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耳に入るのは
ザーザーと鳴り止まない雨音と、
2人の吐息。
優衣
ドキン…ドキン…と優衣の胸が踊る。
もう、触れてしまいそうな唇の距離と望の眼差しに目がくらみそうになった。
私、キスしちゃうんだ…。
ファーストキスだ…。
でも、全然嫌じゃない…。
優衣がキュッと目を瞑り、重なる唇を待つ。
その時
凛
優衣
望
凛
リビングに急に入ってきた凛。
と、同時に触れそうだった2人の唇が一気に離れた。
思い空気が3人を包む。
凛
望
そう言って急いで荷物を取り、立ち上がった望。
優衣
凛
望
そう言って凛にお辞儀をし、望はリビングを後にした。
優衣
優衣
望
優衣
そう言って優衣が望に傘を差し出した。
望
優衣
望
優衣
優衣
恥ずかしそうに、下を向きながら話す優衣。
そんな優衣を見て、胸がキュンとなる望。
望
望
優衣
黙ってコクンと頷く優衣。
望
優衣
遠くなっていく望の背中を、優衣はずっと見送っていた。
自分の中に湧き上がる、ジリジリとした衝動を抑えながら。
凛
優衣
凛
凛
ニヤ〜ッと笑いながら優衣に近づく優衣。
優衣
凛
優衣
凛
凛
優衣
凛
優衣
凛
優衣
凛
優衣
…なんで望さんは私にキスしようとしたんやろ…。
あの真剣な目は何やったん…
優衣
分かるのは、私は望さんを拒まなかった。
私…、望さんに恋してるんだ。
望
祖母
祖母
望
望が家に帰ると、祖母が居間でテレビを観ていた。
祖母
望
心配そうに見つめる祖母に、望は笑いかけた。
…元気がないっていうか
生殺し状態っていうか。
……キス、あのまましたかったな。
望
俺、こんな軽かったか!?
付き合ってもないのにキスしたいとか!
そもそも俺は優衣ちゃんのこと…
祖母
望
そう言って望は部屋へと向かった。
望
さっきまでの出来事を思い出し、困惑する望。
望
黒くて綺麗な髪も、大きな瞳も、赤い唇も…
あの頃のままで
でも、微かに触れた身体が、少女から女性になりつつあることがよく分かった。
あのまま、2人きりだったらどうしてた?
キスして…何度も優衣ちゃんの唇を感じて…
望
考えれば考える程、思春期の男の考えになってしまう望。
そんな気持ちを抑えようと、ベットへとダイブした。
望
好き…なのか?
胸の中で広がっていく、確かな想い。
それを実感しながら、望は静かに目を閉じた…。