秘密のつぶやき

何度確認しても誤送ではなさそう…

どうやら本当に俺に送ってきたみたい。

阿部ちゃんの気まぐれかもしれないし、 自分で自分の首を 絞めるようなことはしないようにしないと…

まずは『DMありがとうございます』？

『なんで俺に送ってくれたんですか』とか 聞いてもいいかな…

いや、いきなりは流石に変!?

間違えて送信ボタン押しちゃった…

『DMありがとうございます！ SnowManの阿部さんですか？ なんで送ってくださったんですか？』

そう思ってメッセージに再度目をやると 下に小さく『既読』の文字がついていた

佐久間疑惑のアカウントからのDMだった

今日は忙しくて、 送ったことをすっかり忘れてた

なんて返信来てるかなぁ… びっくりしてるかな

できれば、佐久間だって 確信の掴めるような答えが返ってくるといいな

しばらく考えてから メッセージを送信した。

『はい、阿部亮平です たまたま目にしたのでずっと見てました笑 俺からも質問いいですか？ 今までで一番嬉しかったことってあったりしますか？』

この質問…どう答えればいいんだろ…

正直に答えたら、もしかしたらバレちゃう？

いやでも、大量のアカウントの中から 俺の裏垢をピンポイントで見つけられるわけないし…

大丈夫だよね…？

『仕事終わりに、 ２人きりで家でごはん食べたことです』

そう正直に書いて 俺はメッセージを送信した。

翌日、仕事終わり

今日はMVの撮影で 一日中せわしなく動きっぱなしだった

ようやく上がれたのは もう９時を回った頃だった

呼び止められて、ふと振り返る

いつもなら、大好きな阿部ちゃんの誘いだし 喜んで行っているけれど

今日は素直に喜べなかった

だって昨日…

阿部ちゃん…本当に俺だって気づいてるの…？

嬉しさと、胸のざわめきでごっちゃになりながらも 俺は阿部ちゃんの後をついていった

阿部ちゃんの家についてから、 適当に出前を頼んで２人で食べた。

車の中や食事中に、 ひさしぶりに阿部ちゃんとたくさん話すことができた

正直、好きだっていう態度を 隠せている自信はないのだけれど。

阿部ちゃんの丸眼鏡がやっぱり気になって ぽつりと漏らしてしまった

あぁぁ…俺としたことが 余計なことを言っちゃったよ…

阿部ちゃんが早口で何か呟いたので 聞き返した

阿部ちゃんが見せてきたスマホの画面には… 俺の裏垢のプロフィール画面が 表示されていた。