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二酸化炭素さんの物語、全部面白くて好きです!!続き、楽しみに待ってます♪
世の中の事件とは、あまりにも惨いものだったり、軽はずみな行為で大きなものなど…たくさんの事件がある。それこそ、最近の世の中は物騒なものばかりだ。……いや、”そうだった”んだ。
最近、よく家の外に出てポストを見てみれば大体新聞が入っている。しかも同じ事件についての記事がずーっと。その内容こそいいものではないが、いいと思う人もいるだろう。
───俺からすれば、いいか悪いかなんてよくわからないけれど。そんな複雑な気持ちにさせるそれ───とある盗賊団に関する事件は、世の中に知れ渡っていた。
「…監視カメラで自撮り事件…その間に他の仲間がA社の秘密を暴いた───・・・ねぇ。」
俺───後のクロノアはそんな新聞の記事に一目置く。そんな俺の手にあるのは大きく広げられた新聞。そして新聞に映る写真には1人の男性───ある盗賊団のメンバーが映っていた。正直、モノクロの写真のためどういう髪色とか、服の色とかはわからないけれど…見た目はまんま女の子だ。
それでも彼らは全員男らしい。なんとも、よくこういうことをするよな。
(何が楽しいんだろう。)
写真に映る変顔をしながら笑っている男を見て、俺は一つ息をついた。
「あっ、やばっ。カップラーメン置きっぱなしだ…。」
ふと、お湯を入れたまま置きっぱなしにしていたカップラーメンの存在を思い出し、すぐさま新聞を床に置いて立ち上がる。
「うんま!!カップラーメンとか久々じゃね?!」
ふと聞こえた、俺以外の誰かの声。それは俺が置いたカップラーメンのした方向から聞こえて───
「───えっ。」
なぜか独身の俺に窓を開けて家の中に入ってきていたのは、今有名な盗賊団の1人だった。
…いや、盗賊団だし!!家の中に入れるのはわかるけどなんで俺の家?!
…それにカップラーメンをめちゃくちゃ美味しそうに食べている。そんな彼は全身ボロボロで、汚れだらけだった。
そんな男は俺を見た瞬間に焦った顔つきになり、一気にずるるっとカップラーメンを食い尽くした。
「あー…えーっと…ごちそうさまでした!!」
そう言って逃げようとする彼に、俺は鍛え上げた体で追いかけて捕まえる。風によって靡いた彼のマントを見事に掴み、相手を捕えることに成功した。
「あでっ?!?!」
「ぺっ、ぺいんとさん!?!?」
ふと聞こえた、女の子のような声。それでも少し笑いが含まれていて、ふと窓の外を見れば1人の男が屈んでいた。その男は、新聞に映っていた監視カメラで自撮りをした男だった。
「………えっ、とぉ……家、入ります??」
正直、カップラーメンを食べられたことに関しては怒っていない。いや、まぁそりゃたかがカップラーメンだし…。だからといってお腹が空いていないわけではいが。
それでも盗賊団相手にこう言ったのは、俺的に”悪いことをしているイメージがない”からだ。
……………
「ごめんなさいっ!!!」
家の中に響くでかい声。それはカップラーメンを食べた男───ぺいんと…さんから発せられたもので。ひどく髪色は明るい金髪で、服装は普通にかっこいい。でも意外と細身で”一般男性”という印象が強いかもしれない。
「ぼ、僕からも……勝手に侵入しちゃってすみません……。」
続けて喋ったのは身長が小さい男───しにがみ………さんで。彼は小さいがそれが少しかわいさを醸し出している。だからと言って男の俺からすれば可愛いとは微塵も思わないが…。
「い、いえいえ!大丈夫ですよ。…ていうか、何でここに?」
ふと俺がそう発言すると、2人は顔を見合わせた。何か言いにくい事情でもあるのだろうか…。さすれば嫌なことを聞いてしまっただろう。すぐにでも質問を訂正すべきか?と考えたが、相手は少し気まずそうに目を逸らしながら2人して答えた。
「「お、お腹が減ってて……。」」
そう言った途端、相手の腹からぐるるる…と音が鳴る。それに恥ずかしそうに2人は俯き、俺は少し意外だなと思った。
てっきり、2人は盗賊団なのだからたくさんお金があると思ったのに…。意外と貧困な生活をしているらしい。
「…じゃあ、なんか食べていきます?」
俺がそう言った途端、相手の2人は目を輝かせた。
「「はい!!」」