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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

あれから凛久君は私がもう一回寝ていても保健室に残っていたみたいで

だいぶ頭も落ち着いて帰ろうとしても、送っていくとか言ってきたり

もちろん家まで来られたら色々大変なことになりそうだから全力でお断りして

凛久君の積極さには本当に驚いて、相手にしていると少し疲れる

電車に乗ってやっとの思いで帰ってこれたのは7時過ぎ

玄関のドアを開けて自分の部屋へ

部屋の前に立って一瞬めまいがしてドアノブをつかんでいると、急にドアが開いてしゅう君が出てきた

絵麻

あ、しゅう君…

確か放課後はデートじゃなかったの?

なんてことを考えていると、何も言わずつまらなさそうな顔をしながら私の腕をひいて

柊人

おかえり

柊人

なんでこんなに遅かったの?

耳元で聞こえるしゅう君の声で自然と落ち着いている自分がいる

絵麻

え、あ、ごめんなさい?

そのまま私を抱きしめたまま離してくれない

しばらく何も言わず動かないでいるとしゅう君の肩が一瞬ぴくっと動いた

柊人

…甘い匂い

絵麻

え?

一言とても低く冷たい声でボソッと行ったみたいでうまく聞き取れなかったから聞き返そうとしたけど

しゅう君がこんな低い声を出すことなんてないから私の気のせい?

柊人

とりあえず着替えたら?

絵麻

え、あ、うん

家にいるときはゆったりとしたワンピースが楽だからこれでいいかなんて思い、それに着替えてしゅう君を呼ぶ

さっき少しだけ機嫌が悪そうだったのは何だったんだろう

絵麻

おまたせ…って、え?

ドアを開けた瞬間またぎゅっと抱き着かれる

柊人

今日なんでこんなに遅かったの?

絵麻

え?

柊人

いつも遊ぶ時だってこんなにおそくなんてなんないでしょう?

確かにしゅう君の言う通りこんなに遅く帰ることは久しぶりだったけど

絵麻

そんなのしゅう君には関係ないじゃん

絵麻

だって今日しゅう君も彼女とデートしてたんだから

柊人

それは絵麻がいいって言ったからでしょう?

絵麻

…は?

確かにあそこでいいって私は言ったけど逆にわたしが止める権利なんてない

絵麻

私がどうこう言う権利はないから

柊人

…そっか

冷たくあっさりと言って私から離れるしゅう君

それと同時に自分が具合悪いことに気が付いてまたふらつく

絵麻

…っ

柊人

そういえば今日おじさんとおばさん俺が来たらどこか行っちゃったけど

絵麻

あ、今日は二人で外食してくるらしくって

柊人

じゃあ今日この家には俺と絵麻の二人きりなんだ

絵麻

ん?

また小さくつぶやくから聞き返したけど

柊人

おなかすいた

と、軽くスルーされてしまった

絵麻

今日は家で食べるの?

柊人

そうする

絵麻

わかった

絵麻

今から作るね

柊人

絵麻の事食べたい

絵麻

…はっ?

絵麻

ちょ、何言って…

柊人

だって俺はおなかのすかせた狼なんだよ

私だってばかじゃないからしゅう君が言っていることが、ただならぬことじゃないのくらいわかっている

絵麻

そ、そういうことは彼女に言ってっていつも言ってるでしょ?

柊人

だから、俺だっていつも言ってるじゃん

柊人

こんなこと絵麻にしか言わないって

こうなったら何言っても無駄なのはよくわかっているから無視して、キッチンにむかう

絵麻

とりあえず作るから待ってて

柊人

ん、ならずっと絵麻にくっついてる

絵麻

な、なにいってっ!

言葉通り私にぴったりくっついてるしゅう君

明らかに様子がおかしい

もともとこんな私をからかうようなことはよく言うけど

今日はそれにあまさがさらに増している気がする

絵麻

料理できないよ

キッチンに立って野菜やお肉を切っている私から離れようとしないしゅう君

柊人

まぁまぁ俺の事は気にせずに

そんなこと言われても

好きな人がこんなに近くにいて気にならないわけないじゃん

お腹のあたりにしゅう君の手がしっかり回っていて身動きが取れないし、とにかく集中できない

柊人

ねぇ絵麻最近ちゃんと食べてる?

絵麻

うん、食べてるよ?

柊人

その割にはやせた気がするんだけど?

しゅう君の大きな手が私のお腹をさする

絵麻

ちょ、やめて!

絵麻

さわらないでって!

スキンシップってものにも限度がある

柊人

なんで?いいじゃん

絵麻

よくない!今すぐ離れないとしゅう君のご飯作ってあげないよ!

こんなこと言っているけどほんとは恥ずかしくて耐えられないから

そんなこんなでしゅう君を無理やりキッチンから追い出してご飯を作り終えた

時間が過ぎるのはあっという間で今は10時を回っていた

柊人

じゃあ俺はそろそろ帰ろうかな

絵麻

うん

柊人

あ、それともきょうは一緒に寝る?

なんてとんでもないことを言い出すから最後まで気が抜けない

絵麻

そんなわけのわかんないこといってないで早く帰りなさい

柊人

えー?昔はよく寝てたのに

絵麻

今と昔を比べないの!

あのころとはわけが違う。私たちだって成長してる

柊人

じゃあ今日のところはあきらめるか

絵麻

ふぅ

柊人

なんていうとでも思った?

絵麻

へ?

絵麻

ってきゃっ!

私の身体をひょいっと抱っこして抵抗してもおろしてもらえず

あっという間に私の部屋にベットに体を倒された

絵麻

ちょっとなにするの!?

絵麻

付き合ってる人がいるのに一緒に寝るなんてできるわけないでしょ!

柊人

絵麻うるさい

柊人

おとなしくしないと変なとこ触るからね?

なんて言いながら私の背中をなぞる

絵麻

しゅう君のセクハラ変態最低野郎

柊人

お、言ってくれんじゃん

柊人

でも、絵麻が悪いんだよ?

なんていうものだからしゅう君の方を見るとしゅう君は余裕がなさそうに顔をゆがめていた

それでも君が好き

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コメント

1

ユーザー

いつも素敵な作品ありがとうございます✨

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