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死者の声が、私には聞こえる。
孤児として育った少女リティアは、死者の声を聞き、魂に触れる《ギフト》を持っていた。その力ゆえに孤立してきた彼女は、やがて王国宰相の息子アウレリアと出会い、恋に落ち、婚約を果たす。
穏やかな幸福に包まれる日々――しかし、王都で起こる不可解な事件、死者たちの囁き、そして婚約者の裏に潜む“異変”が、少しずつ彼女を深淵へと引きずり込んでいく。
愛する人を信じたい想いと、死者が告げる真実。その狭間で、少女は運命に抗う決断を迫られる。
これは、魂を繋ぐ力を持つ少女が、偽りの平穏と絶望を越えて歩む物語。

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安倍晴明の後宮であり、鬼女たちが集う裏鬼門鎮護の要、坤鬼舎。
かつて<四条の鬼女>と恐れられた夜火も、いまはそこに身を置き、晴明と共に厄災<穢悪>を祓う鬼女の一人となっていた。
しかし彼女は未だ見習いの身。晴明に寵愛を受ける他の鬼女たちを横目に、焦りと不安を抱えながらの日々を過ごす。
そんなある日、夜火の前に賀茂保憲を名乗る男が現れた。
夜火を気に入った保憲は、彼女に強引な誘いを持ちかけるが――
――その出会いはもたらす。夜火の運命に静かな変化を。そして主従とも恋ともつかぬ晴明との関係に揺らぎを。
鬼女たちの愛憎と因縁、そして怪異が交錯する、後宮陰陽ファンタジー!

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光の精霊の加護を持ち、〝艶麗なる銀薔薇〟との異名を持つ辺境伯令嬢のルクレシアは、双子の弟ローラントを殺した犯人を探すため、幼いころからの従者である色なしのヴァンを護衛に、髪を切り落とし弟になりすまして白の騎士団に潜入する。
ローラントの遺した手記を辿る中で浮かび上がるのは、亡国の陰謀、人身売買組織、そして騎士団の内に潜む闇。
誰よりも彼女の強さも脆さも知るヴァンは、従者として寄り添いながらも、決して伝えられぬ恋心を胸に秘めていた。
復讐の〝銀薔薇〟がその剣で切り拓く先に待つのは、真実か、愛か、それとも――。【イラスト:永弓】