天と地は、とても遠い。
地は天を見上げ、
天は地を見下ろす。
例えば私達がそう。
私が見下されて、 まりかを私は見上げる。
心
(同じ人間なのにな)
まりか
こーころっ!一緒にかーえろ!
心
……うん。
まりかの友達
ね〜!まりかー!
私達と一緒に帰ろ〜よ!
私達と一緒に帰ろ〜よ!
まりか
あ、おけ!
ごめん心、また今度帰ろ。
ごめん心、また今度帰ろ。
まりか
尊〜!!
心
(そっちが誘ってきたくせに。)
まあでもそうだよね。
私達は友達なのに、天と地のように 何かが違う。
同じ人間なのにな。
だから、これは…………
神様が私にくれたチャンスだ。
みんな
ね、まりかの家の親さ、
夜逃げしたんだって。
カッコ悪っ!
夜逃げしたんだって。
カッコ悪っ!
今この瞬間、私は思った。
私が天で、
まりかが地だ……
心
まりか、今どんな気分?
まりか
……心?
心
その心こそが、あんたといて
思った気持ちなんだよ。
思った気持ちなんだよ。
まりか
……酷い……。
心
酷いのはそっち。
そっちから誘っておいて、
仲のいい友達が来たら私のことは
見下して、後回し。そして捨てる。
そっちから誘っておいて、
仲のいい友達が来たら私のことは
見下して、後回し。そして捨てる。
まりか
違、見下してなんか……!
心
じゃあ、この手紙のやり取りなに?
まりか
ーーーーーッ!
心、まだ私にまとわりついて来る。ホント迷惑。 死ねばいいのに。
心、後で虐めよ。みんなでさ。
心
これ、何?
まりか
こ、これはっ……!
心
じゃーね。
心
天と地はとっても遠いの。
心
地の人が天に逆らっちゃいけないの。
心
君が地で、私が天。
心
クス
心
いい気味。
心
じゃあ、絶交だよ。
まりか
待って、やめて。
いつまでも友達でしょ?
いつまでも友達でしょ?
心
?
心
地の人間が天の人間に
友達になりたい
なんて言っていいの?
友達になりたい
なんて言っていいの?
心
バイバイ。
まりか
待って、待って、待って……!
天と地は遠い。
今は私が天で、
天だった人が地だ……。