ガチャッ
キヨ。
ただいまぁ…
誰に向けるわけでもないが そう言って帰宅する。
レトルト
おかえり〜
そうだった。
俺の家にはこいつがいる。
ふよふよと漂いながら 俺の目の前で止まる。
レトルト
何その嫌そうな顔…
キヨ。
一人のところを邪魔されるから
キヨ。
困ったなって顔だよ
レトルト
それはほんと申し訳ない笑
キヨ。
まぁいいや
キヨ。
そんなことよりさ
俺はこの同居人にスマホの画面を見せる。
ガッチマン
どうする?
牛沢
宅飲みだろ?
牛沢
俺実家だから無理かも
キヨ。
まじかー
キヨ。
実家強いな
牛沢
ガッチさんちは?
ガッチマン
まぁだめではないけど
ガッチマン
部屋片付いてないよ笑
キヨ。
それだめって言ってるようなもんじゃん
牛沢
てことは
キヨ。
えー…
キヨ。
…俺んちですか
ガッチマン
よし!
ガッチマン
明日キヨんち行こう!
牛沢
気が早いんだよな
ガッチマン
酒とつまみは俺らが買ってくから
ガッチマン
案内だけよろしく
牛沢
え?
牛沢
俺も買い物つきあわされてない?
ガッチマン
当然でしょ
ガッチマン
お邪魔する側なんだから
ガッチマン
ね?
牛沢
へいへい
キヨ。
りょーかい
キヨ。
ってことだから
キヨ。
マジで邪魔すんなよ?
レトルト
見てるだけ?
レトルト
俺も混ざりたい…
キヨ。
だめだって!
キヨ。
お前の姿俺しか見えないんだから
キヨ。
それに…
キヨ。
俺がお前と話してたら変に思われるだろ
レトルト
むぅ…
レトルト
わかったよ…
キヨ。
そのあと構ってやるから
キヨ。
明日だけは我慢しろ?な?
レトルト
はーい
レトルト
大人しく見てるだけにするね
本当にわかってるのかこいつ…
部屋の中を漂いながら はーいなんて軽く返事して。
キヨ。
(空返事だな…)
キヨ。
ねぇ
レトルト
ん?
キヨ。
あんたの望みの話だけど
レトルト
あー
レトルト
その話ね
キヨ。
生前したかったこととか
キヨ。
未練はあったの?
レトルト
あんまり覚えてないんだけど―
少し考える素振りを見せてから
寂しそうな目で俺を見た。
レトルト
俺の周りの人が言ってたの
レトルト
大切な人がいたら人生楽しいって
レトルト
でも俺にはそういう人いなくてさ
レトルト
…いたらもっと楽しかったのかなって
レトルト
来世ではもっといい人生にしたくて
レトルト
自分で…ね…
俺はそれを聞いて驚いた。
キヨ。
自分でって…
キヨ。
事故とかそういうんじゃ…
レトルト
違うよ
レトルト
そこのクローゼットのドア―
レトルト
そこにロープかけたんだ
キヨ。
そう…なんだ…
たったそれだけの理由で?とか
もっと他にも方法あっただろ?とか
言いたいことはたくさんあったけれど
あまりにも衝撃が大きくて。
それ以上その話をしようとは 思わなかった。
TO BE CONTINUED…






