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噂の花屋

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噂の花屋

3 - 噂の花屋3

♥

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2020年06月06日

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少年

ったく、姉ちゃんも酷いもんだぜ。

姉の使いで花屋に足を運ぶ。

どうもイケメンがいるらしい。

姉は1度行ったくらいだけど、どうもメアドが欲しいらしい。

で、同性の俺に頼んだって訳。

少年

クラスの女子が騒いでたなぁ。

少年

あの美玖ですら話に混ざってたからなぁ。

同じ高校の同じ2年生。同じクラスのいわゆる陰キャ。美玖。

苗字は確か…由羅(ゆら)。由羅美亜。

でも、話していた時酷く怯えているような表情だった気が…

少年

あ、ここか。

オシャレな外装。こりゃ女が好きそうだと思った。

少年

すみませーん。

青年

はーい。いらっしゃいませー。

少年

(こいつか…)

少年

あの、紫陽花(アジサイ)ってありますか?

青年

ありますよ?何色がいいでしょう。

少年

あー、何色でも。

青年

分かりました。

愛想は良さそうだ。でも、イケメンだからって調子に乗ってたら爆死しろって感じだ。

青年

誰かのお使いですか?

少年

え、なんで…

青年

いえ、紫陽花って言う目的だけで色とかは聞いてきていないんだなぁと。

青年

花に興味のない人がよく言うなんでもですね。

少年

こいつ、割と腹黒い。

少年

ふーん。腹黒いっすね。

青年

あはは、どうも。

少年

クラスの女子はきっとフィルターかけてるな。美玖だけつけてないように見えるけど、

青年

美玖…?美亜じゃなくて?

少年

え?

青年

あ、すみません。

少年

美亜?誰だそれ。

青年

えっと…

青年

俺の昔の恋人?

少年

振られたんすか

青年

ううん。病気。

少年

!…なんでソイツと美亜を間違えた…?

青年

んー。どうも俺は前世の記憶があるみたいでさー

青年

信じられないでしょ?

青年

その時の俺の恋人の名前が由羅美亜でさ、

少年

青年

美亜って子、もしかして髪が肩ぐらいにある女の子?

少年

そうすけど…

青年

クラス同じなんだぁ…

一気に目が変わる。

少年

!?

さっきまで笑っていた顔。今も笑っているけど目が笑ってない。

だからこそ余計に怖い。

少年

はい。

少年

(動じるな。)

青年

あ、そうそう。話し込んでてごめんね。紫陽花だったっけ。

青年

ちょっとまっててね。

男は「青色」の紫陽花を手にして花束をさっさと作る。

青年

お待たせしました。どうぞ。

少年

どーも、

青年

また来てね。

少年

……うす。

少年

なんなんだあいつは

部屋でベットに寝っ転がって言う。

不敵な笑み

前世の記憶を持つ

怪しげな男

少年

姉ちゃんはアイツのどこがいいんだよ。

怖くて、

怖くて、

美玖が怯えるのも無理もない

きっとあいつの本性を見たからだろう。

少年

そういえば美亜、花言葉がナンタラだって言ってたな。

たしか今日貰ったのは紫陽花。で、青色。

すぐに携帯で調べる。

少年

あ、出てきた。

少年

全般が、移り気、浮気…

少年

うわぁ

ドン引く。流石に。

姉ちゃんに向かってのメッセージだろうか。

少年

ん?青の紫陽花

別にあるそうだ。

それは、

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青の紫陽花。花言葉。 「辛抱強い愛情」

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