優來
(来た・・・!)
夏帆
(やっぱり来たわね・・・)
人間解剖係
(おや・・・?)
人間解剖係
(珍しく2人一緒に寝ているのか・・・)
人間解剖係
ふっ・・・
優來
(笑った・・・?)
夏帆
(でも・・・嘲笑うような感じじゃない・・・)
優來
(まるで・・・)
夏帆
(子供を見ている・・・)
優來
(お父さんみたい・・・)
人間解剖係
・・・すまない、ミスA、ミスU・・・さらばだ
そう言ってミスターXは私達の口元に試験管を近づけようとした
夏帆
させませんよ、ミスターX
人間解剖係
・・・?!
人間解剖係
なぜ・・・なぜ起きているのだ・・・?!
夏帆
それ、睡眠薬でしょ?
優來
それを使って私たちを眠らせれば、殺して解剖することができるものね
人間解剖係
っ!!
夏帆
ミスターX、あなたはやっぱり殺さなくてはならないですね
優來
そんな・・・まって!!
優來
私・・・ミスターXをう・・・
夏帆
人殺しを庇うのはやめなさい
優來
ミス・・・U・・・
夏帆
人を殺すのは誰がなんと言おうと殺人
夏帆
それがとても昔の話で、もうものすごく反省していたとしても、罪
夏帆
どんな理由があっても、人を殺すことは許されない
夏帆
もちろん・・・解剖だってそうかもしれない
夏帆
だけど・・・私達みたいに人間解剖係として産まれてきてしまったからには解剖するしかない
夏帆
それは世間一般にも知られている
夏帆
だから、生まれつき人間解剖係として産まれてきてしまった私達は、殺してから解剖すれば罪に問われるけど、殺さないで解剖すれば、罪にならない
夏帆
まぁ、例外もあるけどね
夏帆
前にも言った通り、病気に苦しむ人など、死ぬことを望んでいる、いわゆる殺人願望者みたいな人たちを殺さないで解剖するなら罪には問われない
夏帆
だけどさ・・・ミスターXはどう?
夏帆
解剖されるのを望まない人間を、殺してから解剖してきている
夏帆
つまり・・・ミスターXは犯罪者なの
優來
つ!
人間解剖係
ミスU、ミスA、僕は・・・自首しに警察署に行ってくるよ
優來
・・・え?
人間解剖係
さよなら・・・僕の・・・可愛い家族達
優來
この・・・
優來
捻くれ者が・・・!!
人間解剖係
な、何を言う
優來
どうしてさぁ・・・素直に謝って反省して自首しに行かないって言ってくれないの?
優來
私ので大好きなミスターXに、どうして戻ってくれないの?
優來
自首なんてして欲しくないよ・・・
夏帆
ミスA!
夏帆
何を言ってるの
夏帆
こいつはねh・・・
優來
わかってるよ
優來
たとえ犯罪者だったとしても、私にとってミスターXはお父さんみたいな人なの・・・
優來
人を殺した罪は重いってわかってるよ
優來
わかってるの・・・でもさ・・・
優來
私、これ以上家族に捨てられたくない・・・
夏帆
・・・っ!
人間解剖係
・・・!
夏帆
・・・ほんとはさ
夏帆
私も、信じたくないんだよ
夏帆
ミスターXが私のお父さんとお母さんを殺したなんて
夏帆
だけどさ
夏帆
ミスターXは私達のことも殺そうとしたんだよ?
夏帆
それでも、そばにいたいって思えるわけ・・・?
優來
・・・うん
優來
お父さん・・・だから
人間解剖係
・・・
人間解剖係
君のその望みだけは
人間解剖係
叶えてあげられないよ
人間解剖係
自首しに行かないと僕はおかしくなってしまう
人間解剖係
また、人を解剖してしまうことになるかもしれない・・・。
人間解剖係
それだけはもう、したくないんだ
夏帆
・・・ふ・・・ふざけんなよ、ミスターX!
人間解剖係
?!
夏帆
ミスAが・・・
夏帆
こんなに苦しみながらも家族だって、お父さんだって言い張ってくれてるのに
夏帆
何よそれ
夏帆
全く反省してないじゃない
夏帆
それだけはしたくない?なら殺さなきゃいいだろ?!
夏帆
・・・過去は変えられない
夏帆
なら
夏帆
大切なのは今をどう生きるか。
人間解剖係
・・・
人間解剖係
じゃあ君は僕に何を望むんだ
夏帆
ミスAを・・・幸せにしたら
夏帆
あんたを・・・殺さないでいてあげる
人間解剖係
・・・僕は間違っていたようだね
人間解剖係
こうなったら・・・罪の償いをする為に、自首じゃなくて君たち家族を幸せにするよ
人間解剖係
子供たちの期待を裏切る訳には行かないしね
優來
ミスター・・・X・・・
本当のお父さんより優しくしてくれるミスターXのそばで生きたい
そして私は何があっても大嶺家との戦いでミスターXを守り抜く