テラーノベル
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数日後――。
約束通り男からの呼び出しがあり、宰相はお忍びで廃墟となった砦へと出かけた。護衛もつけず、ただ馬車とその御者だけをお供としていた。さらに御者は馬車で待機させ、砦に入れないという徹底ぶりだった。
「宰相様、ありがとうございます。おかげでこれほど環境のよい場所を手に入れることができました」
「そうか。では、魔霊に関する証明をしてみせよ」
「はい、それではまずはこちらを見ていただきたいのですが……」
男はそういうと、全身鎧を着た騎士二名に大きな箱を運ばせた。
「あの騎士はお前の従者か?」
「はい、まあ私の魔法の産物でして」
「お前は魔法を使うのか?」
「はっ。魔霊に対抗する手段でございます。では、失礼して。お前ら、箱の中身を宰相様に見せて差し上げろ!」
そういうと、男の命令で騎士は箱を開けた。その中に入っていたのは……。
「っ! これは、人間の少女ではないか!」
そう、箱の中には一人の少女が横たわっていた。しかも拘束され、声も出せないように猿ぐつわをつけられている。
「はっ、魔霊を感じる者を実際に連れてくる、という話でしたので……」
「それはそうだが、こんな、物みたいな扱いを……」
「いいえ、宰相様。この者は魔霊に魅入られています。甘い顔をしてはなりませんぞ」
「だが……」
「まあよいではありませんか。それでは宰相様、私がこれからこの者を調べます」
そういうと男は騎士たちに命じて少女の猿ぐつわを取り払うと、質問を始めた。
「女、貴様、うわさによると、天気予報がよく当たるらしいな?」
「いったい何なのあなたたちは!? お家に返して!」
「黙れ。私は質問しているのだ、女。答えよ!」
「だ、だから天気予報が当たるのは生まれつきで……」
「まだそんなことを言っているのか! 自分が魔霊に魅入られていると、さっさと認めろ!」
「さっきから何を言って……?」
少女は男の言っていることが理解できない様子だった。
「おい、この少女は本当に魔霊に魅入られているのか?」
「はっ、この少女の予想はほぼ100%当るそうです。そんなことは人間業ではありません。なに、とぼけているがすぐに口を割りますよ。おい!」
男がそう声をかけると、騎士たちは少女の服に手をかけ、乱暴にはぎ取ろうとした。
「いや! いやよ! 離して!」
少女は激しく抵抗したが、騎士二名にかなうはずはなかった。あっという間に下着姿にされ、その美しい体をさらけ出してしまう。
「さあ女、本当のことを言わないと、ひどい目にあうぞ」
「そんなこと言われたって、魔霊って何のこと……?」
少女は男の言葉に戸惑いを見せたが……。
「あくまで抵抗するのだな。よしいいだろう、では例の物を使うとしよう」
そういうと三人目の騎士が、バケツ一杯にはいったミルワームのような虫を運んできた。
「宰相様、よくご覧になってください。これが私のもうひとつの研究成果でして。この虫は体の穴から侵入し、魔霊の痕跡を調べることができるのです」
そういうと男はミルワームの入ったバケツの中身を少女にぶちまけた。
「いやぁあああああああ!!」
ミルワームは少女の美しい体の上を這い回り、あっという間に少女の全身にへばりついてしまった。しかも一匹や二匹ではない。数え切れないほどのミルワームが少女の美しい体を覆い尽くす。
「ひぃいい、いやあああ!!」
少女は必死にミルワームを振り払おうとするが、あまりに数が多すぎて払いのけることなどできるわけもなく、ただ悲鳴をあげることしかできなかった。その様子に宰相も思わず顔をしかめてしまう。
「さあ、娘、早く本当のことを言わないと、穴という穴に入り込まれて、大変なことになるぞ」
「いやああ! いやあああ!」
少女の悲鳴はいつまでも続いた。(続く)
ライラ🔮🌸🌙
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#オリジナル
ゆいらーめん
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さら
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コメント
1件
「続きが気になってうっかり声が出ました……!」 この第2話、かなり胸が締め付けられる展開でしたね。宰相の“お忍び”という軽さと、現場の非情さのギャップがすごくて、読んでいて息苦しくなりました。特に、少女が必死に「魔霊って何?」と戸惑う姿が痛々しくて……。彼女はただの天気予報が当たる子なのに、実験台扱いされている。宰相も思わず顔をしかめる描写が、わずかな救いというか、人間らしさを感じさせてくれました。 重田さんの、この“じわじわと追い詰める”ような心理描写、本当に繊細で引き込まれます。次がどうなるか、すごく気になります……!