あなたは彼氏候補にもなりません！

それから2日くらい学校を休んで土日を挟んで登校した

2人で喜んでいると先生が静かにあたしの机にテストの結果と、メモを置いて教壇に立つ

不思議そうに田津寝る沙友里と一緒にメモを開いてみると

一週間後追試

その一言だけ書いてあった

こうなることはなんとなくわかっていたけど、それでもやっぱり動揺する

だってひよりちゃんも沙友里と同じくらいだって言っていたし…

すっかり忘れていたけど、須崎君頭よかったんだ

これなら追試も何とかなりそう！

……ということで

昼休み、お隣の須崎君とクラスにお邪魔しています

いつの間にかひよりちゃんが須崎君の事チャラ男って呼んでいるのに、笑っていると須崎君が目の前に

須崎君と屋上へ向かってると比嘉君と目が合ったけどすぐそらされて

なんだろう、なんて思うながら屋上にたどり着いた

なぜか急に謝れてしまった

反応に困っているあたしをよそに須崎君は

と言葉をつづける

須崎君の言っていることがいまいち理解できない

いや、だって目が覚めた時一番に視界に入ってきたのは須崎君だったわけで

倒れた後、確かに誰かに運ばれた感覚はあったし

まさか保健室まで一人で歩いたとは思えないし

だったら、いったいだれが？

そういい、頭をガシガシと書く須崎君

…え？

いきなりそういわれ、頭がこんがらがっている

そんなあたしに須崎君はさらに続ける

じゃああの時感じた懐かしいかんじは、澤本君だったってこと？

どうして、あたしは大切な人のことを忘れていたんだろう

今になって鮮明に思い出す

間違いない…あの優しく触れるように抱きしめてくれたのは

何回か慰めということで抱きしめてくれたあの時の感覚と同じだったこと

あたしの知っている澤本君のぬくもり

だから、安心できたのかな

でも、だったらどうして？

目が覚めた時に隣にいてくれなかったのだろう

なんで、あたしが目を覚ます前にいなくなっちゃうのさ

黙り込んだと思ったら都合の悪そうな顔して

なに…？それ

勝手なこと言わないでよ…

そんなことあたしはこれっぽちも思っていないのに

ほんとは泣くつもりはなかったのに

気が付いたら、大粒の涙が落ちていった

澤本君がわかりやすい？ あの常に無表上の澤本君が？

本当に何なんだろう…

先輩と付き合っているくせに

ねえ、澤本君

あなたは一体何を考えているの？

またいつものチャラ男モードの笑顔になった澤本君

ニコッと笑ってくれて、あたしの涙もぬぐってくれて…

真後ろで名前を呼ばれた

振り返らなくてもわかる

せっかく須崎君が涙をぬぐってくれたのに自然とまたあふれてきた

だってそれが、あなただから…