テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

主。

みなさんこんにちは!!

主。

こちら、『きいてください、神さま。』の第十一話になります!!

主。

休みの日だからと寝坊して投稿遅くなりました、すみません

主。

注意事項等はプロローグ参照

主。

それでは、いってらっしゃいませ!!

三百年前のオレからAt様への愛を託されてから数日、 オレは恋愛初心者でもできるようなちょっとした仕草を時々交えながら、 基本はいつも通りに神社で生活をしていた

Mz

あとはここの廊下に雑巾をかけて、、、

そんなことをぶつぶつ呟きながら掃除に勤しんでいると、 廊下の向こう側からAt様が歩いてくるのが見えた

Mz

あ、At様!!

できるだけ目を合わせて微笑みながら話をする、 ということを心がけながらオレが声をかけると、 At様はにこりと笑ってこう告げる

At

あ、Mz、ちょうどいいところに

Mz

何かオレにご用事でしたか?

At

用事、、、っていうか確認みたいなものかな

Mz

確認、ですか?

At

そうそう

Mz

内容をお聞きしても?

At

もちろん

オレの質問に優しく笑いながらそう答えたAt様は、 廊下にかけてある暦の記された紙束を指差す

At

そろそろ、Mzがこっちに来て3ヶ月になるよね?

At様が口にした言葉に一瞬オレの頭は理解が追いつかなかったが、 暦に記された日付を見て理解した

Mz

あれ、もうそんなに経ってますか?

At

経ってるんだよね、それが

Mz

嘘だ、、、

At

ほんとだよ?w

オレの唖然とした表情を見ながらふふっと上品に笑うAt様に オレがしばらく見惚れていると、彼はそれで、と続ける

At

Mzも完全にこっちでの生活に慣れてきたみたいだし、
ここで一回帰郷を挟んでもいいんじゃないかなって

At

家族が大事なMzのことだし、
そろそろ父親代わりの人とも会いたくなってくる頃じゃない?

At様の言葉をきいてオレの頭がKtyの姿を描いた途端、 オレは唐突にKtyに会いたくなってきた

Mz

会いたい、、、

At

だろうねw

At

それで、帰郷するための手続きとかも
こっちで済ませておかなきゃいけないから日程を決めたいんだけど

At

いつがいいとか、ある?

Mz

うーん、そうですねぇ、、、

Mz

それじゃあ、来週の月食の夜とかどうでしょう?

オレが適当にそう提案すると、At様が目を見開いて固まる

At

月食の、、、夜?

Mz

はい、どうせならKtyと月食見たいなーって、、、

オレが思ったことをそのまま口に出して彼に話すと、 いつもの冷静な彼とはかけ離れた少し焦った様子でAt様がオレの肩を掴む

Mz

わ、!?

At

月食の夜はだめ、絶対に許さない

心なしか、At様の心地よい低音は震えているような気がした

Mz

え、え、え、、、?

Mz

な、なんでですか、、、?

At

あの日、月食の夜だったんだ

Mz

え、?

At

Mzが死んだあの日、月食の夜だったんだっ、!!

Mz

!!

Mz

そうなんですか、?

At

そう、俺が誰よりも大切な人を亡くしたのは月食の夜だった

At

もう、大切な人を失うなんて嫌なんだ

At

帰郷するなとは言わないよ、Mzにだって家族がいるし、
俺だけの都合でどうこうできるものじゃないってわかってる

At

こんなの、俺の最悪の経験からくる勝手な験担ぎだけど、、、

At

その日だけは絶対に嫌だ、帰郷するならその日より後にしてほしい

Mz

わ、わかりました

Mz

それじゃあ、月食の次の日の朝にしますね、?

At

そうして欲しい、ごめんね

Mz

いえいえ、お気になさらず!!

オレの答えに彼はホッとしたように震えをおさめると、 オレの肩から手を離してゆっくり笑ってこんなことを言ってきた

At

……あー、もうわかっちゃった

Mz

へ、?

At

こんなに不安になるなんて思わなかったな、
これはもう間違いないって言える

At

でも、あの時は帰郷前に言ってひどい目にあったから、、、

Mz

At様、?

よくわからないことを言っている神様にオレが疑問を込めてその名を呼ぶと、 彼はいつもオレとあの人を間違えている時と そっくりなようで何かが違う優しい笑顔で言う

Mz

(その笑顔っ、!!///)

At

もしMzが帰郷を終えたら、伝えたいことがあるから

At

ちゃんと、帰ってきてね?

Mz

心配しなくても巫女の仕事を投げ出したりしませんよ!!

At

……Mzがそんなことをしないのはわかってるよ

オレの言葉にそう返したAt様の顔が、少しだけ曇っている気がした

Mz

(最初はオレが巫女の仕事を嫌がってたから不安になってるのかな?)

Mz

(それとはなんか違う気がしないでもないけど、
オレ普通にここに戻ってくるしまあいいか)

Mz

それじゃあAt様、オレは帰郷のために
その日までに荷物をまとめておきますね!!

At

……うん、わかった

オレは寝室へ向かう愛しい神様の背中を見送り、 Ktyと会える帰郷を楽しみにしながら雑巾掛けを続行した

俺が不安で破裂しそうな自分の気持ちをなだめながら部屋に向かっていると、 居間の近くを通りかかった時に休憩中のAkに声をかけられた

Ak

あ、At様!!

Ak

お疲れ様ですっ!!

At

Akか、今日も元気だね

Ak

はいっ、Prーのすけと復縁してから本当に毎日幸せで、、、

彼が惚気話を始めようと俺に目線を向けた時、 Akが言葉を止めて心配そうな表情で俺を見た

Ak

At様、、、あまり体調がよろしくないのですか?

At

え、?

At

どうして?

Ak

だって今のAt様、、、とても顔色が悪いので

At

……そんなに?

Ak

そんなにですよ、めちゃくちゃ顔が青ざめてます!!

Ak

どうかなさいました?心当たりは?

Ak

言いたくないということであれば、深く追及は致しませんが、、、

千年間俺に仕えてくれている彼は俺のことをよく理解しているのか、 口ではそうは言っても雰囲気でちゃんと言葉にしてくれと伝えてくる

普段は多少躊躇するところであるが、 昔の恋人のことも相まって不安が最高潮に達していた俺は 情けなく声を振るわせながら胸の内にある懸念を言葉にする

At

……Mzが、帰郷するって言うから不安で

Ak

なるほど、、、

At

別に帰郷するってことだけなら
ここまで不安にはなっていなかったんだけど、、、

At

彼が来週の月食の夜に帰郷するって言うから
色々思い出しちゃったんだよね

At

いくらなんでも不安すぎるから別の日にしてもらったけど

俺がそう正直に言うと、Akは優しく目を細めた

Ak

At様の中で、それだけMzちが大事になってきたってことですよね

Ak

一応確認ですが、あなたが見ているのは、?

At

ちゃんと今のMzだよ、最近やっとわかった

At

やっぱり多少は昔のMzがちらつくことはあるけど、、、

At

ここ数日は、ずっと今のMzのことばっかり考えてる

At

でもやっぱり、、、たまに彼のことを
思い出しちゃうのは今のMzに対して失礼かな

Ak

……いや

Ak

Mzちだったら、きっと2人とも大事にしてなきゃブチ切れますよ

At

……そうかもね

Ak

At様の気持ち、ちゃんとMzちに伝えました?

At

まだ伝えてない、あの時も帰郷前に求婚して散々な目にあったから

At

帰郷が終わったら伝える、それまでは我慢

Ak

帰郷中に運命の出会いを果たすかもしれませんよ?

At

……Kty以外のこの世の全ての人間のMzにつながる縁、弱めとこうかな

Ak

At様の力では縁を弱めることはできませんよね?w

At

うん、できないねw

At

でもまあ、、、Mzが他のやつを好きになったなら、
その時はちゃんとそいつに譲るよ

At

Mzのこと幸せにしなかったら呪ってやるけど。

Ak

At様の呪いは怖いからなあ、、、

彼は俺の冗談をにこにこ笑いながら聞いていたが、 しばらくするとふっと真面目な表情になって 最近俺が隣の村に足を運んでいる理由の根源についての報告をしてきた

Ak

……ところでAt様、例の一族の現在の居場所を突き止めました

At

ああ、あのクソ一族ね

At

誰かを監禁している様子は?

Ak

監禁している様子はありませんでしたが、
その一族の男の配偶者がかなり不審であると睨んでいます

At

なるほど

At

その配偶者に関する詳しい情報は?

Ak

ほとんど出てきませんでした、
わかったのは数年前に嫁いできたということくらいです

Ak

ですが、、、この徹底具合が逆に怪しいと感じております

At

……大方、黒確定だな

Ak

はい、オレも同意見です

俺は心の中で荒ぶる怒りの波を抑えながら、 この世界で一番信用している優秀な神の使いに命令を下した

At

Mzが帰郷する日の夜、俺が神社を離れる手続きもしておいてくれ

Ak

来週のこの日の朝にMzちの帰郷、
夜にAt様が出かけられるということでよろしいですか?

At

うん、それであってる

Ak

かしこまりました、至急手配しておきます

At

いつもありがとう、感謝してる

Ak

いえいえ、オレとPrーのすけを幸せにしてくれたあなたへの
何千年経っても返しきれない多大なる御恩に
精一杯のお返しをしているだけですから

At

そう言ってくれると嬉しいよ

俺の言葉に無邪気な笑顔を浮かべたAkにいつも通りの微笑を返しながら、 俺は自分の部屋に向けて居間を後にした

Mz

At様、準備完了いたしました!!

At

了解、今からMzをKtyの家に送るね

オレが帰郷する日の朝、オレは大好きなKtyに会える楽しみに 胸を躍らせながらAt様と初めて出会った部屋で 3日前にまとめた数日分の荷物を片手に彼と会話をしていた

At

暦の予想が外れて月食の夜が
今日になったのは少し気になるけど、、、

At

今更、日付を変えるなんてできないもんね

Mz

大丈夫ですよAt様、
見た感じオレの村にはそういう変なやついませんから!

Mz

そもそも、昔のMzさんはとても魅力的ですが
オレは見た目が似ているだけのガキですし

At

……。

At

(すごく不安、本当は行って欲しくないけど、、、)

Mz

At様?

At

ああごめん、ちょっと考え事

At

目をつぶって、祈ってもらえる?

Mz

はい!!

オレは言われた通りにまぶたを閉じ、 今ではすっかり本物となった大好きな神様への祈りを捧げる

At

……。

At

現実世界では俺はあまり干渉できないから、
くれぐれも気をつけて帰郷するんだよ?

Mz

はいっ、もちろんです!!

オレの返事を聞いたAt様が優しく笑う声が聞こえた後、 覚えのある感覚がして体がぽうっと暖まり、オレの体は光に包まれた

オレが目を開けると、そこに映ったのは3ヶ月ぶりの我が家だった

Kty

あ、Mzち!!

Kty

巫女としてのお仕事お疲れ様、神様とはうまくやれてる?

Mz

うん、めちゃくちゃ親切にしてもらってるよ

Kty

よかったー!!

そう言ってオレのことをぎゅーっと抱きしめるKtyの温もりは変わらなくて、 オレは安心感と懐かしさで涙がこぼれそうになる

Kty

もーMzち、どうして泣いちゃってるのさ!!

Mz

だって、久しぶりの家で落ち着いて、、、

Mz

神社の中ももちろん落ち着くし大好きだけど、
やっぱりオレが何年も育ってきたのってこの家だからさ

Kty

確かに、子供の時から住んでいた家って特別だもんね

Mz

うん、

ポロポロとオレの瞳からあふれる涙を優しく拭いながら、 Ktyはにっこり笑ってこう言った

Kty

今日の夕飯はMzちが大好きな唐揚げだよ、楽しみにしててね

Mz

ほんと!?

Mz

オレ、Ktyが作る唐揚げめちゃくちゃ好きだから嬉しい!!

Kty

あははっ、そう言われると作り甲斐があるなあ

Kty

それじゃあMzち、僕はちょっと足りない材料とかを
買いに行くから、夕飯の時間までは好きなように過ごしててね

Mz

わかった!!

買い出しに出かけるKtyを見送った後、 オレはしばらく荷解きをして必要なものをまとめていたが、 それを終えると、あ、と声を上げて立ち上がる

Mz

どうせなら村の景色も久しぶりに見たいなあ

Mz

ちょっと出かけるか、夕飯までならいいって言ってたし、
1人でどっか遊びに行くなんていつもやってたもんな

そう1人で呟きながらオレは動きにくい巫女服から着替えて 部屋の片隅に置いてあるAt様が祀られている仏壇に心からの祈りを捧げ、 今度は舌を出すなんて失礼なことをしないで部屋を後にした

オレが久しぶりの村を満喫しながら散歩をしていると、 すれ違うたびに村人から「久しぶり」と言われ、オレもそれに笑顔で返す

自分が生まれ育った村のあたたかみを肌で感じながら歩いていると、 後ろから声をかけられた

隣の村の村人

あの、Mzさん、ですよね?

Mz

はい、そうですけど、、、って

Mz

どちら様?でしょうか?

見覚えのない顔にオレがこの村のものではないと判断して、 こてんと首を傾げて相手を確認すると、 相手は大層傷ついたような表情を浮かべてこんなことを言ってきた

隣の村の村人

嘘だ、、、君は本当に僕を覚えてないの?

Mz

覚えてないって、、、この村の村人なら
全員把握してますけどあなたは違うでしょう?

Mz

オレ、ほとんど村から出たことありませんし

隣の村の村人

一回だけあるだろう?この村から出たこと

Mz

TgとKtyと一緒に隣の村に買い物に行った時のことですかね?

Mz

その時のオレまだ2、3歳くらいの
ガキなんで覚えてるわけないじゃないですか

隣の村の村人

でも僕は感じたんだ、あの時家族と歩く君を見て運命だと、、、

Mz

は?お前そんくらいのガキにそんな気持ち抱いたの?

Mz

気持ちわる、幼女趣味の男版ってこと?

隣の村の村人

だって当時の僕4、5歳だし

Mz

なんで覚えてるんだよ、気持ち悪い

オレがこの男への憎悪を隠す気なしに言葉にしていると、 彼は幸福そうに微笑んでこんな言葉を言ってきた

隣の村の村人

僕は君を迎えにきたんだ

隣の村の村人

聞けば君は、この村を守る神様とやらに
不本意にも誘拐されていたみたいじゃないか

Mz

誘拐ではなくお勤めですが?

Mz

(最初は不本意だったからそこは否定できないな、、、)

隣の村の村人

だからって3ヶ月もこんなかわいい君を閉じ込めるなんて、
下心があるとしか思えないね、神とあろうものが

彼がそう言葉にした時、オレはカチンと頭に来て感情的に言い返してしまった

Mz

At様はそんなことしないっ!!!!

Mz

誰にでも優しくて、愛する人を害した人間を嫌いになりきれなくて、
誰よりも純粋で一途で綺麗な心を持ったあの神様がっ、

Mz

そんなこと、するわけないだろっ!!!!

自分でも思ったより大きな声が出てしまって多少は驚いたが、 そんなことはどうでもよかった

大好きな神様を馬鹿にしてあらぬことを声高に言葉にして くだらない口説き文句にしたこの男が、どうしても許せなかった

隣の村の村人

……君は

隣の村の村人

まさかあの神様を、愛してるなんて言わないよね?

Mz

愛してるよっ!!!!

Mz

だから、お前の出迎えは断る

変なことになる前にここを去ろうとオレがくるりと彼に背を向けて スタスタと足早にこの気持ち悪い男の元から離れて行こうとすると、 後ろから手が伸びてきて手巾で口を塞がれた

Mz

!?

隣の村の村人

でも、あんな神様より僕の方が長い時間君を愛している、、、

隣の村の村人

僕の方が先に好きだったのに、
それがあんなぽっとでのやつに取られるなんて、、、

隣の村の村人

許さない許さない許さない

こいつは思ったよりやばい男だったらしいとオレが察した頃には、 こいつがこの手巾にまとわせていたのであろう睡眠薬によって もうすでにオレの意識が飛ぶ寸前だった

きいてください、神さま。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,011

コメント

4

ユーザー

まぜ太くんが…まぜ太くんがぁぁぁぁぁ!!!!!なんでなんだよぉぉぉぉぉ後ちょっと!!無事に帰れば結ばれるんじゃないんかぁぁぁぁ!?!?(すみません取り乱しました( ᐛ ))まぜ太くんを攫った人物まさか…ちぐさくんと300年前のまぜ太くんの犯人と………続き待ってます!!🥲‎(無理はなさらず🥹‪💦)

ユーザー

mz😭😭😭😭😭 少し嫌な予感がしちゃう… 続き待ってます✨

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚