流星side
生まれた時からずっと一緒にいる、僕の世界一大好きな兄ちゃん。
小学生の頃、友達が好きな人の話をしていて僕にも好きな人は いるのかと聞いてきたから「兄ちゃん」と答えた。 そしたら「兄弟なのにおかしい」「流星は変だ」って。 僕は何が変なのか全く分からなかった。 誰よりも兄ちゃんが好きやから。
でも中学生になってからやっとあの時の話を理解した。 あれは恋愛的な意味で聞いていたのであって、兄弟では 恋愛できないから僕は変と言われたんだ。
この瞬間、僕の中で大きな違和感が生まれた。 周りの人が意識し始める恋愛というものは異性とハグをしたり キスをしたりするらしく、でも僕は兄ちゃん以外の誰にも そんなことしたいと思わなかった。
テストで良い点取ったら頭を撫でてたくさん褒めてくれて、 泣いてたら抱き締めて大丈夫だよって優しく慰めてくれる、 そんな兄ちゃんが大好きで他の誰のものになって欲しくない。
誰にも理解して貰えない兄ちゃんへの気持ちを抱えるようになった 中2の冬、もうすぐ受験生だというのにも関わらず勉強も何も 手につかなくなり成績も落ちて両親に酷く怒られた。
そんな僕を慰めてくれたのも兄ちゃん。 悩みがあるなら聞くよと言ってくれたがこんな悩みを 話せるはずもない。そしたら兄ちゃんは次のテストの成績が 良かったら何でも言う事1つ聞いてあげるって言った。
この時の僕は本当どうかしてたと思う。 何でもという言葉を鵜呑みにして本当に成績を上げて お願いをしたんだ。
「僕の恋人になって」って。
しばらく無言が続いて我に返った。何を言ってるんやろって 後悔して泣きそうになったけど兄ちゃんは
「いいよ」って言った。
後から聞いたんだけど僕たちお互い同じ気持ちだった。 誰にも言えずに心に秘めてた気持ちだけど僕があの時 ああ言ったから決心がついたみたい。
そして僕たちは内緒の恋人になった。
毎日幸せだった。
でもまさかあんなことになるなんて思いもしなかった。
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