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は「そうですか。それで私の名前を知ったと?」
悠「そりゃあんな掲示板の前から下駄箱に行くまでぶつぶつと独り言言ってりゃ覚えるでしょ」
クスリと笑う佐原先輩。
そろそろ校門が見えてきた。
登校中の生徒の数も徐々に増えてきた。
は「あ、学校ですよ先輩」
悠「学校だね〜あ、おはよ〜」
知らない女の先輩が佐原先輩に声をかけている。
先輩はそれに応えるようにヘラヘラと笑って手を振る。
は「いつもなんでそんな笑顔なんですか」
悠「え..?」
一瞬真顔に戻った先輩。
私はそんな先輩に驚いた。
だが、すぐにまた元の笑顔に戻った。
は「あ、いえ、なんでもないです」
悠「はるちゃん俺の笑顔が変って?」
は「言ってないです、ほら校舎行きますよ」
悠「つれないなぁ」
佐原先輩は口を尖らせて私についてくる。
は「今日、私事前指導なんです、宿泊学習の」
悠「あぁ!あれ。懐かし〜」
は「だから午前で終わりなんです、いいでしょう」
悠「えーずるーい、俺ら通常授業なのに〜」
下駄箱の場所が違うのでそれぞれ離れて靴を履き替える。
靴を履き替えて少しだけ一緒に歩く。
この間掃除した渡り廊下だ。
は「じゃ、私の教室こっちなんで」
悠「俺こっち〜またねはるちゃん」
ヒラヒラと手を振る佐原先輩から離れたら、途端にまわりの女の先輩が佐原先輩を取り囲んだ。
「悠〜おはよ。なんであんなちんちくりん相手にしてんのよ〜」
「あんなのと登校してきたの?あたしとも遊んでよ」
そんな声が聞こえてきた。
ちんちくりんっ…て!!
自分の胸を見てみる。
ちんちくりん…。くそぉ。
悠「はいはい、あとで相手してあげるからね」
なんて調子のいいことをいう佐原先輩を背に教室に向かった。