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私の可愛いオバケくん

第1話 - 私の可愛いオバケくん第1話

6,070

2019年09月16日

#青春恋愛

#学園

#ドキドキ

#青春

荘田一夢

春風花純

（うわっ！）

春風花純

（おー！びっくりした！）

春風花純

（でも…やっぱり映画は一人で来たほうが楽しめるな）

春風花純

（ひゃー！エグい〜）

???

わー！

???

おおっ！

春風花純

…………！？

???

うわっ…

春風花純

…………？

???

うおおおっ！

春風花純

（隣の席の人…さっきから声出すぎなんだけど）

春風花純

（そんなに怖いなら、観に来なきゃいいのに）

春風花純

（どんな人なんだろう？ちょっと顔見ちゃおう…）

小嶽涼

ぎゃー！

春風花純

…………！！！

春風花純

（えっ…オバケ？…嘘でしょ！？）

そこにいたのはクラスメイトの小嶽涼（おだけりょう）だった。

春風花純

（いつも髪の毛で顔を隠してて、みんなから不気味がられてて…）

春風花純

（苗字の『おだけ』をもじって『オバケ』って呼ばれてる、
ちょっとした名物男子…）

春風花純

（仲良くなった人間は怪我をしたり不幸になるって言われてて）

春風花純

（そんな噂が広まってるから…誰も近よらないんだよね）

小嶽涼

ぐっ、おお…

春風花純

（『オバケ』がゾンビ映画観て、悲鳴上げてる──）

そう思ったら、可笑しくなってしまった。

春風花純

ぷっ…あっははは！

小嶽涼

…………！？

春風花純

（やばっ、声出ちゃった！）

小嶽涼

…………！！！

春風花純

（うわっ、こっち見てる）

春風花純

（あっ、立ち上がった！）

春風花純

（私のこと、わかったのかな…）

春風花純

ちょっと！

春風花純

ここで観てればいいでしょ

小嶽涼

え…

春風花純

（なんだか…暗闇でジッと見つめられると怖いな…）

春風花純

後ろの人の迷惑になるから、座んなよ

小嶽涼

あっ…うん…

数十分後

春風花純

うわっ！

小嶽涼

ひゃっ！

春風花純

（あっ、また声が合っちゃった…）

春風花純

（もう何度も…なんで同じシーンで驚いちゃうんだろう）

春風花純

（その度に見ると、向こうもこっち見てるし）

小嶽涼

…………！

春風花純

（そんなあからさまに目をそらすなら、こっち見るなって）

映画終了後──

春風花純

（あー、終わった！まあまあ…だったな）

春風花純

（あれ！？もう立ち上がって帰る準備してる…）

春風花純

ねえ？

小嶽涼

え？

春風花純

映画…好きなの？

小嶽涼

あ、まあ…

みんなに避けられながらも独特の空気感があって

いつも学校で一人きりでいる彼に興味が湧いた。

春風花純

（呪いだなんていう噂は初めから信じてなかったし…）

春風花純

（そんなことを言って笑ってる人たちのが、バカらしいと思ってたしね）

春風花純

一人でよく来るの？

小嶽涼

うん

春風花純

そうなんだ。私も映画は一人で観た方が楽しめる

小嶽涼

僕も

春風花純

今更だけど…小嶽くんの声、ちゃんと聞いたの今日が初めてかも

小嶽涼

…………

春風花純

あっ、ごめんね…声かけちゃって

春風花純

一応、クラスメイトだから、会ったのに無視すんのもおかしいなって思って

小嶽涼

…………

春風花純

もう帰るの？

小嶽涼

…メン…食べ…

春風花純

え？ごめん…聞こえなかった

春風花純

なんて言ったの？

小嶽涼

ラーメンを食べてから…帰る…

春風花純

ラーメン！？

小嶽涼

そう

テレビや雑誌に載っているラーメン店をチェックして、一人で食べ歩くほどラーメンが好きな私は…

彼が食べに行く店が気になった。

春風花純

そこ…美味しい？

小嶽涼

え、あ…僕の中では、一番…かな

春風花純

えー！一番なの？

春風花純

（一番美味しいなんて言われたら…）

春風花純

（自分の舌で確かめたくなっちゃうよ）

春風花純

ねえ、一緒に行ってもいい？

小嶽涼

え！？

春風花純

私…ラーメン大好きなんだ

小嶽涼

ああ…

春風花純

ダメ？ここで会ったのも何かの縁ってことで

小嶽涼

別に…いいけど

春風花純

やった！

春風花純

へえー、雰囲気あるね

春風花純

何が美味しいの？

小嶽涼

僕は醤油ラーメン…食べるけど

春風花純

じゃあ、私もそれにしよう

数分後

春風花純

うわー、美味しそう！いただきまーす！

小嶽涼

いただき…ます

ズッ、ズッ、ズッー…

春風花純

うん！ほんとだー！美味しい〜

春風花純

鶏ガラベースでスッキリしてるのに…なんか味わい深いね

小嶽涼

…………

春風花純

麺のもっちり感もいい！

春風花純

今まで私が食べた中でも一番かも…

春風花純

小嶽くん、ありがとう！

小嶽涼

え？

春風花純

こんな美味しいお店教えてくれて

小嶽涼

ああ…うん

春風花純

（あの前髪…食べにくそうだな…）

春風花純

（そうだ！確か…ピン持ってたはず…）

春風花純

（もう我慢できない！）

春風花純

ちょっと小嶽くん、待って

ガタッ…

小嶽涼

え

春風花純

こうやって…

小嶽涼

あ…

春風花純

こうすれば、食べやすいでしょ？

小嶽涼

…………

春風花純

あっ…！？

初めて彼の顔をはっきりと見た私は…

その美形な顔立ちに驚く。

長い髪の毛をまとめている姿は、美女と言ってもいいほど本当に綺麗だった。

春風花純

小嶽くん…

春風花純

顔出してたほうが絶対にいいと思うよ

小嶽涼

…………！

春風花純

そうすれば、オバケなんて言われないのに

春風花純

（あっ…顔を赤くして、俯いちゃった！）

小嶽涼

…………

春風花純

どうして…顔を隠すの？

小嶽涼

顔を出すと…いいことないから

春風花純

え…

春風花純

（何か事情がありそう…）

春風花純

（顔を出すといいことないって…何があったんだろう？）

春風花純

（でも…これ以上は聞かないほうがいいな…）

春風花純

どんな映画が好きなの？

小嶽涼

どんなって…

春風花純

好きなジャンルとかあるの？

小嶽涼

ジャンル関係なく…いろいろ観るから

春風花純

そうなんだ

小嶽涼

僕は…映画館で観る映画が好きなのかも

春風花純

あ、それ、わかる！

春風花純

私も、テレビでも、パソコンでも、スマホでも観るんだけど

春風花純

やっぱり、映画館で観るのが一番だよね

小嶽涼

うん、そう思う

春風花純

（あっ、笑った！）

春風花純

（なんか…ドキッとした……）

春風花純

今日は、ありがとう

春風花純

なんか無理やりついて来ちゃった感じだったけど

春風花純

本当に美味しかった

小嶽涼

なら…よかった

春風花純

じゃあ、また学校でね

小嶽涼

春風さん…

春風花純

ん？なに？

小嶽涼

もう僕に関わらないほうがいいよ…

私の可愛いオバケくん

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パウなくなった😇 うう n oo o o o

僕もこんな感じなのかな？

パウー😭😭😭

荘田一夢

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