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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

自分

‥‥ん

自分

‥‥どこだ‥‥ここは

目が覚めると、俺は工場のような場所で横たわって居た。真っ暗ってほどではないが、だいぶ暗いので周囲を把握しにくい。

そんな薄暗い工場のような場所で俺はあることに気付く。

自分

ぐっ‥!!う、ぐぁぁ‥‥!

それは、少しでも体を動かそうとすると足に物凄い痛みが走るということだ。 ‥‥なんなら動かなくても超痛い。 後頭部に気絶するほどの強い衝撃を加えられたからか頭も痛いが、そんな痛みがどうでもよくなるぐらいには足がめちゃくちゃ痛てぇ‥‥

俺は半ば反射的に、自分の足を確認する為ズボンを上に上げようとする──

ガチャッガチャッ

が、片腕が動かない。

自分

手錠‥‥か?

どうやら右手首に手錠のようなものがかけられているようだ。 くそったれ、、徹底してやがる。 ‥‥それでも左手は自由なので、俺はその自由に使える左手で両足のズボンを片方ずつ捲る。

自分

!?

自分の足を見てみると俺の足は紫色に膨れ上がっていて、凸凹で、それはもうグッチャグチャというか、見るに堪えない有り様に成り果ててしまっている。

自分

‥‥‥。

正直に言うと、見たのを後悔した。 言葉が出ないとはこういうことなのだろう。本当に言葉が出ない。 そして自分の酷い状態を見たことで自分の足を意識してしまい、痛みが増したような感覚に陥ってしまう。

これはあれだ。“最悪な状況”ってやつだ

さすがの俺もこんな状況じゃ冷静に考えることさえできない。 何が必要か、何をするべきか、そんなことは一切考えず、俺は手当り次第に何かないか自分の服のポケットやそこらの暗闇に左手を伸ばす。

‥‥焦っている。 もしかしたら死ぬのかもしれない。 そんな惨めな俺を少しだけ落ち着かせてくれるようなアイテムが、俺のズボンの右ポケットに入っていた。

自分

やっぱり最高だな、スマホ

そう、スマホ。俺は今の時代の人間の殆どがスマホ依存症だと思っている。 いいじゃないか、依存症でも。 これさえあれば助けを呼べるのだから。

大丈夫だ‥‥電波はある。 まさかこの俺が、こんなにもスマホに感謝する日が来るとは思わなかったぜ。

自分

さて、誰に助けを求めるべきだろうか

1.警察 2.家族 3.友人 4.先生

自分

アホかこんな状況で‥‥

今はシャレにならん程の大ピンチだ。 こうなりゃ片っ端から助け求めてやる。

1.警察 2.家族 →3.友人 4.先生

自分

とりあえず先に友人だな

家族は寝てるだろうから後回し。 警察は時間が掛かるから後回し。 先生は何も分からんので後回し。 そうして俺が一番最初に助けを求めることになったのは友人だった。

友人の数は5人ぐらいしかいないが、ソイツらは皆頼もしい。 その中でも俺と位置情報を共有している友人が2人いるので、俺はその位置情報を共有している2人に助けを求めることにした。

自分

まずは友人A‥‥

プルルル‥‥プルルル‥‥プルルル‥‥

出ねぇ‥‥!! 友人Aに電話を掛けるが、出る気配がない。いつもすぐ出るクセに、こういう時に限ってなんで出ないんだよ。 まさか寝てるのか? ちくしょう、こうなったら‥‥

自分

友人B友人B‥‥

プルルル‥‥プルルル‥‥

さすが暇人の友人Bと言ったところか、こっちは出るのがめちゃくちゃ早い。 5秒も経ってないんじゃないか‥‥? と、そんな呑気なことを思いつつスマホの声が出る部分に耳元を当て会話を開始する。

友人B

めずらし!!!

自分

よお、今すぐ来い

友人B

えー?

自分

ついでに警察も呼んどいてくれ

友人B

なんで!

自分

理由は後で話すから、大至急

友人B

ほーい

プー‥‥プー‥‥

自分

ふう‥‥

状況は絶望的なままだが、何故かホッとしてしまった。‥‥らしくない 気を抜いちゃダメだ。 いつばばぁが来るか分からないんだからな

自分

つぅっ‥‥!

足が痛い。。 そんな強烈な足の痛みに耐えながら、俺は他の人にも助けを求めた。

基本は電話で、電話に出ないヤツらはLINEで、警察は友人Bに任せて‥‥そうやって助けを求めていった結果、助けに来てくれるのは“父親” “先生A” “友人B” “友人C” “友人D”。コイツらだ。

自分

ほんと、有り難い

普段あまり口にしない感謝の言葉が無意識の内に口からこぼれる。

特に父親と先生なんかめちゃくちゃ心配してくれたしめっちゃ怒ってた。 普段あんな態度なのに‥‥俺は結構、愛されてるんだなぁと、そんなことを思って少しばかり嬉しくなった。

そんな俺の心情とは裏腹に事態はさっきよりも深刻だ。 もう一度言うぞ?“さっきよりも”だ。 何故なら───

カラン...コトッ...

自分

・・・・。

───何やら謎の物音がするからだ。

自分

(こりゃあ感謝なんかしてる場合じゃねぇな)

そう思い、改めて自分の状況を再確認し、整理する。 物音が度々していて心臓が破裂しそうだが‥‥歯痒いことに今はこれぐらいしか出来ることがない。

さて、まず俺は今工場みたいな所で何も出来ず寝っ転がっている。 足は使い物にならず、超痛い。 近くの固定されている細い棒と俺の右手首が手錠で繋がっていて自由が効かない。ゲームやアニメの中じゃこういう時は大抵拘束されるだけだが、現実はそう甘くないらしい。 スマホは使える。助けも呼んだ。 そして謎の物音がする。人が歩いているのだろうか?姿が見えない。 というかすっかり忘れていたが、俺を気絶させたやつ絶対ぶっ‪‪✕‬す!!!!

自分

‥‥‥‥‥‥。

自分

はぁ‥‥

なんかどっと疲れた。 どれだけ脳みそ回転させても、怯えても、何も変わりゃしない。 やるべき事はもうやったんだ。

自分

後は‥‥待つだけ‥‥

現実逃避をする為か?はたまた疲労を回復する為か?或いはどっちもか‥‥? こんな状況なのにも関わらず、気が付けば俺はグッスリだった。

こんな状況でも人間意外と眠れるらしい。人間って凄い。

‥‥だから俺は気付けなかった。 グッスリなのだから、そりゃあ気付けるわけがない。

???

・・・・・。

すぐそこにまで迫っている人物がいることに───。

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