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それは、真っ暗な画面から始まった。
ただ、画面の左上に【0:00】と時間らしきものが表記されていたおかげで、辛うじてテレビが点いたままなのが分かった。
何者かの声
何者かの声
そこで画面が明るくなり、中央の男の姿をスポットライトが照らし出す。
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男が声高々にタイトルコールをすると、いかにもそれっぽい音楽が流れ出す。
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広い空間に流星の声だけが響く。
流星
流星
そう言って流星が手を差し出した先には、8人分の顔写真パネルがあった。
流星
流星
流星
流星
わざとらしく流星は声をひそめる。
流星
流星
流星
流星
いつも以上に重たい瞼を開けると、そこには見覚えのない光景が広がっていた。
彼こと橘は、ゆっくりと起き上がる。
橘
どうやら、自分はソファーで眠っていたらしい。
周囲を見回した限り、テレビの舞台裏に入った時などに見る楽屋のように思えた。
橘
記憶を辿ってみるが、やはりここにいる理由が分からない。
そこでようやく、橘は自分が高校の制服姿のままだったことに気づいた。
橘
ここはどこで、今は何時なのであろうか。
混乱冷めやらぬ最中、橘はスマホを探す。
――が、ない。
それどころか、ポケットに入れていたはずの財布までもが、どこかに行ってしまっていた。
橘
ふと、それが目に入ったのは、ぶつけようのない苛立ちを口に出した時のことだった。
【クイズ 誰がやったのでSHOW パネラーの皆様へ】
それは、ソファーの側に置かれていたガラステーブルの上に放り投げてあった。
妙に整った無機質なフォントで作られている冊子らしかった。
もしかして台本と呼ばれるものなのかもしれない。
橘はそれを手に取ってみた。
ルールその①
ここには8名の解答者……パネラーが集められています。
番組開始までは基本的に楽屋で待機してください。
楽屋から外に出られるのは、収録開始15分前から収録後15分後までになります。
それ以外の時間帯は楽屋から外には出られません。
ルールその②
クイズは過去に起きた未解決殺人事件をベースに出題されます。
番組中にも説明がありますが、途中で討論をする時間を設けており、それを経て解答となります。
この際、犯人は多数決で決定されます。
なお、犯人はパネラーの中の誰かです。
ルール③
パネラーが見事に犯人を当てることができれば、正解人数に応じて報酬を与えます。
さらに、そのクイズの答え――犯人だった方は、その時点で降板となります。
逆に、パネラーが犯人を当てられなかった場合は、パネラーのいずれかがランダムで降板となります。
ルールその④
番組を進行する上で不備が確認された場合、その都度ルール改定などを行わせていただくことがあります。
薄っぺらい台本をテーブルの上に置くと、橘は出入り口らしき扉の前へと向かってみる。
橘
橘
ドアノブを回してみるが空回りする。
どうやら、ここから出ることはできないらしい。
苛立ちばかりがつのる。
それでも自分を落ち着けるかのごとく、橘は口を開く。
こんな状況、何かしていないと気が狂いそうだ。
橘
楽屋から出られるのは、収録開始15分前から収録後15分後の間。
つまり、今は時間外だから出られないということなのだろうか。
まるで橘の思考を読み取っているかのごとく、実に機械的な音声が頭上から流れた。
機械音声
それと同時に扉の方からガチャリと音がする。
どうやら扉が開いたようだ。
扉の外はひんやりと、そしてひっそりとした廊下だった。
煌々と蛍光灯が廊下を照らしおり、その廊下は長く伸びているようだった。
楽屋で目を覚ました時からずっと閉塞感のようなものを抱いていたのだが、その理由にようやく気づく橘。
橘
楽屋もそうだが、廊下にも窓という窓が見当たらない。
外からの日光が入って来ないから、なんだか廊下も冷たく見えるのかもしれない。
廊下そのものの構造はシンプル。
長く伸びた廊下の片側には扉が5つ。
そして向かい側にも扉が5つ。
廊下の突き当たりはどん詰まりというやつで、反対側には大きな観音開きらしき鉄扉が見える。
【スタジオ】
鉄扉に直接スプレーでも吹きかけかのような文字列は、その鉄扉の向こうこそがスタジオであることを主張していた。
橘
扉から顔を覗かせつつ、そんなことを考えていた橘。
ふと、向かいの扉が開くと、そこから髪の毛を後ろで結った女性が顔を覗かせた。