※注※ この世界線は みんな俳優をやってます アイドルじゃないです
俺が、"その病気"に かかっていることに気付いたのは
家で映画を見ているときだった。
大介
それは恋愛ストーリーで、 最近流行りのものだった。
俺はいつも、 恋愛の話になると 脳裏に浮かぶ人がいる。
大介
それは、 同じ俳優界の阿部亮平。 俺は阿部ちゃんって呼んでて、 前から結構、仲が良い。
恋のきっかけは… 多分、初めて会ったときだろう
この人、可愛いな… ただひたすらに、そう思ったのを 覚えている
大介
大介
阿部ちゃんはイケメンだし、 でも可愛いし、 色んな人に好かれてる。
世間に公表してないから 俺が知らないだけで、 きっと彼女もいるんだろーなー…
大介
大介
思わずクッションに顔をうずめる。
映画はちょうど、 キスシーンにさしかかっているところだった。
大介
大介
大介
時間帯が夜だったこともあって、 思わず涙が出た…
はずだったんだけど。
大介
液体が肌をすべっていく感じがしなかった。 それはむしろ、 固形のものが転がっていくような。
大介
目元を拭ってみる
そして俺の手にあったのは、
大介
大介
大介
大介
絵本の世界に出てくるような 星の欠片だった。
それは淡い水色をしていて、 ほんのりと輝きを放っていた。
大介
大介
大介
大介
大介
大介
検索して数分、 ある言葉が目に入った
大介
大介
大介
大介
条件が被りすぎてびっくりした。
どうやら俺は病気らしい
大介
まじかぁ… ずっと治んないじゃん
この恋心が消滅するまで待つしかないのか…?
大介
大介
なんて、思っていたのだけれど。
思った以上に、この星涙病は 俺の体を…
正確には俺の目を 蝕んでいくのだった。
翌日の撮影現場。
大介
スタッフ
大介
大介
俺が挨拶をすると、 楽屋の中の出演者の人達が 挨拶し返してくれた。
亮平
大介
大介
そう… 今日のお仕事は 阿部ちゃんも一緒
正直嬉しすぎて 今すぐ飛び上がりたい
今日1日 余裕で乗り越えられる気さえしてくる
スタッフ
スタッフ
大介
亮平
午前の撮影が終わった。
大介
亮平
亮平
大介
亮平
大介
褒められて 余計にテンションが上がる
大介
大介
亮平
亮平
机に置かれていたお弁当から それぞれ一つとる
亮平
大介
大介
亮平
そんなくだらない会話をした後 お弁当の蓋を開けた
大介
最初、見間違いかと思った。 俺は、
大介
そう感じてしまった。
それは、色彩のせいだ。
すべての色が、 グレーを混ぜ合わせたような ぼんやりとした色に見える。
大介
同じ違和感を抱いていないか、 阿部ちゃんに聞こうとすると、
亮平
亮平
亮平
煮物…? 色くすんでるし、 絶対おいしくないよ…
亮平
阿部ちゃんが人参を口に運ぶ。
亮平
文字通り目を輝かせて 阿部ちゃんが言う。
大介
大介
亮平
亮平
大介
大介
亮平
亮平
亮平
大介
阿部ちゃんも食べていた 人参を箸で掴む。
埃を被ったように見えるそれを、 俺は食べなきゃいけない
大介
大介
大介
阿部ちゃんも見てるし、 何事もないように食べなきゃ…
亮平
亮平
亮平
大介
亮平
亮平
大介
大介
亮平
阿部ちゃんにそこまで心配させて 申し訳なくなってきた
自分の目がおかしいだけなのに…
亮平
大介
大介
亮平
亮平
亮平
大介
阿部ちゃんの優しさに甘えて 今日は帰ることにした
星涙病について、 怖くなったからもう少し調べた。
大介
大介
どうやら、 この病気が長引くと 色彩感覚が無くなってしまうらしい。
みんなが何かを見て 感じていることが、
俺には理解できなくなる
そう考えると、 将来に恐怖心が芽生えた。
大介
大介
カラカラ…と音を立てて 星が零れ落ちる。
星は床に落ちると、 輝きを放ち粒子になって消えていく
病気を妬ましく思いながらも、 綺麗だと思ってしまった
大介
大介
大介
どうやったら俺の気持ち、 伝わるのかなぁ…
そのことが頭を埋め尽くして、 その日は寝ることが出来なかった。
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
コメント
3件
続きが楽しみです!