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メンヘラ/ボーダーな彼女《チャットノベル版》

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メンヘラ/ボーダーな彼女《チャットノベル版》

1 - メンヘラ/ボーダーな彼女《チャットノベル版》Ep.1

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2022年08月21日

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Ep.1 キッカケ

それは今から8年前。俺が20歳になって 数ヶ月ぐらい経ったある日のことだった。

キッカケは高校時代の1個下の後輩、 MからのLINEだった。

T

久しぶり、どうかした?

M

実は、最近ネットで知り合って仲良くなった子が今度こっちに遊びにくるんです

学校では友達がおらず、よく放課後になると生徒会の事務室に遊びにきていたKに友達ができたのか。

それは良かったと思いながら話を聞いていると、どうやら相手は東北に住んでいる同い年の女の子らしい。

今まで彼女どころか友達さえ居なかった Mは遊びに来てくれるのが嬉しい反面、 リアルではどう扱ったらいいのか分からないから助けてくれ、と俺に泣きついてきたのだった。

T

で、具体的には俺に何をしてほしいの?

M

二人っきりで会うのは気まずいし、俺バイトもしてないから金がなくて…先輩に着いてきて欲しいです

俺は『コイツは本気で言ってるのか?』と内心思ったものの、どうやら本気らしい。

T

俺がお前に金を貸して、事前にアドバイスしとくんじゃダメなのか?

M

…無理です。先輩知ってるでしょう?
俺が女の子と話すの苦手なの

『お前、逆にそれでよく仲良くなれたな』と呆れたが、どうも実際に会って話をするのと、通話やチャットでやり取りをするのとではプレッシャーが違うらしい。

T

分かった、着いて行ってやるよ
でも、お前から事前にしっかりその子に俺が来るってことは伝えとけよな

M

わかりました!!
ありがとうございます!!

知らない男が1人増えたところで、むしろその子の方が困ると思うんだが…先が思いやられる。

当日…

M

あ、先輩。おはようございます

T

あぁ、おはよう。それで、例の子は?

M

えっと…高速バスが渋滞で遅れてるみたいで、あと30分くらいで着くそうです。

T

30分って、随分かかるな…仕方ないか。
タバコも吸いたいし、そこの喫茶店でも入ってコーヒーでも飲んで待とう。

俺は駅前の喫茶店を指差して、店内に入っていった。

T

俺はブレンドでいいかな…M、お前は?
何か飲む?

M

え、じゃあ俺は…アイスココアで!

T

はいよ。じゃあ俺は注文しとくから
先に席座って押さえといてくれる?

M

わかりました!

そうして俺が飲み物を注文し、カウンターで受け取ろうとした時だった。

M

先輩。あの子から連絡が来て、
今バスターミナルに着いたらしいです!

T

まだ10分くらいしか経ってないぞ…タイミング悪いな。
まぁ着いちゃったもんは仕方ない、俺はコーヒー飲んでタバコ吸いながら待ってるから、さっさと迎えに行ってきてあげな。

M

はい、すみません!行ってきます!

俺は溜息を吐きながらコーヒーを飲む。

そうして10分くらい経っただろうか。 タバコを吸ったりスマホを見てるうちに、店の入り口からMが1人の女の子を連れて入ってきた。

M

すみません先輩、遅くなりました…

T

お帰り。まぁ別にタバコ吸ってただけだし、気にすんな。

T

えっと…君がMが言ってた例の子だね。俺はT、よろしく。

K

あ、えっと…は、はい。
初めまして、Kです。よろしくお願いします。

T

まぁ2人とも立ってないで、座って。
Kちゃんは何か飲む?

K

え、えっと…じゃあ、オレンジジュースで。

T

分かった。んじゃ俺はジュース買ってくるから、Mと2人でお話しでもしながら待ってて。

この時、俺がKに感じたのは 『良い子そうだし可愛いけど、大人しくて芋っぽい地味な子』という印象だった。

…そしてこの時の俺は、まさかこの話があんなことになるとは。夢にも思っていなかったのだった。

──Next episode is Comming soon.

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