コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〜”IBUKI”本部 連絡通路〜
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音と凜々愛は店長室を出た後、店長からの勧めで武器管理部へ向かう地下の連絡通路を歩きながら、任務に同行する2人を誰にするかを考えていた。
ここまでのあらすじ。 凜々愛は悟郎と2人の任務についての話がしたかったが、ここ一週間悟郎とは音信不通になったため、店長の命令により、桃音と他2名で行くことになった。
そして、一週間前に悟郎が路地裏で何者かと出くわしたことに、この時彼女たちに知る由もなかった。
神楽 凜々愛
百峰 桃音
すると店長室を出てから一言も喋っていない、不安そうな表情をした凜々愛が呟いた。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
いつものゆっくりとした口調で言う凜々愛。確かに前章のカルト教団編での瑠花は、 早くも敵に捕まり、拷問されただけで唯一殺したのは”教祖”の影武者だけだった。
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は、あの時の瑠花を思いだしながら言った。何故か凹んでる瑠花しか思い出せない。
神楽 凜々愛
百峰 桃音
少し沈黙を挟んでから凜々愛は言った。恵留は武器管理部の武器職人で凜々愛と同い年の男勝りな女だ。
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
真剣な顔で言う凜々愛。行ったらわかるって言ってるような表情だった。
〜武器管理部室〜
百峰 桃音
天照 恵留
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
モブ武器職人
早乙女 瑠花
武器管理部室に入る時、たぶん関西人しか分からないであろうローカルネタをしたら思いのほか恵留が乗ってくれた。横にいた凜々愛の頭の中は?マークだらけだった。元ネタを知らない武器職人に関しては呆れていた。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
恵留がカウンターで武器を磨いていた向かいに紫のバンダナと赤い目をしたボッキュッボンナイスバディの外見が特徴のサイコパス殺人鬼の瑠花がいた。
百峰 桃音
天照 恵留
百峰 桃音
天照 恵留
百峰 桃音
早乙女 瑠花
天照 恵留
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
凜々愛が口を開いてハッとした。そうだ。こんなしょうもない事してる場合じゃなかった。
天照 恵留
天照 恵留
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛から説明した。描写は無かったが桃音たちは店長室を出る前に、店長から武器管理部の恵留に武器を強化してもらいに行く方がいいと言われたのだ。
天照 恵留
((((とっつぁん!??))))
モブ武器職人
ここにいる皆が衝撃を受けた。恵留は人の名前を覚えるのがとにかく苦手だからか、勝手にあだ名をつけがちなのだ。
例えば大輝だったら 情報屋or情報屋の旦那、 凜々愛だったらリリー 壱茶だったらシャチor盲目の旦那 悟郎だったら侍くん……など
そして店長はとっつぁんだそう。ちなみにこれは流石に本人の前では言わない。
百峰 桃音
モブ武器職人
百峰 桃音
天照 恵留
「うちのお得意様だったぜ」
その一言で再び室内を驚愕させた。恵留の実家である天照武器商店は裏社会の武器職人のトップが集う一流の武器商店だ。恵留がこの武器管理部で最も腕がいいのも納得がいく。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
桃音が目を丸めると、その隣で部屋の壁に掛けられた武器や職人が使う道具を眺めていた凜々愛が静かに口を開いた。
天照 恵留
天照 恵留
天照 恵留
凜々愛の一言にひっかかり、しばらく沈黙を挟んでから疑うように言った。
天照 恵留
大声で言った。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
首を傾げる瑠花。かつて様々な組を潰してきたヤクザ界のキングとも呼ばれた”早乙女組”の娘なら聞いた事があるかもしれないが、家族を奪われたせいで人生の大半を復讐のために生きていたから多少世間知らずな所があるため、知っててもうろ覚え程度かもしれない。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
桃音が簡単に説明した後、 瑠花はあぁそうだと思い出して言った。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
天照 恵留
天照 恵留
百峰 桃音
首を傾げる恵留に桃音は店長から貰った資料を渡して見せた。恵留は受け取って目を通した。
天照 恵留
天照 恵留
しばらく黙って読み込んだ後、 恵留は顔を上げた。
天照 恵留
百峰 桃音
神楽 凜々愛
天照 恵留
恵留は資料の顔写真に指をさして言った。まるで最新の映画やドラマのキャストをチェックしているようだった。推している俳優がいなくて萎える時のように、少し不満げそうだ。
天照 恵留
天照 恵留
百峰 桃音
百峰 桃音
天照 恵留
早乙女 瑠花
瑠花と恵留は目を丸めた。すぐそこにいるモブ武器職人もこちらを向いた。
天照 恵留
天照 恵留
天照 恵留
恵留は凜々愛の方を見た。
百峰 桃音
代わりに桃音が答えた。
天照 恵留
神楽 凜々愛
モブ武器職人
頷いて言った凜々愛の方を、 モブ武器職人が向いた。
天照 恵留
百峰 桃音
天照 恵留
天照 恵留
天照 恵留
恵留はふと思い出して言った。ウチとは実家である天照武器商店のことだ。恵留は一人暮らしをしている桃音たちとは違って、この物語で唯一実家で家族と住んでいる。その訳は”家族”がいるのと、 ”家族”全員が過保護だからだ。
神楽 凜々愛
恵留の言葉にハッとした凜々愛はいつもより少し大きめの声で言った。
天照 恵留
天照 恵留
天照 恵留
察した恵留。彼女も裏社会で生きた者だ。ここまで来たらもはや裏社会の一般常識かもしれない。
天照 恵留
百峰 桃音
神楽 凜々愛
凜々愛は恵留を真っ直ぐ見つめて言った。恵留もその眼差しを見て確信した。
天照 恵留
天照 恵留
百峰 桃音
神楽 凜々愛
桃音達は各々の武器を恵留に渡した。
早乙女 瑠花
桃音たちの会話を静かに聞いていた瑠花は、口角を上げて言った。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
百峰 桃音
神楽 凜々愛
瑠花は飛び跳ねて喜んで言った。やはり前回のカルト教団の件を気にしていた。
神楽 凜々愛
天照 恵留
「この自分が行くぜぇ」
すると鍛冶場の入口から男の声がした。そこにいるのは大正ロマンを思い浮かばせる服装に丸いレンズのサングラス、白杖を持った男。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
桜木 壱茶
壱茶の手には煙管があった。恐らく待っている間に吸っていたのだろう。
百峰 桃音
桜木 壱茶
百峰 桃音
桃音は呆れながら言った。
桜木 壱茶
百峰 桃音
神楽 凜々愛
桜木 壱茶
不思議そうな顔をする桃音と凜々愛。しかし最後に悟郎と会っていた人が任務に同行だと何か掴めるかもしれない。
天照 恵留
天照 恵留
恵留はせっせと準備をしながら言った。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
天照 恵留
赤ジャケ(赤いジャケット)は 桃音のことだ。
百峰 桃音
天照 恵留
百峰 桃音
天照 恵留
百峰 桃音
天照 恵留
百峰 桃音
早乙女 瑠花
※2020年版の桃音は マジで仕込みナイフあった※
天照 恵留
しばらくして、武器の強化が終わった。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
桜木 壱茶
各々が武器を受け取った。桃音は銃を回して構えてみたり、凜々愛は少し距離を置いてから軽く振ってみる、壱茶は目の前で鎖を両手で引き合った。
天照 恵留
すると恵留は短刀を瑠花に渡した。 鍔の付いていない護身用の物だ。
早乙女 瑠花
百峰 桃音
桜木 壱茶
天照 恵留
天照 恵留
早乙女 瑠花
百峰 桃音
早乙女 瑠花
百峰 桃音
神楽 凜々愛
※第4話『殺戮の悪魔』参照※
早乙女 瑠花
百峰 桃音
瑠花はグローブに付いた指輪を見せて言った。片方2kgの鉛は手首の部分に付いているらしい。つまり計4kg。
天照 恵留
百峰 桃音
早乙女 瑠花
恵留が呟いた後、瑠花は短刀を手に取って目を輝かせていた。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
瑠花が短刀を握りながら言う姿を見ると、少し恐ろしく思えた。聞くところ瑠花は両親の怪力の遺伝子と幼少期からのプロの格闘家による鍛錬で化け物並の とんでもない怪力に育ったらしい。彼女が武器を持つなと言われた理由がわかる。鬼に金棒かもしれない…
百峰 桃音
神楽 凜々愛
早乙女 瑠花
瑠花は飛び跳ねて恵留に礼を言った。 子供のように無邪気な笑顔だった。
天照 恵留
神楽 凜々愛
百峰 桃音
桃音達は任務へ行こうと、武器管理部室の出入口の方へ歩いた。
天照 恵留
百峰 桃音
すると恵留が呼び止め、桃音達は立ち止まり振り返った。
天照 恵留
天照 恵留
恵留は真剣な顔で言った。 かつて山吹族とは契約していた天照武器商店、そしてその娘である彼女はかなり言い聞かせれていたはず。だからこそ、そう言えるから説得力がすごい。
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は凜々愛に目を向けて余裕そうな口調で言ったが、その表情からは覚悟を決めたことが見えた。
天照 恵留
天照 恵留
百峰 桃音
そして桃音たちは武器管理部室を出た。
……凜々愛を先頭に。
天照 恵留
天照 恵留
~商店街~
百峰 桃音
昼間の商店街。桃音たちは任務に行く前に、悟郎の行方を追うために、何か手がかりになるような物を探すことにした。夜ほどは賑わっていないが、それでもこの時間帯は人はそこそこいる。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
桜木 壱茶
桜木 壱茶
長い商店街を歩く桃音たち。おそらく誰もが経験したであろう、店を出たらどっちから来たか、左右どっちが目的地の方面なのか分からなくなるあの現象がおこりそうだった。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
※第13話 『警視庁公安部暗黒街課』参照※
※愛美と沙友理が通ってたのと 同じ商店街です※
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
すると凜々愛は何かに引っかかったように、ふと思い出した。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
桜木 壱茶
桜木 壱茶
凜々愛の問いに答える時、ちょうど商店街を抜けた。1週間前、壱茶が悟郎と最後に会話した場所に着いた。
神楽 凜々愛
百峰 桃音
桃音は隣に立っている自分と身長差がある壱茶を見上げて尋ねた。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶は自分が行った方の道と悟郎が行ったと思われる方の道を白杖で指して言った。どうでもいいが、人が少ないからいいけど白杖を振り回すなお前。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
すると瑠花が口を開いた。山吹族という標的を前にするのが待ち遠しのか、すごいニコニコしている。彼女は常に口角が上がっているが、今の彼女は嬉しいという感情が見えた。
桜木 壱茶
百峰 桃音
神楽 凜々愛
全員なかった。幼馴染みである凜々愛でも悟郎の家に行ったことがないのは少し意外だったことは、他3人も思った。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
百峰 桃音
早乙女 瑠花
壱茶が見渡すような素振りをして言うと桃音と瑠花が首を傾げた。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
百峰 桃音
しどろもどろに言う壱茶。桃音と瑠花にはさっぱりわからなかった。凜々愛はただ冷静に聞いているだけ。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
神楽 凜々愛
百峰 桃音
百峰 桃音
ふと凜々愛がいた方を見ると、彼女の姿がなかった。キョロキョロと見渡すと路地裏へ入る凜々愛の後ろ姿を見つけた。
百峰 桃音
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶は凜々愛について行くように、 路地裏の方へ歩きながらそう呟いた。
百峰 桃音
百峰 桃音
すると桃音は何かに引っかかったかのような反応をして訪ねた。先程の凜々愛のようだった。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
百峰 桃音
桃音は壱茶と瑠花を追い抜いて 路地裏へ駆け出した。
桜木 壱茶
~路地裏~
入った路地裏の奥を進んでいき、ついに誰も通らないような、昼間なのに薄暗い不気味な所まできた。するとそこに、凜々愛の後ろ姿が見えた。
百峰 桃音
百峰 桃音
早乙女 瑠花
桜木 壱茶
凜々愛に声をかけようとしたが、 その光景に息を呑んだ。
百峰 桃音
目に映るのは豪快に壊された周りに置かれていた物の数々、傷つき凹んだ壁や地面。それだけじゃない、壁に染み付いた黒くなって、べっとりと付いた大量の血が付いていた。手形の血が荒れ果てたこの空間により恐怖を感じさせた。
まさに殺人現場そのものだった。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
百峰 桃音
凜々愛は壁の方を向いて俯いていた。桃音は心配そうに駆け寄った。
神楽 凜々愛
凜々愛の目線の先には赤黒く汚れた 片方の下駄だった。
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
その下駄の鼻緒は見覚えのある黄色い布を代わりとして結ばれていたが、 それも千切れていた。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶は煙管に火をつけながら、 その時を思い出して言った。
鼻緒が切れることは不吉なことが起きる”ジンクス”であるのは凜々愛はもちろん、ここにいる皆が知っていた。さらに任務の時にブチンと切れて、そしてここにある補強した鼻緒もまた切れている。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
早乙女 瑠花
瑠花が駆け寄って言った。その手に持っている物は真っ黒な画面がバキバキに 割れたスマホだった。
神楽 凜々愛
凜々愛は瑠花からスマホを奪い取って言った。壊れて電源が付かないスマホを 持つその手が震えていた。
百峰 桃音
桜木 壱茶
百峰 桃音
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶は遠くを見るように言った後、 煙管を吸って吐いた。
桜木 壱茶
早乙女 瑠花
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は苦笑いをして言った。確かに、仮に通り魔がここにいる全員を襲いかかるとどうなる?早撃ちで頭に風穴開けられるか、頭と身体がお別れするか、見るにもおぞましい姿にされるか、分銅で強打もしくは鎖で絞められるかだ。
桜木 壱茶
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
瑠花が辺りを見渡して言った。瑠花にとってはいつもの殺戮と書いて”お楽しみ”と読むことそのものだが、自分ではなく、仲間と関係があるであろう、この酷い有様を見て緊張感が増した。
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は少し声を上げて言った。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
桃音に反応した凜々愛は静かに言った。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
瑠花が壁の血痕を見ながら言った。
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
桜木 壱茶
桜木 壱茶
百峰 桃音
百峰 桃音
壱茶に続いて桃音がそこに落ちていた布の切れ端を拾って見せて言った。
神楽 凜々愛
凜々愛が桃音からその切れ端を震えた手で取って言った。
百峰 桃音
「そういや、二週間前にウチに山吹族みたいなやつから依頼に来たな。 確か…和服着てたな」
桃音は数十分前の恵留の言葉を思い出して言った。壱茶曰くの”妙な気配”と この血のついていない和服の切れ端、 手がかりはこれで揃った。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
「殺された…とか?」
百峰 桃音
桜木 壱茶
神楽 凜々愛
瑠花の言葉に背筋が凍った。この陽の光も少ない場所でこの有様から、彼がどれだけ酷いことをされたかがわかる。
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は手形の血痕を見て言った。そこには手形から下へずり落ちた痕もあった。
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
考え込む桃音は、俯いた凜々愛の暗い表情を見てハッとした。
百峰 桃音
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
桃音が気を使ってフォローするように慌てた口調で言うが凜々愛は黙ったまま。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶は煙管を吸って、煙をふぅと吐き出してからそう言った。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
百峰 桃音
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
神楽 凜々愛
不吉な予感がする中、 凜々愛が1人顔を上げて言った。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛は自分の信念を貫くような 真っ直ぐな眼差しで言った。
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
ドカーン…!
百峰 桃音
桜木 壱茶
”頑丈”と聞いて桃音と壱茶は、いつかの任務の記憶が、敵の手榴弾の爆発音と共に脳裏に浮かんだ。
百峰 桃音
桜木 壱茶
早乙女 瑠花
※第11話『狼男の変身』参照※
神楽 凜々愛
百峰 桃音
凜々愛は手形の血痕を見て言った。 てかなんで分かるんだよ。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶が煙管を握り締め、威圧感のある 低いトーンでそう呟いた。
百峰 桃音
百峰 桃音
ここにいる皆が同じ思いだった。 いつもなら仕事として標的をただ殺すだけだった。でも今回は違う。
悟郎をこんな目にあわせた奴が今回の標的である。そしてきっと悟郎がどこにいるのかも知っているはず。
これはただの抹殺だけではない。 悟郎の安否確認及び救出だ。そして……
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
瑠花がや(殺)る気に満ちた笑顔で、両手で拳を握りしめて言った。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
百峰 桃音
〜東京都某所〜
桃音たちは悟郎の仇討ち…
百峰 桃音
ではなく、任務を遂行すべく山吹村周辺まで来た。ここは暗黒街から少し離れた田舎を山を1つ越えた所だ。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
当たりを見渡す桃音の横で瑠花が尋ねた。暗黒街からここに来るまで、先程の商店街のすぐ側にあった駅で電車に乗り、さらにバスで山を越えた。
神楽 凜々愛
凜々愛は思い出しながら答えた。確かに先程の山を越える前の田舎には小、中、高校があり、店がちらほらあった。 そして、山添には霊園があった。
百峰 桃音
早乙女 瑠花
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛の言葉に、桃音たちは彼女と悟郎が同じ地元生まれで山吹族、それに加え幼馴染みなのに、なぜ感性が違っているのか、ついでに悟郎が方向音痴だという理由が何となくわかった気がした。
百峰 桃音
桜木 壱茶
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
凜々愛の呟きに全員が息を呑んだ。次期村長のプレッシャーや村で最も強くならなくてはならないからこそ、No.2の家の子である凜々愛や他の村人とは違って、厳しくされていたのだろう。裏の世界で生きているからこそ、桃音たちはこういう事に理解が追いついた。
早乙女 瑠花
早乙女 瑠花
瑠花がこの重くなった空気を切り替えようと、明るい声で指をさして言った。その先には古い城らしき建物が木々の間から覗かせていた。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛は指をさす瑠花の手を前の方に 向けさせながら言った。その矢先を見ると錆びたスライドゲートが見えた。
早乙女 瑠花
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛は村の崩壊の理由を話した。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
桃音たちはゲートの前まで来た。腐敗した鉄の門扉に鎖と南京錠が掛けられ、同じくらいに錆びた「立ち入り禁止」と書かれた看板が倒れていた。
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は声を少し小さくして言った。
神楽 凜々愛
桜木 壱茶
早乙女 瑠花
次回『入村』