天使のbreath
【生きる意味を見失った女に男は「息(breath)をすればいい」そうメッセージを送った。そこから女の再生が始まる】
内野綾子(32歳)は軽井沢にほど近い町の食品工場で働いていた。
綾子は2年前に当時3歳だった息子・理人を交通事故で亡くしその後離婚をした。息子を失ってからの綾子は生きる意味を見失っていた。
一方神楽坂仁(45歳)は大人気の小説家だ。出版する本は常にベストセラー入りしジャンルはミステリーやスペンスを得意としていた。
それ以外にも仁が初めて書いた恋愛ドラマの原作が大ヒットし、それ以降はドラマや映画の仕事も増えていた。
元々興味を引かれればチャレンジするタイプの仁は、時間が許す限りそういった仕事も引き受けるようにしていた。
そんな中、仁はテレビ局からあるテーマ付きのドラマ制作の依頼を受ける。それがきっかけで、仁は綾子と出逢った。