そのままリアンさんが紹介した、眉目秀麗な男性がビルの外まで案内してもらった。だがしかし、俺が家まで歩いて帰っている背後にまだ男性がいたのだ。
2mの間隔を保ち、ラフな格好をしている人にボディーガードがついているという異様な光景が、目に見えてわかるだろう。
「あの、なんでついてくるんです?」
『?、、、言われたのでね。』
「え、なにそれストーk、、、はいはい。」
堅苦しそうな服装の男性から、目を背けて片手であしらうように手首を曲げる。油断の隙もみられず一切変化しない和やかな表情にあきれてしまう。
18:24
ようやく家に着いた。安心感のあるマイホームと後ろの気配に挟まれながら、玄関のドアを開ける
「家はいる?」
『、、、!なら遠慮なく入りますね。』
「躊躇ってもの知ってる?ま、まぁいいけど」
玄関に入り、片足をあげて靴をぬぐ。きちんと整列された彼の靴は、革靴の艶がある、ちらりと見ただけでも分かるほどに高級な革靴。
とりあえずソファに座らせた
「ところで名前はーー、、、」
『黒瀬 蓮です』
「年齢は、?」
『17ですが、、、?』
「えっちょっ同い年じゃん?!」
『えぇ?』
如何にも全部こなす超エリート大学生ぐらいかと思いきや、ただの俺より身長高い高校生であることに、一気に親近感が湧いた。
だが、それと同時に自分が惨めに感じる。
ふと思ってしまう。その年齢でなぜこの社会に背きそうな会社に就いているのだろうか。俺と同じよう高校に通っていたのだろうか。
個人情報を聞かれる蓮の口調、顔つきはさらに和らかだった。
「まぁ、、、同い年なんだからタメ口でもいいじゃん?ほら。聞きたいことがあるなら言うけど」
『ならどうしてこんなにも綺麗のできるの?』
「んえ?? 」
蓮がさっそくタメ口を使っているところに違和感を感じるが。同い年だということを頭の中で強調させる。
いたってそんな差程綺麗じゃないベットに指を差すものだから、思っていた質問と違い面食らってしまう。
『ちょっと、苦手でね。』
「嘘でしょ?俺でも出来るのに??」
『、、、(^ν^)』
意外な一面に目を見開いて蓮をみる。本当に名前知る前の印象と全く違い、おのれの目を疑ってしまう。
どこかの小説にて、〔人間は完璧じゃ無い〕というセリフがそうであるか、わかった気がする
もし仲を深めようとしなければ、優斗は蓮を一生完璧な人間として見ていたのかもしれない。惜しくも、たった今彼の言葉で、完璧という言葉は否定された。
「あー俺ちょっと準備しなきゃならないから。勝手に漁ってもいいよ。」
『なら遠慮なく見ちゃうけど。いい?』
「別に変なもんとか置いてないから、たとえばエ◯本とか?」
『、、、。ならいっか』
冷たい床を歩いては自室のクローゼットを開けて漁る。することがない蓮は、机の上に置いてある本を手に取り表紙を見ていた。
服を何着か取り出しては、向こうで新しい服を買えばいい精神でベットの上に無差別に置く。
途中で懐かしい中学校の頃、そんな記憶が蘇る。昔の制服の匂いは、長年クローゼットの中にあったせいか特有の匂いが微かにした。
『ねぇ、この高校って君が通っていたところ?』
「そうだけど?」
『随分と頭のいい学校に通っているんだね。でも、惜しいよ。』
「燃えたの知ってたんだ?ぶっちゃけ平均程度だったし、そんなすごくないさ」
掠れた声で苦笑いをする。労わるような眼差しで優斗に目向けたが、無言であった。
『、、、俺が教えてあげますよ。』
「w、え?なにその自信、もしかして俺より頭良い感じ?」
『どうだろうね』
「はぁ?急に生意気じゃんなんなん?!」
一瞬心を撃たれた自分が馬鹿らしく感じた。だけど、身なりや行動から推定して頭良さそうだ。こんなほんわかしている癖して、眉目秀麗などハイスペックだな。
「あんた高校どこ?」
『海外ですよ?』
「え、カッ、海外??ってことはドイツ?なんで?」
『それはちょっと興味があって。』
優斗はあからさまな怪訝な顔で見る。一切動じない彼に、普通がどんなものかと分からなくなった気がしたからだ。もう一度イケメンな顔を拝めるとなると、さらに渋い顔をする
「疲れたー。で準備終わったヤッター!」
『お疲れ様。( ˊ̱ ーˋ̱ )』
「今日忙しすぎでしょ、、、」
『!もう19時だ。ごめんだけど、戻らなきゃいけないから、、、入れてくれてありがとうございますね。』
「あいよー」
、、、初対面とは?