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主。
主。
主。
主。
なんとか授業に間に合ったオレたちは、 午後の授業もしっかりと受けて、現在は下校時刻だ
今日も周りからの誘いを丁重にお断りしたPrは、 ニコニコ笑顔でオレに声をかけてくる
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
Mz
Pr
いつもPrと帰る時と同じように並んで昇降口に歩いていこうとすると、 クラスメイトの女子のうち1人がこちらにツカツカと歩み寄ってきて、 ちょっとMzくん、とオレに声をかける
クラスメイト
Mz
Mz
クラスメイト
クラスメイト
Mz
普段は面倒臭いからと黙って従うというのに、 Atに会いたいというそれだけの理由でここまで応戦している自分に 少し驚きながらオレが彼女のめちゃくちゃな要求を断ろうとしていると、 彼女ははぁ、とため息をついてオレにこんなことを言ってくる
クラスメイト
Mz
Mz
クラスメイト
クラスメイト
Mz
クラスメイト
そう言ってニヤニヤと意地の悪い笑顔を浮かべた女子に、 オレは腹が立つがこの状況でPrに信じてもらうなんて 無理に決まっているので、相手の要求に従うしかなかった
Mz
クラスメイト
ご機嫌な笑みを浮かべてホウキとちりとりと雑巾をオレに押し付けた女は、 教室を出ようとしていたPrに声をかけた
クラスメイト
Pr
Pr
Pr
Mz
クラスメイト
クラスメイト
Prは女の言葉を聞いてしばらく考える素振りを見せると、 いや、とつぶやいてオレに向き直った
Pr
Mz
クラスメイト
Pr
Pr
女はPrの言葉を聞いて悔しげに唇を噛むと、 オレに向かってなんとも都合のいいお願いをしてきた
クラスメイト
Pr
Pr
少し笑顔が怖いPrが女にそう問い詰めると、 彼女はう、と詰まって下を向いた
Pr
かなり圧を感じるPrの言葉に女は少し怯えた様子でうなずくと、 足早に教室を去っていった
Mz
Pr
そうつぶやくPrの表情には行き場のない自分への怒りと後悔が にじみ出ていて、こいつもこいつで大変なんだなと悟る
Mz
Pr
Pr
Mz
周りの圧力よりも自分の信念を貫いてオレを手助けしてくれたPrを、 純粋に芯のあるしっかりした奴だと尊敬の念を抱いた
そして、初めて誰かに助けてもらえたのが嬉しかった
Mz
心の底から、そう思えた
その場にしばらく沈黙が落ち、オレたちは黙々と掃除を進めていく
オレがホウキで教室の半分ほどをはき終えたところで、 Prがぽつりとつぶやいた
Pr
Mz
Pr
その言葉を紡ぐ彼の声色には、いつも明るい彼からは想像できないような、 悲しくて辛い気持ちが混ざっているように感じた
俺には、何においても絶対的に優先すると決めている大切な友人がいる
Pr
Ak
Pr
俺の言葉に彼は笑うと、読んでいた本をパタンと閉じてカバンにしまい、 こっちに目線を向けて俺の話を聞く態勢をとる
学校の椅子に座る彼の足はまだ自由で、 俺は週末は毎週彼と一緒にいろんなところに遊びに行っていた
Pr
Ak
しばらく彼と話していると、クラスメイト達が話に割り込んでくる
クラスメイト(大阪)
Pr
当時の俺は学校でも人気者で、Akと話していると他の奴らに話しかけられる、 というのももはやよくあることで、日常の一部だった
俺はこの時点からAkのことが好きであったので、 彼と2人で話しているときに割り込まれるのは多少イラッとしたりもしたが、 他の友人達との交流も大切な物であるのでそれなりに楽しんでいた
でも、当時の俺は、クラスメイトの奴らが俺に話しかける時に Akをないもののように扱っていることに気がつけなかったのだ
Ak
バスケをやっているため人より多少は足が早かった俺は、 いつも大量に昼食をとるAkのために購買のジャガイモパンを 昼休みが始まった瞬間爆速で買いに行くのが日課だった
Pr
俺がジャガイモパンを片手に教室に入ると、 Akの席に俺の友人達が集まっていることに気がついた
クラスメイト(大阪)
クラスメイト(大阪)
Ak
クラスメイト(大阪)
Ak
俺の友人がAkに罵詈雑言を吐いているのをみて 俺の頭には完全に血がのぼり、泣きそうになっているAkの前に ジャガイモパンを少し乱暴に置いてそいつらに言い返した
Pr
クラスメイト(大阪)
Ak
Pr
Pr
Pr
Ak
クラスメイト(大阪)
Pr
Pr
大好きなAkを傷つけられて荒れ狂う俺の口からは 次々と怒りのこもった言葉が飛び出してくる
珍しくガチギレしている俺にみんな気押されているらしく、 昼休み中でざわざわしていたはずの教室はしぃんと静まり返っていた
Pr
Pr
Pr
俺は友人達にそう吐き捨て、 Akの隣の席に座って弁当を取り出し、昼食をとり始める
Pr
Ak
静まり返った教室がざわざわと元の喧騒を取り戻し始めた頃、 ジャガイモパンを頬張ったAkが俺の耳元でこそっとこういう
Ak
Pr
好きなやつに耳元でささやかれて俺が真っ赤になったのはいうまでもなく、 その後の記憶はあまり覚えていない
クラスメイト(大阪)
ある日俺がいつも通り登校すると、 黒板にデカデカと俺とAkの相合傘が描いてあった
Pr
ニヤニヤと性格の悪い笑顔を浮かべるかつての友人達に、 そんな彼らを呆れた様子で見ているものの下手にスクールカーストが高い そいつらに怯えて何もできないのであろうクラスメイト達
先日の一件を通して、俺はAkがどんな立場に置かれていたのか思い知った
Pr
Akがまだ学校に来てないことに安心しながら 俺が幼稚な黒板の落書きを消して何事もなかったかのように席に着くと、 相合傘を書いたのであろう彼らは不服そうな表情を浮かべていた
Pr
Pr
運のいいことに、俺にはちゃんと常識を持ち合わせた頼りになる友人達もいる
彼らは俺とAkに味方してくれたので、 彼らと協力をしながら俺はAkへの嫌がらせを防ぐように動いた
しかし、俺は完全に舐め切っていたのだ
Akに嫌がらせをしていた彼らが、 どれだけ脳みそが足りない奴らなのかということを
俺がAkを守るように動き始めてから1ヶ月ほど経った頃、 掃除当番でたまたまAkとかつての友人のうちの1人が 2人で掃除当番になっている日があった
Pr
Pr
Ak
Ak
Pr
Ak
Pr
Pr
Ak
ニコッと笑顔でそう言ったAkに、俺は彼を置いて部活に向かうことにした
その決断を一生後悔することになるなんて、微塵も思わずに。
部活を終えた俺がそろそろ帰ろうと荷物をまとめていると、 途端学校中が騒がしくなった
どこからか救急車のサイレンが鳴り響いており、 体育館の出入り口からちらりと見えるグラウンドには警察の人たちがいる
Pr
ものすごく嫌な予感がした俺は、 たまたま近くを通りかかった顧問の先生に話を聞いてみることにした
Pr
顧問の先生
Pr
俺の質問に彼は少し苦い顔をすると、こんなことを聞いてきた
顧問の先生
Pr
顧問の先生
先生はそう言うと、俺に衝撃的な事実を伝える
顧問の先生
Pr
顧問の先生
Pr
伝えられた事実が衝撃的すぎたことと、 俺がAkを庇っていることを彼らがよく思っていないのを知っていたとはいえ そんな愚かな暴挙に出るとは思わなかったこととで俺は大混乱を起こす
Pr
顧問の先生
顧問の先生
Pr
先生の言葉に力無くそう答えた後、 自分がどうやって帰宅したかは覚えていない
ただ一つ確かに覚えているのは、 次の日から俺が連日彼のお見舞いに行っていた、ということだけだ
不幸中の幸いと言うべきか彼はなんとか一命を取り留め、 記憶等も失うことなく彼の人格と命は保たれた
しかし、高所から落ちた彼は下半身の自由を失い、 車椅子がないと移動がかなり不便な体になってしまった
その後彼は治療とより良いリハビリのために 大阪の病院から東京の病院へ移動となり、 毎日Akのお見舞いに行くために俺も東京に1人で引越し、今に至る
あれから数ヶ月経った今でも、 あの時俺はどう行動するのが正解であったのかはわからない
ただ、自分の中に激しい自己嫌悪と後悔が渦巻いていることだけは Akが自由な体を失ったあの日から明確であった
Mz
Prがこんなおかしな時期に転校してきたことや 図書室で別に読むわけでもない本を大量に借りていること、 オレを気にかけていることなど、 今までの疑問がその話を聞いて全て解決していく
Mz
Pr
Pr
Mz
Pr
Mz
Prはオレの言葉に薄く笑うと、こんなふうに続ける
Pr
Mz
Mz
Pr
Mz
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
好きな子、と口にした時に一瞬、 海岸でぼーっと海を見つめているあいつの姿が頭をよぎったが、 いやいやと首を振ってそれを打ち消す
Mz
Pr
ニヤニヤしながらそう聞いてきたPrに、 オレはなぜかかーっと顔が熱くなるのを感じながら叫んだ
Mz
Pr
Pr
Mz
Pr
楽しそうに聞いてくるPrにカマをかけられたと察したオレは、 もうこのクソガキを無視して掃除に集中することにした
Pr
Mz
Pr
窓から夕陽が差し込み始めた教室で、楽しそうに話すPrの声と 久しぶりに心の底から人との関わりを楽しんでいる自分の笑い声が響いていた