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主。

みなさんこんにちは!!

主。

こちら、『シンデレラ、魔法使いに恋をする。』の第九話になります!!

主。

注意事項等はプロローグ参照

主。

それでは、いってらっしゃいませ!!

AtくんとMzたんが退場したサロンの一角で、 おれは真っ赤になってる大好きなKtyの綺麗な空色の瞳をじっと見つめていた

Tg

ねえ、Kty

Kty

なに、?

Tg

おれとMzたんの会話、聞いてたでしょ?

少し固まった後こくんと頷いて顔を赤くしながら そっぽを向いてしまったKtyに笑いながら、 おれは改めて自分の思いを彼に伝える

Tg

それならわかってると思うけど、おれKtyが好きなの

Kty

!!///

Tg

最初のおれはただ単に可愛くなりたくて、
Atくんの魔法使いの噂を聞いてこのサロンに来た

Tg

そこで出会った“魔法使い”じゃないはずのKtyの優しさに触れて、
どんどんKtyのことが大好きになって、気がついたらKtyに
可愛いって思われたくて可愛くなる努力をするようになった

Tg

Ktyは自分のことを“魔法使い”じゃないなんていうけれど、
それならおれに恋の魔法をかけたKtyは何なの?

Kty

……。

Tg

Ktyだって“魔法使い”でしょ、と言いたいところだけど、
確かKtyはあんまりそういうふうに言われることが
恥ずかしくて得意じゃないんだよね

Tg

だったら、こんなのはどう?

おれは恥ずかしそうにしているKtyの手をぎゅっと握って、 少し上目遣いをしながら大好きな彼の綺麗な瞳をじっと射抜く

Tg

(何気ないボディタッチと、顔を活かした上目遣い)

Ktyが教えてくれた可愛い角度でこてんと首を傾げて見せて、 顔を熱くしながら丸くて大きくて可愛いから活かすべきとKtyが言ってくれた 自分の瞳をうるっと少しだけうるませて彼を見る

Tg

(大袈裟すぎず、でも小さすぎず、一番可愛い角度で)

Tg

(わざとらしくないように、ほど良いうるませ具合を心掛けながら)

頭の中ではどんなに計算をしていても、 ほっぺたは勝手に真っ赤になるし声も意図してないのに震えてしまう

Tg

(計算通りに、やりたいのに)

Tg

(Ktyの前だと緊張しちゃって上手にできないっ、!)

おれは恥ずかしくて暴れ出しそうな心臓を抑えながら、 すうっと息を吸い込んでKtyへの気持ちを全部込めて告白の言葉を口にした

おれが主人公の物語の、おれだけの運命のヒーローになってよ。

おれが放った言葉を一文字もこぼさずに聞き届けてくれたKtyが 息を呑む音がして、その場にはドキドキした空気が流れる

Ktyからどう返事が返ってくるのか予想できないおれの緊張が 最高潮まで達した時、静かな空気をKtyの声が震わせた

Kty

……完璧すぎるよ、Tg

Kty

僕が教えたことを全部覚えてて、表情も仕草も言葉も百点満点

彼はそんなふうにおれの愛の告白をプロっぽく褒めるけれど、 その瞳に揺れているのはただの職人魂だけじゃなくて、 ほんのちょっとだけ期待をしそうになってしまう

Kty

その言葉、、、信じてもいいの?

震える声でそう告げる彼の綺麗な声を通して、 彼の熱や鼓動が伝わってくるような気さえしてくる

Ktyの問いに対しておれが素直にこくんと頷くと、 彼は誰よりも嬉しそうに微笑んでおれの告白に返事をしてくれた

Kty

……僕も、Tgのこと好きだよ

Tg

ほんと、?

Kty

僕はそんな嘘つかないよ

聞き慣れたはずのKtyの口癖が今はどうしようもなく嬉しくて、 おれはあざとく振る舞うのも忘れてKtyに思いっきり抱きついてしまった

Kty

わ、!?

Tg

Kty大好きっ!!おれ嬉しいっ!!

ぎゅーぎゅー大好きな彼にくっついてそういったおれに、 Ktyは優しい笑顔を浮かべながらいう

Kty

もー、可愛い仕草するの忘れてるじゃんw

Tg

はっ!!ごめん!!

Kty

全然いいよ、てゆーか、、、

Ktyはおれの体をぎゅっと自分の方に引き寄せて、 おれの耳元で優しく囁いた

素のTgだけでも、十分に可愛いから。

Tg

うぇ、?///

Kty

むしろ可愛い仕草をされると僕以外の人も
Tgに夢中になっちゃってライバルが増えるから嫌かも

Tg

Ktyずるいっ!!それずるいっ!!

Kty

えぇ、思ったことを言っただけなのに、、、

彼の旧友のようにそう返事をしたKtyに、おれは笑ってしまった

Tg

Kty、もしかしてそれAtくんのマネ?w

Kty

あっ、バレた?w

Kty

でもTgが可愛い仕草をするとライバル増えて嫌ってのは本気だよ

Tg

もーっ、それ禁止!!おれが真っ赤になっちゃう!!

Kty

真っ赤になったTgも可愛いから僕は大歓迎だけど、、、

Tg

なーーーんで全部恥ずかしい返事してくるのっ!!

Kty

ふふっ、ごめんねw

恋人になった途端甘やかしてくるKtyに口先では文句を言いながらも、 おれは今この瞬間が幸せすぎて顔がにやけるのを抑えるので必死だった

Tg

ねえねえKty

Kty

ん?

笑いすぎて少し目尻に涙が溜まっているKtyに、 おれは仕返しとばかりにいたずらっ子のような表情をしながら言った

Tg

これからもずーっと、おれだけの運命の人でいてね?

Ktyは少し目を見開いた後、優しく微笑んで告げる

Kty

もちろん

At

ちょっと汚いけどごめんね

Mz

いや、、、それは大丈夫

いい感じの雰囲気になったKtyとTgを二人きりにしたオレが 用事があるのでついて来て欲しいと言ったAtに通されたのは、 布や化粧品などの美容関係のものが大量に置いてあるAtの部屋だった

Mz

(なんか、、、落ち着かないな)

好きな人の部屋に通されるという初めての体験に オレがどう振る舞うべきか悩みながらとりあえず座っていると、 Atは部屋の机の上をゴソゴソと漁って何かを取り出した

Mz

At、それは何?

At

これ巻尺って言って、何かの長さを測るのに使うんだよね

Mz

へー、そうなんだ、、、

Mz

それで、それがどうかしたの?

At

それで、より良い服を選ぶためにMzを採寸しようと思って

Mz

採寸、?

At

そう、採寸ってわかる?

Mz

わかんない、、、

オレが素直にそう答えると、Atは笑いながら解説してくれた

At

採寸っていうのは、服のサイズとかを確認するために
その人の体の必要な部位の長さを測ること

At

それで俺はMzにいい服を選びたいから、
Mzの体のサイズを知って服選びの参考にしたくて

Mz

なるほど!!

Mz

オレはどうしてればいいの?

At

とりあえず正確な採寸のために服は脱いでほしいかな、、、

At

恥ずかしかったらシャツは着ててもいいよ

Mz

いや、普通に下着以外全部脱ぐわ

At

はーい了解、思い切りがいいねw

オレはゴソゴソと服とズボンとシャツを脱ぎ、 下着だけ残した状態でほぼ裸になる

Mz

それで、あとはどうすればいいの?

At

俺の指示に従ってくれればいいよ

Mz

わかった!!

Atは手に持った巻尺をその長いまつ毛を震わせながら見つめたあと、 すぅっと短く浅い息を吸い込んで言った

At

結構体力使うと思うけど、、、頑張って

Mz

しんどかったら言うわ

At

うん、それはちゃんと教えてね

Mz

うん!!

オレの返事にニコッと笑ったAtは、緊張した面持ちで 声を震わせながらオレに指示を出した

At

まず首回りを測るから、、、

At

背筋をまっすぐして、肩を落として

Mz

わかった

オレが指示に従ってピンと背筋を伸ばして肩を落とすと、 Atはオレの正面に立って巻尺を首の付け根に回す

At

首は締めないから、安心して

Mz

いやAtのこと信用してるからそこは大丈夫だってw

At

ふふっ、そっか

At

少し顎を引いてもらってもいい?

Mz

りょーかい

オレが言われた通りに動いてじっとしてると、 Atはオレの首回りの長さをつぶやいて見慣れた彼のメモ帳にメモをとった

Atの手や体はまだ震えており、その詳しい理由はわからないものの オレはこいつを安心させてやりたくてその手をぎゅっと握る

At

!?

Mz

大丈夫、きっと大丈夫だから

オレが目を細めながらそうAtに告げると、 彼はちょっとだけ目を見開いて笑った

At

……ありがと

その笑顔があまりにも甘いものだから勘違いしそうになるが、 きっとこいつは無自覚でやってるので気にはしないことにする

Mz

(多分、、、好きって思ってるのオレだけだし)

At

……。

At

次は肩幅を測らせてほしいな

At

肩をリラックスさせて、腕も自然な状態にしてくれる?

Mz

えーっと、、、こう?

オレが肩を楽にして腕を軽く広げると、Atは満足げに頷いた

At

完璧

そうオレを褒めたAtはオレの横に回り、 両肩の端から端まで巻尺で測って同じようにメモをした

At

次、、、チェストなんだけど

At

ちょっっっと我慢してね?

Mz

へ、?

少し動揺して心なしかちょっと顔の赤いAtはぶんぶんと彼の頭を振り、 深呼吸をしてからオレの胸回りに巻尺を回した

Mz

ちょっ、はっ、うぇっ!?///

At

ごめん、まじでごめん

At

でも必要なんだよね、、、

Atは早口でそう告げると、ささっとチェストを測るのを済ませようとする

At

深呼吸して、自然に立ってもらえると、、、

Mz

は、はいっ!!わかりましたっ!!

胸回りに巻尺を回すAtの手がさっきとは少し違う様子で 震えているのを見ながら、オレはバクバク動いてる自分の心臓の鼓動が こいつにバレませんようにと祈ることしかできなかった

Mz

(やばい、好きなやつと近いとこんな緊張するんだ、、、)

At

(セクハラしてるわけでもないのにちょっと罪悪感が、、、)

なんだか気まずいような甘いようなよくわからない空気に また顔を熱くしながら、オレはAtがチェストを測り終えるまで待機する

At

えーっと、何センチだっけ、、、

何やら動揺しているAtは3回くらいチェストの値を忘れた後、 ようやくしっかり測ったオレの胸囲の長さをメモ帳に記した

At

次、ウエスト

Mz

ウエストっていうと腰回り?

とりあえず気を取り直したオレがそう尋ねると、 Atは「実は違うんだよね」とつぶやいて解説してくれた

At

ウエストというと
ズボンの腰位置を想像する人が多いんだけど、
本当のウエストは意外と高くて肋骨の下あたり

Mz

ろっこ、?

At

あー、肋骨がわかんないのか

Atはそう言って笑うと、 人差し指でツーッとオレのおへその少し上のラインをぐるっと一周する

Mz

ひあっ!?///

At

この辺がウエストだけど、、、って、あ。

急に好きな人に体をなぞられてオレが変な声をあげると、 Atは何かに気づいたような顔をして固まった

At

えーっとこれは別にセクハラだとかそういった破廉恥な系統のものではなくただ純粋にMzにウエストの位置を教えようとしただけで

オレの声を聞いたAtはとてつもなく早口で そんな解説をし、 綺麗な色違いの瞳を混乱と動揺でぐるぐる回しながら弁解している

Mz

いやっ!!それはわかってるって!!///

Mz

なんかオレも変な声出しちゃってごめん、、、///

At

いや、今のは完全に俺が悪かった

At

本当にごめん、嫌いにならないで

Mz

き、嫌いにはならねーよっ!!///

むしろドキドキしまくってさらに好きになりそうです、だなんて 口が裂けたって言えるわけがないのでオレがそう答えると Atは安心したように笑ったが、その笑みには少し申し訳なさが混ざっていた

At

な、何はともあれウエスト測るから、、、

At

お腹の力を抜いて立ってくれる?

Mz

はぁーい、、、///

Atの指示通りに動いたオレのウエストに彼は巻尺を回し、 細やかな目盛りが記されたそのひもは先ほどAtの指が触れたあたりを通る

あの時のくすぐったい感覚がまだ残っている気がして ドキドキしているオレを知ってか知らずか、 Atは必死でウエストの長さを覚えようとしていた

ウエストの長さを記録したAtは、「えーっと次は、、、」と つぶやいたあと動きを止めてまた固まってしまった

Mz

At?

At

つ、次は、、、

Mz

At

……股下

Mz

股下ってどこ?

オレが純粋に疑問に思ってそう尋ねると、 Atは少し口ごもった後自分の布団に座り、 自身の脚の内側を太ももの付け根からくるぶしまですっとなぞった

At

ここ

Mz

…………は!?!?!?///

Mz

え、まってむりはずかしい

At

うん、そうだよねめちゃくちゃ恥ずかしいよね

At

でも必要なんだよなあっ、!!

Mz

じ、自分で測ったりは、?

At

うーん、自分で測るのは難しい場所じゃない?

Mz

確かにっ!!///

Mz

てゆーか絶対Atが測った方が正確だよな!!///

At

まあ、それはそうだけど、、、

At

嫌ならここをすっ飛ばすってことも、、、

そう言ってメモの股下の項目にピッと ペンで線を引こうとしたAtの手を握って、彼の動きを止めた

At

Mz、?

Mz

ひ、必要なんだろ、?

Mz

だったら、そのっ、頑張るから、、、///

At

……でも、恥ずかしいんでしょ?

Mz

それは、そうだけど、、、

Mz

あ、Atならいいかなって思うし

Mz

自分に似合う服を着て、誰よりも綺麗になりたいからっ!!

Atの情熱と知性を兼ね備えた色違いの双眸をじっと見ながら、 オレが決意を口にすると、彼は驚いたように目を丸くした後笑った

At

……やっぱり俺は、こいつのために何かをしたい

Mz

At、?

At

ごめんごめん、独り言だよ

At

それじゃあ股下、測らせてもらえる?

Mz

うんっ、!

At

あ、やっぱり無理ってなったら言ってね

Mz

それはちゃんと言う!!

オレの返事を聞いて優しく微笑んだAtの笑顔が、 いつもよりも柔らかくなっている気がした

普段の計算し尽くされた完璧な笑顔も好きだけど、 こういう素の彼が見えるような笑顔も好きだと思うオレは、 きっともうすでにこいつの全てに焦がれてしまっているのだろう

At

足を軽く開いて、まっすぐ立ってくれる?

At

体をリラックスさせるのも忘れないで

Mz

わかった

オレがAtの指示に従うと、彼はオレの足元にしゃがんで少し内側に寄り、 内側の太ももの付け根に巻尺をそわせてくるぶしまでビッと巻尺を伸ばす

普段より近い距離とちょっぴりきわどいAtの位置が少し恥ずかしかったが、 これも誰よりも綺麗になるためと一生懸命我慢した

At

……おっけー、ありがと

At

もう大丈夫だよ

Mz

……あれ、早くね?

オレの言葉を聞いてニコッと笑ったAtは、 オレが恥ずかしがることに配慮してできるだけ早く正確に 股下の採寸を済ませてくれたのだろう

でもそれを相手に伝えることはしないで、 ただニコニコ笑って至極自然にその優しさに満ちた行動を実践する

そんな彼を愛おしく思う気持ちが止まらなくて、 オレの心臓はドキドキと早鐘を打ち始める

Mz

(やばい、オレめちゃくちゃAtのこと好きだ)

とはいえそれがバレて気まずくなるなんて絶対に嫌なので、 オレはあふれそうになる恋心を飲み込んで笑った

Mz

……で、次はどこの部位?

At

次はね、、、

その後もいろいろな部分の採寸を済ませたAtは、 手元のメモを確認しながら満足げに笑う

At

よしっ、これで全部位の採寸完了

At

お疲れ様、付き合ってくれてありがとね

Mz

ううん、こっちこそ色々と気遣ってくれてありがと

At

あんまり気を遣った記憶はないけどなあ?

Mz

……そっか

Atはオレに気を遣わせないようにそう言っているのであろうが、 オレには彼がその優しさをフル活用してくれたことなどお見通しなので 心の中で彼への感謝の言葉を大量に告げることにした

Mz

そういえば結構細かく測ったけど、
服選びってそこまで気にしなきゃいけないんだな

Mz

オレいっつも適当なサイズの服買ってたわ

At

いや、普通に生活するだけなら
適当なサイズでも全然大丈夫なんだけど、、、

At

やっぱその人のためにオーダーメイド、ってなるとね

Mz

……オーダーメイド?

オーダーメイドという言葉がわからなくて彼に解説を求めると、 彼はハッと口を抑えてちょっと焦ったように言った

At

ごめん、こっちの話だよ

At

あんまり気にしないで

Mz

Atがそう言うならそうなんだな、わかった

At

うん

彼が巻尺などの道具を片付け始めたので オレもAtのベッドの上に置いていた自分の服を回収し、 さっさと着替えて部屋を後にする準備をする

ちょっとだけAtの匂いがうつった自分の服が恥ずかしかったが、 そんなことを口にするともっと恥ずかしいので オレは一人で悶々としながらできるだけ平静を装って彼に話しかけた

Mz

……それじゃ、店の方に戻るか

At

そうだね、ここまで時間があれば
KtyとTgもうまくいってるでしょ

言われてみれば最初にサロンから退出したのは あの二人のためだったなと思いながら、 オレはAtと並んで店の方に向かって歩き出した

今日はAtとたくさん話せたのでご機嫌のオレが 鼻歌混じりに屋敷を掃除していると、 義母と義姉がショッピングから帰ってきた

意地悪な義姉

シンデレラ!!シンデレラ!!

意地悪な義母

お前はどこにいるんだい!?

ギャーギャーうるさい女性方ですこと、 もう少し品性というものを鍛えては如何が?だなんて口にできるわけもない 皮肉を脳内に浮かべながら、オレは彼女たちに返事をする

Mz

ここにいますよ、お義母様

意地悪な義母

まだ仕事が終わっていないのかい!?

意地悪な義姉

やっぱり無能ですこと、最近仕事が遅くないかしら?

Mz

オレで仕事が遅くて無能ということであれば
お義母様方はなんでしょう?

意地悪な義姉

このっ!!

いつも通り殴られるのだろうか、できればAtから見えにくいところに してほしいだなんて呑気に思いながらオレが歯を食いしばっていると、 珍しく義母が義姉の拳を掴んで彼女の暴力を止めた

意地悪な義母

まあまあそんな怒らないんだよ、可愛い顔が台無しじゃないか

意地悪な義姉

……申し訳ありませんお母様

意地悪な義母

それにねえ、せっかくこの無能が役に立ちそうなのに
この綺麗なお顔に傷をつけるだなんてバカがやることだよ

意地悪な義姉

それもそうですわね

Mz

???

意味のわからない義母の行動にオレが混乱していると、 義母はニコニコと笑いながらオレにこんなことを言ってきた

意地悪な義母

喜びなさい、シンデレラ

意地悪な義母

最近お前の見目がどんどん良くなってるものだから、
お前と結婚したいという貴族の方々が増えていてねえ

意地悪な義母

来週の満月の夜に開かれる舞踏会で、
お前の結婚相手を選ぶことにしたよ

Mz

……は?

意地悪な義姉

やーっとこの無能が役に立つ日が来るのね

意地悪な義姉

適当に貴族のオヤジでも捕まえてお金を貢がせてきなさいよ

つまり、自分の感情を押し殺して 好きでもない相手と金のために結婚しろということだ

Mz

えっ、ちょっと待ってくださいよっ!!

その瞬間、オレの頭は美しい色違いの瞳を持つ マイペースで優しくてかっこよくて 誰よりも大切な魔法使いの姿を思い浮かべる

Mz

オレにはっ、!!

絶対に譲りたくない大好きな想い人がいるんだ、と叫ぼうとして、 オレはその先に続く予定だった言葉を飲み込んだ

Mz

(外に出てることがバレたら、
何されるかわかったもんじゃない!!)

自分勝手な二人のことだ、オレが外に出た経緯を知ったらTgを罰したり、 彼の外出をガチガチに制限したりするに違いない

今日大好きな人と恋人になれて幸せいっぱいの大切な義弟が笑顔でいることが 何よりも最優先だったオレは、彼の行動を制限して彼とKtyを引き離すなんて 何があっても絶対にしたくなかった

意地悪な義母

お前には、、、何だい?

Mz

……いえ、なんでもないです

意地悪な義母

そうかい

意地悪な義姉

舞踏会は来週の満月の夜、王城で開かれるらしいわよ

意地悪な義姉

王子殿下の結婚相手を探すパーティらしいから、
くれぐれも粗相のないようにね?

Mz

……わかりました

きっと今Atの存在を話したところで こいつらが聞き入れてくれるわけがないし、 むしろ状況は悪化して大切な義弟にまで被害が及ぶだろう

オレが恋心を押し殺して金持ちの誰かと結婚すればいい、 そう考えたオレは心の底から外界に出てきてしまいそうなAtへの愛に蓋をした

Mz

(……大好きだって、伝えておけばよかったな)

そんなことを今更悔いても仕方がないので、 オレは義母と義姉が満足する結果を出すために Atのために努力してきた美を彼じゃない誰かに捧げることを決意した

シンデレラ、魔法使いに恋をする。

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コメント

14

ユーザー

時差コメ失礼します…! やっぱり、最高すぎる…、 虹椿さんの作品を読んでると普段は知れない新しい知識とかも頭に入ってくるし、私が大好きな展開になりすぎている…!mzくん綺麗になりすぎたのか…。これからどうなるんだろう…?楽しみです!

ユーザー

シンデレラの最新話…尊い…♡ もう悔いはないです… ktytgおめでとー!!! atmzも良い感じに… って思ってたら、なんだあいつっ!? 綺麗になったと思うなら、 素直に可愛いって言えば良いのに…! ちょっと考察してい…? 自信ないんだけど…

ユーザー

シンデレラきたぁぁぁぁぁ!!!まーじで楽しみにしてたァァァ😭ちぐさくんあざとすぎるよ!!絶対かわいい!もう断言出来る!けちゃくんも結ばれた瞬間リードしてる感じかっこいいしでもふわふわな2人だから甘々で最高‪🤤‬あとまぜもこれはうふふな展開とか思ったらまぜ太くん大ピンチすぎない!?せっかくあっとくんのために綺麗になってるのに!!あの二人殴r…(失礼しました)続き気になるぅぅ!

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