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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

燎煉地方・菓子屋

読者さん

(さて……ここだな)

初めて入る店というのは些か有機がいるものだ

しかし……その勇気は今や己の心の中

迷うことなかれ

読者さん

(というわけで)

読者さん

(一気に何も考えずに)

読者さん

(……)

読者さん

(ゴーッ!!)

無心で扉を開ける

智美から放たれる重圧のオーラを攻略するに比べれば

こんなもの……屁でもない

店員

いらっしゃいませ

読者さん

お……おぅ

あくまで自然に振る舞うのだ

オドオドするから挙動不審に見えるのであって……

そう……平常心

読者さん

そうだなぁ

読者さん

このおすすめのチョコケーキってあります?

ショーウインドーにはとんでもないほどの種類のケーキが

おすすめのチョコケーキを見つけるだけでも時間はかかるだろう

ならば聞いてしまえ

店員

申し訳ありません……

店員

そちらの商品は売り切れてしまって

読者さん

あちゃ〜

読者さん

まぁ……そうですよね

読者さん

人気ナンバーワンですからなぁ

読者さん

ははは……

正直完売なのは予想してなかった

予定のプランが大幅に変更となるのは少し手厳しい

だが思考は柔軟にならなくては

店員

この用紙にご記入いただきますと予約できますよ

店員

明日の分になってしまうんですが……

読者さん

(それじゃあ間に合わないな)

ならば真っ先に目に入ったこのケーキを選んでしまおう

モタモタしてる暇はない

賢くスマートに

読者さん

じゃあこっちのショートケーキにしようかな

読者さん

2つほど……

読者さん

あぁいや

読者さん

(……)

読者さん

(ええい)

読者さん

5個ください

言ってやった

いやぁ……思い切りすぎた

だがこれは爽快

店員

かしこまりました

店員

5つで1500円になります

読者さん

はいはい〜

店員

ちょうどお預かりいたします

自分は無敵

自分は最強

そう思えばこんなにも大胆に買い物もできるのだ!!

読者さん

(案外時間に余裕を作って次の仕事に入れそうだ)

読者さん

(よかったよか……)

読者さん

(……)

読者さん

(ん!?)

イートインのコーナーがフッと目に入った

別に見たくてみたわけじゃないが

なんとなくなのだ

読者さん

(……)

智美

(……)

読者さん

あの……智美さん?

智美

何?

読者さん

き……奇遇ですねぇ

読者さん

ははは……

智美

あら〜

智美

大人しく食堂でゆっくりしてるかと思ったわぁ

智美

ちょうどいい

智美

ヨミィもイートインしていく?

読者さん

あ〜……

読者さん

自分には休憩時間あるんで

すると服を掴まれた

少し睨まれたかのようにも思える鋭い目つきにも感じられるが

その本心はどこか何かを求めてる

智美

私の言うことは基本絶対よ

読者さん

じゃあ……後半の部の仕事はどうするんです?

智美

私とお茶をする……

智美

これが午後の部の仕事よ

智美

……

智美

な、何よ……文句あるわけ!?

読者さん

いやぁ……全然

智美

店員さん?

智美

追加でお金払うからこの子も一緒にバイキングしてもいいわよねぇ?

店員

あ……はい、どうぞごゆっくり

店員

ではお買い上げのケーキは退店時までこちらでお預かりして冷蔵させていただきます

読者さん

あっ……これはどうも

智美

さぁ行きましょう

彼女はお金を払うと自分の手を引っ張って席まで誘導する

既に席には大量のケーキが置かれている

その量は圧巻だが……燎煉の人の食欲ならば何ら不思議ではなさそうだが

読者さん

差し出がましいようだけど

読者さん

自分が来なくてもその量を食べるつもりだったんですか?

智美

これくらい別腹にもならないんだけど

読者さん

あぁ……なるほど

智美

アンタだって普段よりたくさんご飯食べたでしょう?

智美

理屈は同じよ

読者さん

燎煉地方の人って大食らいなんですね

智美

こんな暑い場所で重労働してたらカロリー消費激しいからね

智美

あ〜!!

智美

美味ひぃ〜

智美

このチョコケーキ8つも先に買ってて正解だわぁ!!

読者さん

よ……良かったですね

読者さん

(売り切れてた原因絶対智美さんだろ……)

甘美な時間が始まる

胃袋もなんだかんだ言っては隙間をあけ

いずれくるであろう甘味を今か今かと待ち焦がれる

【ちび女神達と】

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