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【参加型】Stellar Symphony〜sky-high編〜

第4話 - 第4話 “疑惑”

321

2025年07月13日

#🌃📖🕯

#一次創作

#参加型

#バンド

#音楽

#ドラマ

宵月シノ

♪〜

練習スタジオに4種類の音が混ざり合いながら響く。次のライブで披露する新曲の練習を始め、慣れてきたところで皆で合わせて通しで演奏していた。

白峰ユウ

いい感じだと思うけど……3人はどう？

白峰ユウ

ここはこうした方がいいとかあれば遠慮なく。

一之瀬理鈴

いいと思うよ。

一之瀬理鈴

もっと練習すればもっと良くなるだろうし。

天音ゆい

さっきちょっとミスっちゃった。
許して〜。

天月芦愛

本番でミスしないように頑張ろう！

ミスをしたというゆいを励ます芦愛。いつも通りの平和な練習風景を見て、理鈴は微笑んだ。

一之瀬理鈴

（いつまでも平和だといいなぁ。）

一之瀬理鈴

（こうして、練習の時もずっと皆で笑い合えるような……。）

白峰ユウ

……理鈴、どうした？

一之瀬理鈴

あっ、いや……。

白峰ユウ

やけに嬉しそうな表情してたけど。

一之瀬理鈴

え、あれ……

一之瀬理鈴

も、もしかして表情に出てた！？

無意識に表情に出ていたと知り、どこか照れくさくなる理鈴。ミスがどうだこうだと話していた2人は、首を傾げながら理鈴を見ていた。

一之瀬理鈴

皆で居られる今が凄く楽しいと思って。

一之瀬理鈴

ずっとsky-highでいたいなって思って。

天音ゆい

もちろんでしょ。

天月芦愛

私もそう思うよ！

天月芦愛

sky-highで居られる時間が楽しいと思うし！

一之瀬理鈴

うん。

白峰ユウ

俺も皆と同じ意見。

白峰ユウ

……どこよりも、俺達はバンドを楽しんでいると思う。

一之瀬理鈴

ふふっ……。

一之瀬理鈴

そうだよね。僕もだよ。

3人の言葉を聞いて安心したような表情をしている理鈴。なぜ突然そんなことを言い出したのか気になったゆいは、理鈴にそのことを尋ねてみることにした。

天音ゆい

……んで、どうして突然そんなこと言ったの？

天音ゆい

確認しなくたってあーしらは最強でしょ？

一之瀬理鈴

そうなんだけど……

一之瀬理鈴

不安になった、って言い方が正しいのかな？

一之瀬理鈴

ステラフェスなんて大きなフェスに出ることになって、緊張してるのかも……。

一之瀬理鈴

でも、4人でなら成功すると思う。

一之瀬理鈴

だって、sky-highなんだから……！

天月芦愛

うん！

天月芦愛

みんなで頑張っててっぺん目指しちゃお〜！

天月芦愛

……あ。でも、やっぱり1番はステージを楽しむことだよね！

白峰ユウ

楽しみながら頑張る、でもいいんじゃない？

白峰ユウ

俺はそれがいいと思う。

一之瀬理鈴

それ、いいかも。

天音ゆい

じゃ、あーしらは「1番頑張って1番楽しむバンド」ってことでいい？

白峰ユウ

賛成。

天月芦愛

賛成〜！

天月芦愛

ゆいちゃんいいこと言うね！

天音ゆい

なに〜？

天音ゆい

あーしは不真面目でいいこと言えないひねくれた不良とでも言いたかったの？

天月芦愛

違うよ！？！？

天音ゆい

冗談だって。

一之瀬理鈴

……僕も賛成！

一之瀬理鈴

どこよりも1番頑張って、どこよりも1番楽しむバンドになろう！

そうして、4人は「頑張るし楽しむ」と心に決めた。練習を再開して楽器を持った時、全員不思議と心が軽くなっていた。

──しかし、その数週間後。

理鈴は、インターネットで衝撃の投稿を目にすることになった。

一之瀬理鈴

な……

一之瀬理鈴

なに、これ……？

一之瀬理鈴

どうしてこんなことになってるの……？

理鈴が目にしたのは、とある1件のsky-highに関する投稿。エゴサーチなどではなく、たまたま目にしたものだ。

そこには、動画と共に1つの文章が添えられていた。

“sky-high新曲　パクリ疑惑”

動画は、とある2つの曲を比較したもの。片方はまだ投稿したばかりのsky-highの新曲、もう片方はとあるバンドの新曲だ。

理鈴は名前も知らなかったバンドで── ……言ってしまえば、知名度はあまり高くないバンド。

そのバンドの曲をパクった新曲をsky-highが出したということで問題になっているらしい。

一之瀬理鈴

新曲って……

一之瀬理鈴

どうしてこんな騒動になってるの……？

『sky-high新曲　パクリ疑惑 sky-highの新曲、○○○ってバンドの×××に似てる。イントロとか前奏とかめちゃくちゃ似てるんだよね。』

一之瀬理鈴

そんなこと……。

震える指で、理鈴は投稿に添付された動画の再生ボタンを押す。そんなことは有り得ない、と思いながら。

──しかし、確かに似ていたのだ。

一之瀬理鈴

（パクリってどういうこと？）

一之瀬理鈴

（でも、白峰さんはそんなことしない……！）

一之瀬理鈴

（話を聞いてみないと分からないけど、
白峰さんはきっとパクリなんてしない……！）

一之瀬理鈴

（そしたらたまたま？）

一之瀬理鈴

（でも、偶然にしては似すぎてる……。）

理鈴は投稿のコメント欄を開いた。そこは、sky-highへの非難の嵐だった。

「最低すぎる」

「パクリにしてももうちょっとやり方あっただろ。流石に似すぎ。」

「これはパクリってバレても仕方がないw」

「sky-highの作曲担当は白峰ユウです。」

「人気バンドが何やってんだよ……」

「sky-highはデビューからずっと応援してきたバンドだから辛い。これまでこんな話なかったから信頼してたのに。」

「前にも今ほどじゃないけどパクリ疑惑あったんだぞにわか」

「拡散されすぎだろww
本人たちの目に届くのも時間の問題ではww」

「○○○の曲は全部大好きだから、こんなバンドにパクられて1ファンとして悲しいです！」

「説明しろ！！
パクリならパクリって言え！！」

「お前らとりあえず落ち着け」

「sky-high終わったな。MIRAGEとWonder・Undergroundに期待」

「ステラフェスに出るかもって噂あったのに。残念。」

「代わりに○○○にステラフェス出させりゃいいじゃん。多分ルーキーステージでしょ？」

一之瀬理鈴

酷い……。

一之瀬理鈴

なにこれ……？

コメント欄の非難の嵐を見て呆然とする理鈴。すると、芦愛から電話がかかってきた。

一之瀬理鈴

……もしもし。

天月芦愛

『理鈴ちゃん大変だよ！！』

天月芦愛

『何故かめちゃくちゃメールが来てるの！
パクリなんじゃないかって言われてて……！』

一之瀬理鈴

……僕、それ見たよ。

一之瀬理鈴

あるバンドの新曲をパクった曲を、僕達が新曲として投稿したってことになってる。

一之瀬理鈴

……一応聞くけど、白峰さんにそんなつもりないよね？

天月芦愛

『多分！』

天月芦愛

『私も言われるまで知らなかったし、そんな素振りなかったよ！』

天月芦愛

『……とりあえず、明日は休日だから、朝から私の家に集まろう。』

天月芦愛

『そこで、2人にも何があったとか話すね。』

天月芦愛

『とりあえず今はメールが沢山来てるってことだけ伝えておいたんだ。』

一之瀬理鈴

……うん、分かった。

一之瀬理鈴

僕も行くよ。

天月芦愛

『ありがとう！』

天月芦愛

『それじゃあ、おやすみ。また明日。』

一之瀬理鈴

……うん。

一之瀬理鈴

また明日。

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宵月シノ

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