秋斗
待て。
何をしているんだ。
いくらムカつくからと言って、こんなことをしてしまえば、殺したも同然だ。
正気を取り戻すんだ。
秋斗
秋斗
一弥
雅也
玄関の扉を急いで開ける。
二人は外へ躍り出た。
息が荒く、必死の形相だ。
「大丈夫ですか」と声をかける。
その瞬間。
秋斗
雅也
一弥先輩に、俺と雅也先輩は腕を掴まれた。
一弥
一弥
秋斗
秋斗
雅也
雅也
雅也先輩のその言葉をきっかけに。
一弥先輩はニヤリと笑った。
一弥
一弥
秋斗
雅也
俺と雅也先輩は院内へと再び押し戻された。
目を上げると、一弥先輩は高らかに笑いながら扉を押さえている。
秋斗
一弥
一弥
雅也
雅也
雅也
一弥
一弥
一弥
一弥
一弥
雅也
秋斗
アアアアアアアア
ドスドスドスドス
雅也
振り返ると、女の顔はもうすぐそこだった。
化け物は、雅也先輩の方に襲いかかった。
雅也
俺はすぐ近くにあった廃材を拾い上げ、化け物の牙が身体に噛みつこうとするその顔めがけて叩きつけた。
アアアアアアアア
化け物は苦悶の声をあげ、地団駄を踏んでいる。
秋斗
雅也
腰が抜けている。
仕方なく、肩を貸して全速力で走った。
正面玄関以外にも、鉄格子以外の窓や扉があると思ったからだ。
秋斗
雅也
秋斗
雅也
雅也
正面突き当たりの窓は、どうやら格子のない窓のようだった。
雅也先輩も足取りが治ってきたようで、もう肩を貸す必要は無くなっていた。
その時、突然、大きな音が鳴った。
バァンッッ!!
後ろからだった。
そして、その直後。
一弥
一弥
一弥先輩の悲鳴が上がった。
雅也
秋斗
俺と雅也先輩は窓から逃げ出した。
……そして。
意識を失った。
……
目が覚めると、空を見上げていた。
仰向けで倒れているようだ。
隣を見ると、雅也先輩がいる。
秋斗
雅也
頭を押さえて、二人は目を見合わせる。
秋斗
秋斗
雅也
どうやら、俺たちは記憶を失っている。
何かをしにきて。
何かがあったようだが。
何も思い出せない。
俺と雅也先輩が下山している時に、ひとつだけ気にかかったことがある。
だから、雅也先輩にも聞いてみた。
秋斗
雅也
秋斗
秋斗
雅也
何となく、気味が悪かった。
それに、耳を覚ましてみると。
あの病院の方から。
うめき声でも聞こえるようだった。
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