退屈な記憶を渡したら、好きだった人を思い出せなくなった
教室で存在感のない高校生・真田は、夏祭りの夜、路地裏の奇妙な屋台で「退屈な記憶」と引き換えに「他人の秘密」をすくい上げる。
秘密を利用してクラスの悩みや本音を先回りして解決し、念願の「居場所」を手に入れた真田。
しかし、記憶を売り渡すたびに彼の日常には空白が増えていく。
やがて好きな女子から告白された夏祭りの夜、真田は彼女への想いも、自分が誰かも思い出せなくなっていた。
無価値だと思っていた記憶こそが「自分」を現実に繋ぎ止める命綱だったと気づいた時には、彼の体は闇に溶け始めており……。