テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
11件
多分ですけど初コメ失礼します! 文章力とか、語彙力が素晴らしすぎます✨ 本当に参考に出来る… いやぁ、恋っていいですなぁ…というか、この作品、両片思いでは?だとしたら僕、キャホォォォイ! すいません、ちょっと情緒が不安定ですね…
うわぁぁぁぁぁあっとくん可哀想すぎる😭何も悪くないのに…貴族(ぷりっつくん以外)怒りたい!!!!デザイナーの夢叶って欲しいな🥹でも諦めたからまぜ太くんと出会えたってことでもあるよね!ちぐさくんあざとい!あざとすぎる!けちゃくん反応可愛すぎて失神🤦♀️あとまぜも良さげな雰囲気ですね…😏次の進展が楽しみすぎる!!!!!!!!
3日連続!?神だね…! 今回はatくんの心情がめっちゃ 表れてて、好き…♡ あの貴族許せないな… あの出来事があったから、 デザイナーの夢を諦めたって いうの悲しすぎるよ… atくんは悪くないのに…! でも、諦めたからこそ、 mzと出会えたかもしれない!! atくんもmzちも恋の魔法に 気付いたから、次回はもっと 進展するのかな…!! 楽しみ!!
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
主。
“夢”や“魔法”ってなんだろう?
そんなことをふと疑問に思って考えてみるが、 もうすっかり大人になってしまった俺にはそんなのわかんなくて
案外、その定義って曖昧で同じ人でも年齢によって変わっていくのかなとか
そういう感じの曖昧な回答しか思いつかない。
子供にとって、“夢”や“魔法”というのはいうならば“希望”や“憧れ”だろうか
子供の頃は誰しも一度は将来の理想の自分を描いて想像するものだし、 本当に幼いときなんかは灰かぶり姫や白雪姫に憧れるよね
俺も昔、王子様になってお姫様を助けてあげるのとか憧れたなあ
でも、昔の俺って灰かぶり姫の王子様じゃなくて動物に憧れてたんだよね
だってさ、灰かぶり姫と恋に落ちるのは王子様だけど、 灰かぶり姫を屋根裏部屋から助けてあげるのは動物じゃん
そう考えてみたら、やっぱり動物が一番カッコよくない?
そんな話をしたら昔Prに思いっきり笑われたのを今ふと思い出した
まあ、今の俺は、王子様でも動物でもなくて魔法使いなんだけど
魔法使い、、、とても大切で大事な役割だけど、 その役割って灰かぶり姫を綺麗にしてお城に送ってあげたら終わりだよね
その後灰かぶり姫は王子様と恋に落ちて、 魔法使いのことなんかたまにしか思い出さなくなってしまう
エンドロールでも、灰かぶり姫が王子様と結婚したこととか、 動物たちが灰かぶり姫のそばで幸せに暮らしたことは描かれるけど、 魔法使いのことなんかほとんど描かれないで終わってしまう
まるで、誰かにとって都合のいい便利な役みたいだ
そう考えると、やっぱり動物が、 あわよくば王子様が良かったなあだなんて情けなく思うけど
俺の愛するシンデレラにとって動物みたいな役回りはTgで、 王子様みたいな役はきっとまだ見ぬ誰かだ
“魔法使い”である俺のことなんか、彼もいつかは忘れてしまうのだろう
本当ならこれ以上彼を綺麗にしたくない、 俺は今のままでもあいつを愛せるから、そのままでいてほしい
俺以外の誰かが彼の魅力に気づいてしまうなんてごめんだって思う
でも、彼と最初に約束したから。
「絶対に世界一の宝石にしてやるよ」って約束したから。
“魔法使い”は誰かが作ったご都合主義の世界が求めるような 便利な役になって、大好きな彼を王子様のもとに送ってあげるんだ。
At
あの日の俺と、大して変わってないや。
あの日の俺はまだ服作りを楽しんでいて、 布に触れてそれを服にするのが楽しくて仕方がなかった
At
暇な時間はいつも服のことを考えて、 時間さえあれば紙とペンを取り出して洋服のデザイン画を描く
休日は、一日中ミシンと布に向き合って自分のデザインを形にする
俺はそんな幸せな時間を過ごしていて、 親も俺の熱意や才能を知って夢を応援してくれていた
正直言って、俺はそれなりに発想力も才能もあるし、 機会さえあればいつでもデザイナーになることができただろう
でも、誰にも抗えない理不尽というものはある
才能や熱意だけじゃどうにもならないような、 それこそ物語のような都合のいい力がなければ抗えないような、 そんな不条理で理不尽なことが、この世には存在してしまうのだ
俺にとってそれは、、、上級市民という中途半端な身分だった
モブ男(身分高い)
親が大事に経営しているサロンの扉を乱暴に開けて俺を呼んだのは、 同じ学校に通っているどこかの貴族のドラ息子だった
身分の差で人への態度をコロコロと変えるのはもちろん、 気に入らない男に対してとにかく当たりが強くて乱暴
そのくせ目上の人にはヘコヘコするし金も権力もあるしで 俺も通っている学校で好き勝手暴れているそいつに、 昔から見目が良くて女子からモテてた俺は異様に敵視されていた
At
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
At
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
呆れてそっぽを向いた俺の行動を申し訳ない故の行動だとでも曲解したのか、 彼は俺に向かってふふんと自信ありげに笑って告げた
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
At
At
At
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
At
At
そう適当な応援の言葉を告げた後このお客様にはお帰りいただこうと 俺が洋服作りの作業に戻ると、その男は焦った様子で言い募る
モブ男(身分高い)
At
At
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
At
なんとなく話の展開が読めた俺は、 やっぱりこいつとは性格や根本的な価値観が合わないと この話をさっさと切り上げることにした
At
At
At
At
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
こういう奴らのやり口は、本などでも読んでいたからある程度は予想できる
おそらくこいつに協力したら俺は二度とデザイナーにはなれないし、 もしも俺の作品が誰かに漏れたらパクリだなんだと騒がれるに違いない
目の前で権力を振りかざしてニヤニヤと笑っている男は、 自分の力量を誤魔化すと同時に将来脅威になりかねない開きかけのつぼみを まだ世界が気付かぬうちにとむしり取りに来たのだろう
At
苛立っていた当時の俺はそんな乱暴なことを考えていたものだが、 頭の中は自由でもそれを行動に移すだなんて愚かなことはしないし、 目の前の理不尽が都合よくどこかに行ってくれるわけでもない
それどころか、この恨みや怒りがどこからか誰かにバレれば 馬鹿を見るのは立場の弱い平民の方だ
物語というのは、つくづく中心にいる誰かに都合よくできているものである
俺みたいな脇役には、この世界は理不尽でしかない
とはいえこいつの話に頷かないと痛い目を見るのは大切な両親なので、 俺は目を伏せて理不尽なお貴族様に了承の返事を返した
At
モブ男(身分高い)
At
At
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
モブ男(身分高い)
At
うつむいて唇を噛み締める俺を見るその男の顔は、 汚い愉悦で満たされていて心底気持ちが悪かった
その後俺は自分の家族を守るために、 生まれて初めて“義務感”でやる楽しくない服作りをした
最初からデザイン画やら布やらを用意すると時間が足りないので、 元々作ろうとしていた服をちょっとだけアレンジして、 徹夜で作業してなんとか期限には間に合わせた
そいつがコンテストに提出した俺の服は審査員からも高評価を得たらしい
そんなことをあいつは嬉しそうに俺に語ったが、 当時の俺にはそれは嫌味にしか聞こえなかったし、 きっと向こうもそのつもりでわざわざ話に来たのだろう
それでも俺は服を作るのが好きだったからこっそり続けたりしていたのだが、 学校でうっかり自分のデザイン画をばら撒いてしまった時に そいつが「Atがオレの作品をパクった!!」と叫んだせいで俺は悪者扱い
俺の見た目だけを見てた女子たちが離れてくれたのはありがたかったけど、 Ktyと両親以外は誰も俺を信じてくれなくて、俺は自分が 夢を見なければこんなに苦しくなかったんだろうかと思うようになった
その日から、何よりも大好きで自分の核だったはずの服作りは、 俺にとってもう向き合いたくない過去の夢に成り下がってしまった
過去の自分のデザイン画を見るだけであの日の非難的な視線が フラッシュバックして、声は震えるし瞬きは止まるし、 病的な症状なんじゃないかと疑いたくなるほどに拒否反応が出るようになった
もう服作りなんか二度とするもんか、 そう思っていたけどやっぱり俺は自分の服作りで誰かの笑顔を見たかった
それを、思い出させてくれたのは、、、
おっと、ちょっとだけ話しすぎちゃったね
でもさ、俺が決めたこと、君たちにもきっといつかはわかるから
その時まで、あと少しだけ見守ってて?
そんな、誰に向けたものかよくわからない自分の言葉に苦笑いしながら、 俺は自分の瞳から流れた涙を拭って紙の上に鉛筆を走らせた
あいつのために、、、
Mz
Tg
カランコロンと可愛らしい鈴の音を鳴らすサロンの扉から 店内に入ったオレとTgは、お互いそれぞれの好きな人の姿を探すが、 今日店内にいるのはKtyだけのようだ
Kty
彼は明るい笑顔でオレたちにお決まりの言葉をいうが、 そのあと申し訳なさそうな顔をしてオレに話しかける
Kty
Mz
Kty
Kty
Mz
Mz
Mz
Tg
Mz
Kty
Kty
Mz
Tg
ニコニコしながらそういうTgにイラッとするが、 なんだかんだ可愛い義弟なので強くは出れなかった
Kty
Mz
Kty
Mz
オレの制止を聞かずに店の奥に向かって走って行ってしまったKtyに はあ、とため息をつきながら、オレは楽しそうに笑っているTgの隣に 腰掛けて、彼と何気ない雑談をしながらKtyが戻って来るのを待つ
しばらくTgと話していると、 そういえば、とTgに聞きたかったことを思い出した
Mz
Tg
Mz
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Mz
Mz
Tg
Mz
Tg
Mz
Mz
Mz
オレが言葉にできないTgの内側から感じる、 彼の可愛いの正体をなんとか伝えようとしていると、 Tgは何やらピンと来たようだ
Tg
Mz
Mz
そんなオレを見てTgは優しく笑うと、オレにこんなことを教えてくれた
Tg
Mz
Tg
Tg
Tgは小首を傾げて可愛い仕草でオレの方を見ながら、 その耳元で秘密の合言葉を伝えるかのように囁いた
“恋の魔法”だよ。
Mz
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Tg
Mz
Tg
オレの疑問にTgは笑って頷くと、 それをAtのように細かく砕いて説明してくれた
Tg
Tg
Tg
Mz
Tg
Mz
可愛いポイントを挙げられると納得がいくようになっているのだから、 サロンに来た最初の頃と比べればオレは格段に成長しているのかもしれない
Tg
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Tgはそう告げた後、最後に、と呟いて解説を続けた
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Tg
Tg
Tg
Tgの解説を聞いてうんうんと頷きながらオレが一人納得していると、 Tgはニコッと愛らしく微笑んでこう結論づけた
Tg
Tg
おれが、Ktyに恋してるからだよ。
Mz
Tg
Tg
Tgは少しにやっと笑いながら、店の奥の方に目線を投げた
Tg
Tgの目線の先に目をやると、そこには真っ赤になって固まってるKtyと ものすごく面白いものを見たかのように笑っているAtがいた
Kty
At
Mz
Kty
At
Mz
Tg
Tg
At
Mz
Mz
At
Mz
オレはAtに駆け寄ってその隣に並んだ後、 真っ赤なKtyとニコニコしているTgにニヤニヤしながら声をかけた
Mz
At
Kty
そんな悲鳴をあげるKtyに笑っていたオレは、大事なことに気づかなかった
AtとKtyがオレたちの会話を最初から聞いていた、ということは、 “声や態度が柔らかくなる”の部分も、目の前の男は聞いていたということに。