死んだ弟

君がくれた夏、僕らを繋ぐ軌跡

あの夏、逃避行の果てに、恋人・日帝は自ら命を絶った。そして13年後、生き写しの日本と、同級生のイタリアに巡り会い、運命の歯車が再び動き始める。ドイツは、十字架を飛び越えて2人を救えるのか。
命を懸けた、ひと夏の闘いが始まる。

雪の音

たとえ、見ている景色が違くとも。
僕らは大丈夫だから＿＿＿。

輝いたステージで歌を 。

いつもと変わらない1日だった 。


空襲警報が県内に鳴り響いた 、ボロボロになってしまったライブ会場 。

輝いたステージで歌を届けたい 。


「 俺達が輝こう ＿ 。 」

僕が狐になった日は、君の命日だった。

高校１年生になったばかりの
イケメンでもない平凡な僕に急に話しかけてきた隣の席の女の子。
話していくうちにその子は不思議で、
でもどこか大人っぽくて。

ある帰り道のこと。
一緒に歩いている時のこと。

急にその子は僕にこんなことを言ってきたんだ。



「嘘ついたことある？」って───────

心臓病の君と見たあの夜空。

長編作品です。