シュウサクさん
やぁ。
シュウサクさん
暇を持て余してないかい?
私
はい。
私
よく分かりましたね。
シュウサクさん
じゃあ
シュウサクさん
これあげる。
私
なんです、これ。
私
パンドラの箱?
シュウサクさん
開けてみてくれ。
私
うわぁ!!
箱からはあのビローーーンてなるおもちゃが飛び出してきた。
私
ちょ、悪趣味すぎでしょあんた!
私
あ。
私
すいません。
シュウサクさん
ん?なにが?
私
(…まぁ、いつもの事だ)
私
あ、そういえば
私
こんな、パンドラの箱みたいな事件
私
ありましたね
コナノキさん
ここです。
シュウサクさん
あぁ。
シュウサクさん
君とハヤミニさんはここで何をしていたのかな?
ある日。 事務所がある街と隣接する街で起きた
変死事件。
死んでいたのはハヤミニという男性。
助手の私でも分かる。
死因は鋭利なもので首をかき切ったのだろう。
彼の服に血がべっとりと着いていた。
今回は、そんな不気味な事件である。
話を戻そう。
コナノキさん
ここで私とスグル君(ハヤミニさん)は
、新作の推理小説について話してました。
、新作の推理小説について話してました。
シュウサクさん
ほうほう。
シュウサクさん
なんの小説ですか?
コナノキさん
エラリークイーンの《ローマ帽子の謎》ですけど、実物もっ
私
エ、エラリークイーン!!!!!!!
私
ローマ帽子の謎ですとぉぉぉ!
私
エラリークイーン好きなんですか!?
コナノキさん
いえスグル君が好きなだ
私
そうですよね!エラリークイーン最高ですよね!!!!!!!
私
あぁ、こんな同士と出会えるなんて!
私
毎日頭おかしい探偵の相手をしてた私へのご褒美でございましょーーーかーー!
シュウサクさん
…今すぐ良い精神病院探してあげるからまってて。
私
あ。
私
すいません
シュウサクさん
じゃあコナノキさん。
シュウサクさん
しばらくお部屋を見させて頂いてよろしいですか?、
コナノキさん
……えぇ。
シュウサクさん
あぁ!そうそう
シュウサクさん
そこのテーブルの上に
シュウサクさん
お菓子が置いてありますが
シュウサクさん
ハヤミニさんは食べましたか?
コナノキさん
えぇ。
コナノキさん
彼が好きなお菓子を用意したので食べていました。
私とシュウサクさんは、部屋の中を見て回ることにした。
そう言えば。
何故、死因が分かっているのに《変死》としたか。
理由を書いていなかった。
何故《変死》としたか。
それは。
被害者が箱に頭を突っ込み
笑っていたからである。
私
この事件、コナノキさんが犯人なのでしょうが。
私
証拠が掴めませんね。
私
オマケに
私
凶器も見つかっていない
私
これじゃぁ、解決に繋がりません。
シュウサクさん
…君は。
シュウサクさん
綺麗に落とし穴にハマったね。
シュウサクさん
さぁ。謎解き編だ。
私
(…まぁ。いつもの事だ。)
シュウサクさん
今回は変死だった。
シュウサクさん
私の推理が正しければ
ある心理効果が使われている。
ある心理効果が使われている。
シュウサクさん
それは、おいおい説明しよう。
シュウサクさん
被害者は箱に首を突っ込んで亡くなっていた。
シュウサクさん
そしてテーブルに置かれていた菓子類
シュウサクさん
直前まで話していた推理小説談義。
シュウサクさん
ここまでの話を聞いて思い至ったのは
シュウサクさん
《カリギュラ効果》
シュウサクさん
カリギュラ効果とは、ローマ帝国の王
、カリグラがモデルとなった映画がきっかけである。
、カリグラがモデルとなった映画がきっかけである。
シュウサクさん
ひと言で言えばダチョウ倶楽部。
シュウサクさん
「押すなよ押すなよ、絶対押すなよー」
シュウサクさん
と言われれば「はいそうですか。」と都合よく行かない、「押してやろう、熱湯風呂に落ちたらどんな反応をするのだろう」と考えてしまう。
シュウサクさん
このように、あるものに対し、「〜するな、〜するな」と何度も言われることによってより興味が高まってしまう現象の事を《カリギュラ効果》と呼ぶ。
シュウサクさん
私はパンドラの箱ー今回はそう呼ぶ事にするーが出てくるミステリ小説は知らないが、コナノキさんがハヤミニさんを箱の中を見るように誘導したのではないか。
シュウサクさん
そこで効果的なのが卓上の菓子類。
シュウサクさん
卓上にはハヤミニさんの好きだった菓子類が置かれていた。それを取ろうとする度にこういっていたのではないだろうか。
シュウサクさん
「その箱の中は見ないでくれ」
シュウサクさん
「頼むから見ないでおくれよ。」
シュウサクさん
そう言われたら好奇心が働くのは人の常。
シュウサクさん
堪らず見たハヤミニさん。
シュウサクさん
「何も無いじゃないか!」
シュウサクさん
そう反論したかもしれない。
シュウサクさん
その後は分かっている通りだろう。
シュウサクさん
…
シュウサクさん
この犯罪は美しくな
私
著作権。