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かは
121
翠玲
2,466
ドアが開くのと同時になつさんの脚に全身で突っ込んだ
なつ
なつさんは靴を脱ぎかけた体勢のままよろめいた
なつ
なつ
いるま
完全に無視。なつさんの脛に頭をぐりぐりと押し付け、ごろごろと喉を鳴らした
なつ
いるま
顔は涙とよだれでぐしゃぐしゃ。目はうるうる、尻尾はぶんぶん
なつ
なつさんの声のトーンが変わった。甘さが消えて、低く真剣な声
なつ
しゃがみ込んで両手で持ち上げた。目を合わせるように顔の前に持ってくる
いるま
なつ
いるま
俺の口にはちゅーるがべっとりと付いていた
いるま
しゅんと耳が垂れた。尻尾も力なく下がった
なつ
そう言って、なつさんは俺を床に降ろした
いるま
足元にすがりつこうとしたが、ひょいと避けられた
なつ
いるま
なつ
いるま
反論できない。床にぺたんと座り込み、上目遣いでなつさんを見つめることしかできなかった
なつ
冷たい。いつもならすぐ撫でてくれるのに、腕を組んで見下ろしてくるだけ
いるま
前足をちょこんと揃えて頭を下げた。人間でいう土下座のつもり
なつ
なつさんはキッチンへ歩いていった。背を向ける。振り返らない
いるま
追いかけようとしたが、ふとなつさんの背中を見て足が止まった
いつもと違う。怒り方が本気っぽい
いるま
リビングにぽつんと取り残された。さっきと同じ孤独。いや、さっきよりもっときつい。だって怒らせたのは自分だから
いるま
なつ
キッチンから戻ってきたなつさんの手にはちゅーるが一本
いるま
ぱあっと目が輝いた。尻尾がちぎれんばかりに振れる
なつ
しゃがんで目の前にちゅーるをちらつかせながら
なつ
いるま
前のめりでちゅーるに食いつこうとしたが、ひょいとかわされた
なつ
いるま
なつ
いるま
なつ
なつ
いるま
なつ
いるま
ちゅーるのことなど一瞬で忘れてなつさんの膝に飛び乗った
なつ
にやっと笑ったなつさん。ちゅーるを自分の指に絞り出した
いるま
目が釘付けになった。とろりと垂れるちゅーる
なつ
いるま
がぶりとなつさんの指にしゃぶりついた。一本目の人差し指を根元まで咥えてちゅるちゅると吸い上げる
なつ
指先に伝わる猫の舌のざらつきと、吸引の圧。想像以上に刺激が強い
なつ
二本目の中指にも舌が伸びてきた。ちゅるん、と巻きつくように舐め上げ、関節のくぼみを丹念にほじる
いるま
完全に我を忘れていた
夢中でなつさんの指を貪った
なつ
指を咥えたまま、ぴたりと動きが止まった