金平糖の分身体
私は生まれつき霊感がある。
ある日、散歩をしていると前からおばさんが自転車をこいでくるのが見えた。
そのおばさんすっごい苦しそうで顔色も悪かった。
なんでだろう…と思って目を凝らすと、自転車のカゴに何かが乗っていた。
生首だった。
眼球がなくてぽっかり空いた黒い目がおばさんを見ている。
やばい…
私は思った。「おばさんに憑かれてること教えてあげなきゃ、お祓いしないとやばい。」
すれ違い様に、勇気を出しておばさんに声をかけた。
「あの…言いづらいんですが、かごに霊…」
おばさんは一瞬スピードを落としたが
「知ってます」と私の言葉を遮るように通りすぎていった。
その瞬間私は、気づいてしまった。