、俺はレオナの表情を見た。
冷徹な魔女王のように振る舞う彼女の目から、一筋の涙が頬を伝ってこぼれ落ちていた。
「……嘘だ」
俺は朱音と白銀さんの静止を振り切り、魔力の風嵐が吹き荒れる中心へと、一歩、また一歩と足を踏み出した。
「来ちゃダメ、タカシ! 私は……あなたを愛しすぎたせいで、本能を抑え込めなくなっているの! 近づけば、あなたの命を吸い尽くしてしまう……っ!」
「吸い尽くされたって構わない!」
俺は強風を突いてレオナの前までたどり着くと、その震える華奢な肩を力いっぱい抱きしめた。
「タカシ……!?」
「お前がサキュバスの本能に飲まれそうなら、俺が全部受け止めてやる! 命だって精気だって、好きに奪えばいい! だから……一人で苦しむな!」
「あ……ぁ……っ」
俺の言葉と温もりが胸に届いた瞬間、レオナの瞳から涙が溢れ出した。
サキュバスの本能による強大な魔力と、俺を愛する一人の女の子としての心が激しくぶつかり合う。俺は逃げずに、彼女の唇を強く塞いだ。
それは魅了でも、精気を吸うための儀式でもない。
お互いの「素顔の想い」を交わす、純粋な口づけだった。
――シュウゥゥゥ……
口づけを交わした瞬間、レオナを包んでいた禍々しい漆黒の魔力が、嘘のように静かに消え去っていく。背中の翼と角がゆっくりと光に溶けて消え、彼女の身体はただの、小さく温かい女の子のそれへと変わっていった。
「……消えちゃった……私の魔力も、不吉な本能も……全部……」
レオナは俺の胸に顔をうずめ、ぽろぽろと涙を流しながら笑った。
「サキュバスの伝承は本当だったのね……。本気で愛した男の人にすべてを捧げた時……私たちは、ただの人間になれる……」
「会長……」
「レオナよ。……これからは、私をただの『レオナ』って呼んで……タカシ」
部屋の入口では、白銀さんと朱音が少し悔しそうに、でもどこか晴れやかな笑顔で俺たちを見つめていた。
サキュバスの呪縛を超えて結ばれた、本当の愛の物語。
俺たちの甘くて激しい学園生活は、サキュバスと人間という垣根を越えて、新たな未来へと動き出すのだった。
コメント
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うわああああ第27話読んだよおおお!!😭💕💕💕 レオナ会長の真のサキュバス姿、迫力ありすぎて鳥肌立った…!でもその涙がね、もうね…「一人で苦しむな」ってタカシが抱きしめるシーン、マジでエモすぎて泣いた😭💖 純粋な口づけで魔力が消えて、ただの女の子に戻るレオナ…「レ♡♡♡呼んで」のセリフに胸がギュッてなったよ…!! 白銀さんと朱音の晴れやかな笑顔も含めて、最高のエピソードでした!!✨