3月28日。
朝。
蘇枋はいつも通り、 自分の靴箱に靴を入れようとした。
すると。
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
「招待状」…?
蘇枋 隼飛
そこには、楡井の文字で 「招待状」と書かれたカードが 入っていた。
蘇枋 隼飛
蘇枋に思い当たる節はない。
蘇枋 隼飛
教室に行ってみようか
蘇枋は歩き出した。
“ボウフウリン” 多聞衆一年・教室。
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
おめでと〜う!
パーン!
蘇枋の目の前で、クラッカーが 鳴らされる。
※クラッカーを人に向けて 鳴らしてはいけません。
蘇枋 隼飛
流石の蘇枋も、 クラッカーをもろに食らえば 面食らってしまう。
蘇枋 隼飛
楡井 秋彦
くださいよ、蘇枋さん
蘇枋 隼飛
これ、君が入れたの?
蘇枋はその手の招待状を見せる。
楡井 秋彦
オレが書かせて
いただきました!!
蘇枋 隼飛
これは何の招待状?
楡井 秋彦
ないですか!!
桐生 三輝
お茶会の招待状だよ〜
蘇枋 隼飛
見渡してみれば、教室が いつもの様子と全く違う。
黒板には大きな文字で 「HAPPYBIRTHDAY蘇枋隼飛!」 と書かれ、上の部分をカラフルな ガーランドで飾ってある。
机は中央に寄せられてクロスが かかっている。まるで、 一つの長いテーブルのようだ。
教卓には、たくさんのカップと ポットが並べられている。
蘇枋 隼飛
皆でお茶会ってことか
蘇枋 隼飛
楡井 秋彦
ないですか!!
蘇枋 隼飛
ってやつだよね
蘇枋 隼飛
何でオレの誕生日に?
って聞きたいんだ
桐生 三輝
お茶好きじゃないの?
楡井 秋彦
飲んでいるし、
こだわりがあるって
情報も正しいはず…
楡井 秋彦
まさか、今日誕生日
じゃなかったり!?
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
オレのために…?
蘇枋の発言に、 桐生と楡井は顔を見合わせる。
桐生 三輝
楡井 秋彦
お祝いするべきです!
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
祝ってもらうのは、
初めてかもしれない)
桐生 三輝
お誕生日席へどうぞ〜
斜め右には桜、 斜め左には楡井の席がある。
桐生に言われるがまま、 蘇枋は一番奥にある誕生日席に 腰を下ろした。
桜 遥
桜 遥
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
座ったところで!
桐生 三輝
桐生の司会の声とともに、 イェーイ!という歓声が クラス全体に響く。
蘇枋 隼飛
こんな感じなのかなぁ)
桐生 三輝
用意してあるよ〜
楡井 秋彦
紅茶だけじゃなく、
中国茶や日本茶も
揃えてありますよ!
蘇枋 隼飛
にれ君が揃えたの?
楡井 秋彦
手分けして買い出しに
行きました!
知らぬ間に準備が進んでたなんて、 と蘇枋は少し驚く。
桐生 三輝
中国茶は桜ちゃんが
いっぱい買ってきて
くれたね〜
桐生 三輝
いろいろあるよ〜
オレが買ってきた!
桐生 三輝
合うように、たくさん
選んできたよ〜
桐生の言う通り、 テーブルの中央には茶菓子が ずらりと並べられている。
楡井 秋彦
持ってきてくれたん
です!お湯はあそこで
注いでくださいね!
楡井の指す方には、 年季の入った給湯ポットが 置かれていた。
蘇枋 隼飛
杉下 京太郎
それだけ言って、杉下はふいっと そっぽを向いてしまった。
楡井 秋彦
飲みたいですか?
蘇枋 隼飛
ルイボスティーを…
楡井 秋彦
オレ淹れますね!
教室がワイワイと賑わいだす。
桜 遥
お前他のも飲めよ
杉下 京太郎
杉下 京太郎
あんのか
相変わらず桜と杉下は睨み合い、
桐生 三輝
お茶飲もうよ…
柘浦 大河
柘浦 大河
プロテインが
茶みたいなもんや!
桐生 三輝
なくてね…?
柘浦 大河
柘浦はプロテインを飲み、
蘇枋 隼飛
白茶、黒茶、青茶、
黄茶、緑茶で、
一番左がプーアル茶
…かな?
楡井 秋彦
すごいです!蘇枋さん
蘇枋 隼飛
それぞれ特徴が
あるから、にれ君も
できると思うよ
楡井 秋彦
蘇枋は飲んだお茶の種類を 言い当ててみせた。
蘇枋 隼飛
賑わいすぎな気も
するけど…)
蘇枋 隼飛
蘇枋の顔が綻ぶ。
この賑わいが今の自分の居場所に 相応しい、そう思える。
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
楽しい誕生日だよ
お茶会は冷めることなく、 全てのカップが空になるまで 長く続いた。
HAPPYBIRTHDAY!! SUO HAYATO 2025. 03. 28