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目をそらしても、心は見てる。 優しさで隠した傷ほど、 触れられたとき、いちばん痛い。
作者
まぜ太とけちゃの灰色の欠片が話題になり、 クラスは少しざわついていた。
クラスの奴ら
クラスの奴ら
その会話の中でおでは、ひとり黙ってノートを見つめていた。 手の中には、震えるように光る白い欠片。
『欠けているもの:信じてもらう強さ』
指先が少し冷たくて、欠片の光がゆらゆらと揺れる。 その時、後ろから声がした。
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あっとは少し笑って、自分の欠片を見せた。淡い青が、静かな光を放つ。
『欠けているもの:優しさを信じる勇気』
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作者
放課後。 俺らは屋上で風にあたりながら、欠片を並べていた。 青と白。 風に光る二色のガラスが、少しずつ距離を縮めていく。
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あっとは俺の手を取って、白い欠片にそっと自分の青を重ねた。 光が広がる。 白と青が混ざって、ほんの一瞬だけ “水色” に変わった。
その瞬間、 おでの心の奥に、あっとの記憶が流れ込む。
泣きながら笑う幼いあっと。 誰かを励ますたび、自分が壊れていった記憶。
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沈黙。 風の音だけが二人の間を通り抜ける。
おではゆっくり手を伸ばして、あっとの欠片を包み込んだ。
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白い光が一瞬強くなり、二人の手の中で、透明な輝きが弾けた。
白と青が完全に溶け合って、 小さな “淡い水色の欠片” が生まれた。
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二人の目が、静かに重なった。 その色は、誰にも見せたことのない優しい光だった。