勾留七日目
二日ぶりの警察署
最高気温33.1度
相変わらず蒸し暑い空気の中
三村との面会に向かっていた
沢田マリカ
沢田マリカ
三村優真
沢田マリカ
沢田マリカ
三村優真
私の言葉に状況を察した三村は
どこか寂しそうな表情を見せる
三村優真
三村優真
二人を引き離したお巡りさん
恐らくそれは池長巡査のことだろう
池長巡査は三村を完全に犯人だと思っていた
池長巡査にとってそれは
被害者を救出するための正当な行為だった
沢田マリカ
三村優真
沢田マリカ
三村優真
三村優真
三村優真
沢田マリカ
2010年6月8日(火)
三村が彼女を拉致してから四週間
彼女の身体からはすっかり痣も消え
三週間前に瘡蓋だった切り傷は
うっすらとした白い線状になっていた
この頃になると二人の関係は更に深まり
ほぼ毎晩のように
三村は彼女を求めるようになっていた
三村優真
耳元で囁かれる三村の言葉に
恥ずかしそうに頬を赤くしながらも頷く彼女
何度も唇を重ね
その熱くとろけるような甘いキスに
彼女の心も解けていく
虐待を受けていたとされる彼女は
三村の優しい仕草や言葉
熱く甘い息づかいにすっかり心を動かされ
最初の頃にあった身体の震えもなくなっていた
全てが終わると
三村優真
三村優真
三村は必ず彼女に確認をする
彼女は常に筆談ボードを近くに置き
すぐに返事ができるようにしていた
「怖くないよ」
「だって」
「あなたは優しいから」
三村優真
「お兄ちゃんとはちがう」
会話が進んでいく中で
三村は少しずつ彼女に家族のことを質問し
彼女もそれに答えるようになっていた
三村優真
井川あすみ
「一年くらい前」
三村優真
井川あすみ
「抵抗したら」
井川あすみ
「殴られて」
井川あすみ
「押さえつけられた」
「仕方ないんだって」
「だから俺は悪くないって」
井川あすみ
「凄く怖かった」
「だからもう」
三村優真
突然、三村は彼女の手を止め
彼女をそっと抱き締める
三村優真
三村優真
そして再び手錠をはめた
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