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貴方が私を殺して＿＿。

第30話 - 第二十九話　難事件 ―愛の言葉とビー玉―

414

2023年05月11日

#文豪ストレイドッグス

#夢小説

#オリキャラ

スイ星

少し薄暗い空間に、一つの机がある。そこには、容疑者である有馬叶多が座っていた。

翠

………

翠

（此処…一寸厭だ、）

彼処を思い出してしまう

乱歩

さて、この名探偵たる僕の異能を見せるとしよう、！

翠

（異能…）

叶多

＿＿＿＿？

乱歩さんは眼鏡を取り出して、かける。

乱歩

異能力、

『超推理』

乱歩

＿＿＿＿それじゃあ容疑者くん、否……

乱歩

犯人って云った方がいいかな？

翠

（……犯人…）

叶多

……

叶多

君先刻、名探偵って云ったね？

乱歩

云ったけど、

叶多

本当に名探偵なら、如何して僕が彼女を殺したか解るでしょ？

乱歩

勿論、全部解った

叶多

………そっか…

乱歩

認めるの？

叶多

そうだね、でも…僕は＿＿＿＿

乱歩

『どうせ殺されるなら……好きな人が良かったんだぁ』

叶多

っ！

乱歩さんがその言葉を発した瞬間、男は勢い良く、椅子から立ち上がった。

叶多

……な、なんでそれを……

乱歩

云ったでしょ？全部解ったって…

叶多

＿＿＿＿っ

男は目を大きく見開く。すると、急に笑い出した。然し、私には無理をして笑っているように見えた。

叶多

本当に、全部解ってるんだね……じゃあもう、隠すことなんて無いか＿＿

叶多

あの日の夜、僕は雫に呼び出された＿＿＿＿

叶多

明日の朝食を手伝って欲しいって、手袋を着けさせられたから、手が汚れるのかなって思った、

叶多

でも急に雫が…アイツが変なことを言い出した

叶多

『もう判ってるでしょ』って……

叶多

アイツは……僕に包丁を握らせた、

叶多

『これで私が死ねば殺人になって、保険金が下りる、あの子達を養える』って…

叶多

僕だって如何したら子供達を幸せにできるか考えてた、でも…こんな方法は思ってもいなかった……

話しながら、男は顔を歪ませていくのが判った。

翠

そのまま殺したの…？

叶多

勿論厭だって云ったさ、まァ僕の頭の中は、アイツが死にたいと云った事に、パニックになっていたけどね…

叶多

そしたらアイツが＿＿＿

叶多

何云ってんの雫、そんな事したって何の意味も＿＿＿

雫

ねェ…私ね、貴方と今まで過ごせて幸せだったの、だからこそ、貴方とあの子達を幸せにしてあげたい…

叶多

なっ……

雫

叶多……好きだよ、

雫はそう云いながら僕に抱きつく。

雫

『愛してる』

その言葉に喜びは無く、呪いとして聞こえた。

ドスッ

雫

っ＿＿！

自分の手元を見ると、先刻まで光を反射していた銀色の包丁が、鮮明な赤に染まっていた。

叶多

！！

雫の方を見ると、ゆっくりと倒れていく。

雫

どうせ殺されるなら……

好きな人が良かったんだぁ

ドサッ

叶多

ぁ、し…雫……

倒れた雫からは、血溜まりがどんどん広がっていく。

叶多

っ……！

包丁を刺しっぱなしにして、僕はその場を離れた。

僕はリビングを出た。

幸い包丁にはあまり血が付いてなく、手袋を捨てて手を洗えば、どうにかなると思っていた。けれどその時＿＿＿

雫

ありがと、う……ごめん…ね、

叶多

っ…！！

彼女の声が聞こえ、勢い良く走っていた足を、ピタリと僕は止めた。

叶多

……雫…？

後ろを向くが彼女の姿はない。

叶多

………ご免、有難う

翠

………如何して、逃げなかったの？

叶多

……ったんだ

翠

え？

叶多

いつも通りに寝て、朝起きたら…アイツが居ると思ったんだ……

叶多

美味しそうな朝食の匂いと、鳥のさえずりが聞こえて、それから…アイツと子供達が僕を一緒に起こしに来て……

叶多

そう言う、いつも通りの日々が…送れると思ったんだ…

叶多

なんて、父親として失格だよな……

乱歩

＿＿君が彼女を殺した事には変わりはない、でも……

乱歩

君は彼女から子供達の幸せを繋いだ、

乱歩

それで充分だと思うよ

叶多

…！

男は顔を少し歪ませると、涙を溢した。

翠

………

箕浦刑事

またお前の世話になったな、名探偵

乱歩

どんな事件も解決するのが僕の役目だからね、

乱歩

また難事件が起こったら、この僕…名探偵に頼ると良いよ！

箕浦刑事

はは…そうさせてもらう

乱歩

それじゃあ翠ちゃん、僕達も帰ろっか、

翠

…！あ、うん

乱歩

ん？如何かした？

翠

何でもない…ぼーっとしてだけ、

乱歩

……？

翠

探偵社に帰ろう、

乱歩

そうだね！

箕浦刑事に別れを告げて、私達は帰り道を歩き出した。

翠

乱歩さんの異能、凄かった

乱歩

だろう？何せ僕の異能は世界一だからね、！

自慢気に乱歩さんはそう云う。

翠

本当に凄い……

乱歩

まぁね〜！

乱歩

あっ…そうだ、このまま帰ったら少し疾く着くな……ﾎﾞｿｯ

翠

……？

乱歩

翠ちゃん、僕彼処のお店で喉乾いたから飲み物買ってくる、

翠

え、だったら私が……

乱歩

いーよ、翠ちゃんは此処に居て

乱歩さんは私をベンチに座らせる。

翠

…………

私はベンチに座りながら、走っていく乱歩さんの後ろ姿を見送った。

翠

………

拍

凄かったねェ、乱歩さんって人の推理！

拍がそう云いながら、急に目の前に現れる。

翠

うん、凄かった

拍

僕と同じ一般人なのに異能力者レベルの力を持つなんて……

翠

え、一般人…？

拍

うん、あの人僕と同じ一般人だよ！

翠

……気付かなかった

拍

それ位凄い力だからね、少し……

羨ましいかも……

翠

……？如何いう＿＿

拍

何でもなーい

拍はそう云うと、ふっと消えた。

翠

………居なくなった…

再び、独りになり静かな空間が続く。

『どうせ殺されるなら　　好きな人が良かったんだぁ』

被害者である彼女の言葉を思い出す。

翠

殺されるなら……好きな人が良かった、か……

自分の手のひらを見る。

翠

（私を望んで殺してくれる人は現れるのだろうか、もしそうなら………）

『貴方が私を殺して』

翠

（と、ハッキリと伝えられたら＿＿＿＿）

乱歩

ﾋﾟﾄｯ

頬に何か冷たいものが触れる。

翠

ﾋﾞｸｯ

後ろを見ると、買い物袋を持った乱歩さんが居た。

乱歩

だいじょーぶ？

翠

え……えっと、うん…

乱歩

なら良かった、じゃあハイこれ…

そう云って乱歩さんは、私に炭酸飲料が入った瓶を渡す。そこには【ラムネ】と書かれていた。

翠

これ……いいの…？

乱歩

まぁ付添に付き合ってくれたしね

翠

……有難う、

すると、乱歩さんはラムネの中に入ってるビー玉を指差す。

乱歩

このビー玉って、磨くと綺麗になるんだ

乱歩

もし凄く綺麗になって、僕の所に持って来たら……

良いモノあげる

翠

……良いもの…？

乱歩

うん、良いモノ！何が貰えるかはお楽しみだよ！

乱歩

頑張って磨いてね〜

翠

…うん、判った

少し期待を抱いて、私はラムネの瓶を優しく握った。

主

難事件編終わりましたぁ〜！

主

無事、事件解決して良かったですね！

主

ビー玉磨いて渡すと乱歩さんから何が貰えるのでしょうか！？

主

これは色んな期待を抱いちゃいますね！

主

次回は入社試験合格祝い！

主

お楽しみに！

♥️お願いします！

貴方が私を殺して＿＿。

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