じいちゃんのタイムマシーン

怒りに任せて言ってしまった

じいちゃんのことを他人扱いされたのが嫌だった

おじいちゃんやおばあちゃんの記憶がない俺にとって

お隣のじいちゃんとおばあちゃんは大切な存在だから

結局、父ちゃんは何も教えてくれなかった

実家の事も自分の両親の事も

本当にそうなの？

少なくとも

高校を卒業するまではいたんじゃないの？

血の繋がったおじいちゃんとおばあちゃん

小さい頃に会った記憶もなく

どこに住んでいるかもわからない

元気なのかな？

今、何歳なんだろう？

じいちゃんは物心がついた頃から俺のことを可愛がってくれた

例え赤の他人でも

優しいじいちゃんが大好きだ

委員長とのやり取りをじいちゃんに説明した

俺はちゃんと担任に許可をもらって帰っていたのに

生活指導がその事で委員長を咎め

いきなり咎められた委員長が俺に怒って

委員長の言葉に俺も腹が立って強く言ってしまった

俺も言い過ぎたとは思うけど

どうしても許せなかった

だから思った

じいちゃんが本当のおじいちゃんだったら

じいちゃんにも孫がいるけど

もう何年も会っていないらしい

委員長は生活指導に言われたから怒っていただけで

俺もちゃんと話をしたわけではなかった

じいちゃんの言う通り

きちんと話せばわかってくれるかもしれない

週末になったらまた母ちゃんの所へ行く

最近は飛ぶ間隔を開けるようになった

全てを見届けるのに時間がかかってしまうから

俺にとっては一週間ぶりでも

母ちゃんにとっては数ヶ月ぶり

あれからどうなったのかな？

少しでも元気になってるといいな

母ちゃんの笑顔が大好きだから

また楽しい話をたくさんしたい

明日ちゃんと委員長に謝ろう

そしてきちんと説明してわかってもらいたい

俺がじいちゃんの事を大切に思っていることを

この作業が終わったら

起動して問題がないかをチェックする

誰にも言えない秘密

俺とじいちゃんだけの秘密のタイムマシーン

委員長に話したら

信じるかな？