私
先輩、卒業おめでとうございます!
私
でも、すっごく寂しいです……本当はおめでとうなんて言いたくないくらい
私
私がチア部で二年間頑張れたのも、憧れの先輩を間近で見られたからです
私
とても、近くで……!
私
本当に、先輩に憧れてました
私
先輩と仲良くなりたいとかじゃなく……先輩に近づきたくて……
私
ううん、先輩になりたくて
私
少しでも先輩と同じになりたくて、同じ美容院行って髪型も同じにしてもらって
私
先輩に寄せるメイクもめっちゃ研究したし
私
最近はよく、双子みたいって言われますよね。あれ、嬉しかったぁ
私
靴もバッグもスマホも、スマホケースも、文房具も……シャーペンの芯のメーカーと濃さまで同じにしたなぁ
私
あっ、でも、そんなの別に大変じゃなかったですよ。先輩に近づくためだし!
私
んー、ちょっと大変だったのは、先輩と同じ人と付き合うことかな
私
でも先輩が別れちゃったから私もあのあとすぐ別れましたよ!
私
だって、先輩の彼氏じゃないあの男には何の価値もありませんから☆
私
でも、こんなに頑張ってもやっぱりどうしても同じになれないものがあって……なんだと思います?
私
あはは、わからないです? 顔、こわばってますよ?
私
それはね、学年です
私
先輩と同じ学年に生まれたかったなぁ
私
このままだと、いつまでも私は後輩で、先輩は先輩で……
私
でも、私思いついたんです!
私
先輩が来年大学に入学し直してくれれば、私と学年が同じになるなって!
私
だから、私先輩が受験した大学にあることないこと電話しておきましたぁ! 陰湿ないじめしてたとか、援交してたとか、部員のお金盗んだとか
私
あはっ、あることないことっていうか……ないことばっかりでしたね
私
ともかく、そんな噂が流れたら入学できても居づらくなって退学するでしょ? そしたら、来年私と一緒に進学できるじゃないですか!
私
とうとう、同じ学年になれますね!
私
待ってて下さいね、先輩!