ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは少しソウヤに詰め寄りながら話す
爽やかな青年
ソウヤは少し困り気味にレッドを宥めている
ルカ
ルカ
ルカは海の近くに積み上げられている木箱を指差す
ミスターレッド
ルカ
ルカは今度は近くにある荷台の様な物を指差す
ルカ
ルカ
ミスターレッド
レッドは再び木箱に目を向ける
ざっと見ただけでも100個程はありそうだ
ルカ
爽やかな青年
爽やかな青年
ミスターレッド
ミスターレッド
爽やかな青年
ソウヤは少し目を俯かせながら呟く
爽やかな青年
ミスターレッド
ミスターレッド
爽やかな青年
爽やかな青年
爽やかな青年
爽やかな青年
爽やかな青年
爽やかな青年
ミスターレッド
ソウヤから飛び出た仕事内容にレッドは若干顔が引き攣った
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
木箱の中に入っているモノ………
何故か悪い物ばかり頭に浮かんでしまう
レッドは頭をブンブンと振り、悪い想像を掻き消す
爽やかな青年
爽やかな青年
ソウヤはレッドに手招きしながら箱の元へと歩いて行く
爽やかな青年
箱の元へ着くとすぐに箱を持ち上げ、ズンズンと歩き運び出した
ルカ
そう言ってルカも箱の元へ走って行く
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
そう呟いてレッドも箱の元へと歩き出す
ミスターレッド
レッドは箱を見下ろしながら呟く
ミスターレッド
レッドは身を屈ませ、箱の底の部分を持ち上げる
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
箱のあまりの重さに後ろへ倒れ込みかける
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドの箱を持つ手はプルプルと震えており、すぐにでも箱を落としてしまいそうな程であった
ミスターレッド
レッドは何とか箱を持ち上げ、荷台へと足を踏み出し始める
一歩一歩着実に足を踏み出し続ける
ミスターレッド
レッドは歯を食いしばりながら必死に歩き続ける
その瞬間、足に何かがぶつかる
ミスターレッド
足元の何かによって体のバランスを崩す
ミスターレッド
レッドは箱の重みで前へと倒れ込む
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカが此方へと駆け寄ってくる
ミスターレッド
ソウヤも此方に駆け寄って来る
爽やかな青年
ソウヤは不安そうな表情をしながら尋ねる
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは腕で体勢を立て直し、再び立ち上がる
ルカ
ルカ
そう言ってルカは再び荷台へと歩き出した
爽やかな青年
爽やかな青年
そう言ってソウヤも再び荷物運びを始めた
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
膝についた砂を払いながらそんな事を呟く
此方を見ている周りの人々はケラケラと馬鹿にした様に笑っている
ミスターレッド
レッドは周りの人々は居ないものだと思い、気づかないフリをする
レッドは再び箱を持ち上げ、荷台へと歩き出す
足元に気をつけつつも、先程よりも足に力を込めて
無心で運び続けた、重い箱を何度も何度も
空腹を凌ぐ為にも動き続けた
正直、今すぐにでも抜け出したいところだったが
先程の警官の行為を見てからは、とてもじゃないが逃げ出す気にはなれなかった
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
今は空腹を満たす為だけに足を動かし続ける
ミスターレッド
ミスターレッド
すまないスクールの面々や自身の弟の顔を思い浮かべる
ミスターレッド
ミスターレッド
目を瞑り、浮かべた仲間の顔を消す
だが、弟の顔は目に焼き付いており
そう簡単に忘れる事はできなかった
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
自責の念が胸に込め上がる
唐突に胸が苦しくなり、足取りがふらつく
ミスターレッド
体勢を崩し、再び地面に倒れ込む
ミスターレッド
最早立ち上がる気力など無い
ただでさえ重い荷物を運び続け体力が消耗されているのだ
更には心にもずっしりと重い何かが圧を掛けている
うつ伏せの状態で腕に顔を埋める
ミスターレッド
あまりの苦しさのあまり、怒りすら湧いて来る
何故自分がこんな場所に居るのか
何故自分がこんな仕事をさせられているのか
やりようのない怒りが沸々と湧いて来る
ミスターレッド
中級兵
ミスターレッド
レッドはガバッと頭を起こし、声の主を見上げる
レッドの事を中級兵が見下ろしている
先程の中級兵とは違う兵の様だ
ミスターレッド
驚きのあまり、体が硬直する
中級兵
中級兵
ミスターレッド
ミスターレッド
必死に自身がサボりをしていない事を弁明する
だが、先程の自身の姿は側から見ればサボりに見えたのだろう
弁明も虚しく、兵士は怪訝そうな顔をしている
中級兵
中級兵
ミスターレッド
レッドは体を起こし、立ち上がる
中級兵と向かい合う様な形で睨み合う
中級兵
中級兵
中級兵
中級兵はレッドの襟元を掴み掛かる
ミスターレッド
レッドは中級兵の襟元を掴み掛かっている方の手を掴み、必死に抵抗する
だが中級兵の力は強く、びくともしない
ミスターレッド
ミスターレッド
すまないスクールで日々鍛錬を積むレッドでさえも抵抗できない腕の力
中級兵の力は明らかに異常だった
中級兵
中級兵
中級兵は襟元を掴む力を強め、足に力を込める
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは必死に抵抗を続ける
が
その瞬間、体が宙に浮く様な感覚に陥る
ミスターレッド
一瞬の事だった
まるで宙に浮かぶ様な………
そう思った瞬間
左半身に衝撃が走る
ミスターレッド
あまりの衝撃に目を瞑る
中級兵
中級兵
中級兵
中級兵は嘲笑うかの様に此方を見下ろしている
中級兵はレッドの体を足で踏みつける
中級兵
中級兵
ミスターレッド
中級兵は思い切りレッドの体を踏みつける
その時にレッドから発せられた声が愉快だったのか、中級兵はニタニタとした笑みを浮かべている
それに釣られ、周りの人々もゲラゲラと笑い出す
明らかに此方を馬鹿にする笑い、嘲笑
まさに公開処刑と言えるだろう
ミスターレッド
レッドは必死に中級兵の足を押し除けようとする
だが、空腹で力が出ない
中級兵
中級兵
中級兵
中級兵
ミスターレッド
中級兵は再びレッドを踏みつける
その度に周囲からは笑いが起きる
誰一人としてレッドを助けようとはしない
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
中級兵
中級兵
中級兵
ミスターレッド
中級兵
中級兵はニヤニヤしながらそんな言葉をぶつける
その度にレッドの心は冷たくなる様な感覚に陥る
中級兵
中級兵
中級兵
中級兵はレッドの頭を思い切り踏んづける
先程の力とは比べ物にならない力で
ミスターレッド
ミスターレッド
目の前がチカチカする
視界がフラッシュを焚かれたかのように白々としている
だんだんとその白々さは消えていき
代わりと言っては難だが、視界を闇が包み始める
意識が朦朧とし始める
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは自身をこんな目に遭わせた何かを憎む
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
密かに助けに来てくれるのでは、と期待していた自分が何とも惨めだ
徐々に黒いカーテンが視界を遮り始める
完全にカーテンが降り切る前に、微かに走って来る人物が見える
ミスターレッド
ミスターレッド
その瞬間、俺の意識は途絶えた
体を何か温もりが包み込む
一体この温もりは何なのだろうか
本当に快適だ
攫われてから現在に至るまで、安心できる時間なんてひと時も無かった
だが……
今…………視界が闇に包まれ、体が温もりに包まれているこの瞬間が……
この2日間で1番幸せなひと時に感じた
パチ………パチ…
耳にそんな音が届く
徐々に聴覚が戻ってきたのだろうか?
拍手……?
いや……あの場に居た者達は相手に敬意を払って拍手する様な人間ではない
あの数時間で身に染みて感じた
パチ……パチパチ…
特定のリズムがある訳でもなく、ランダムにパチパチ言っている
これは………
焚き火……?
瞼が薄らと開く
視界には赤色の灯火が灯っているのが見える
ミスターレッド
ミスターレッド
今まで自身を温めていた物が焚き火だと知る
徐々に視界がひらけていき、周囲の状況も脳が把握し始める
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
数十秒もすれば意識もハッキリしてきたものだ
レッドの目は完全に覚めきる
ミスターレッド
レッドは腕で身を支えながらゆっくりと起き上がる
ルカ
部屋の隅に座り込んでいたルカが声をあげる
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカ
レッドは状況を理解できず、困惑したまま膝立ちしている
ルカは此方に駆け寄り、レッドの肩に手を乗せる
ルカ
ルカは目頭に涙を溜め、此方を見ている
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドはルカの手を跳ね除け、少し後退る
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ミスターレッド
昼の出来事が鮮明に蘇り始める
あの兵士の表情……周囲から受けた屈辱…
思い出すだけで吐き気がした
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカは涙声で尋ねて来る
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカは俯きながらポツポツと話す
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカは泣きそうな表情からいつもに明るい表情に戻る
ミスターレッド
レッドはルカの笑顔にニカっと笑い返した
ルカ
ミスターレッド
ルカ
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカは何かに気づいたかのように不安な表情になる
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ルカ
ミスターレッド
レッドは昼の事を必死に思い出す
確かにあの時、駆け寄ってきたのはルカだけだった
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドと同様、サボりの疑いを掛けられ殴られていた男を思い出す
確かにあの男を見ていた時、ソウヤは恐ろしさのせいか震えていた
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカはレッドに頼み込む様に尋ねる
だが、レッドは考え込む時間も無く即答する
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカはあまりのレッドの優しさに涙を浮かべる
ミスターレッド
ミスターレッド
この男、結局は面倒くさがり屋の様だ
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカは床に落ちている瓦礫の中から何かを取り出す
ルカが「あった!!」と声をあげた時、ルカの手にはパンと缶詰が握られていた
レッドはふと缶詰に視線を向ける
偶然缶詰の賞味期限が視界に入り込む
缶詰には「賞味期限 2016年4月」と記されていた
取り敢えず見なかった事にした
ミスターレッド
ルカ
ルカは手に持っているパンを半分に分け、レッドに差し出す
ルカ
そのパンは、片手に収まりきる程の小さな小さなパンだった
ミスターレッド
ルカ
ルカは小さなパンを美味しそうに頬張っている
その様子を見ていると自分もすぐに食べたくなり、パンを頬張った
口の中に広がった仄かなパンの香りは、この2日間の疲れを癒してくれた
その後鯖の缶詰を開け、2人で分け合った
きちんと腐っていた
ミスターレッド
レッドは地面に寝転がり、目を瞑ろうとする
ルカ
ルカは此方に薄い布団を差し出す
ミスターレッド
寒さを防げるかどうかは別として、ルカの素直な親切心はとても嬉しかった
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカは布団も掛けず、タンクトップ姿で寝転んでいる
ルカ
ルカ
ルカはニカっと笑いながらそう返す
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは目を瞑り、眠りの世界へと落ち始める
今日あった出来事が次々と浮かび上がって来る
本当に大変な1日だったとつくづく感じる
ようやく、その大変な1日が幕を下ろそうとしていた
レッドの瞼はあっという間に落ち、レッドは眠りの世界へと飛び込んで行った
兄貴………
どこ行っちまったんだよ……
俺の事……嫌いになったのかよ…
兄貴……兄貴…………
ごめんなさい………
少年はそう呟きながら枕に顔を埋めた
コメント
5件
中級兵を私がレッドの代わりに殴って差し上げてもいいでしょうか?! ちょっと許せないです! 最後のブルーの言葉が気になりますね…
ルカとソウヤ優しい…… ルカってなんかプロセカで居そうw 最後さ、ブルーだったよなぁ?!?! 続きが楽しみ!!
中級兵なんて俺が成敗いたAAAAAす!!!!!! 最後の弟君じゃないか!? 反省…てか後悔?してるような感じする… ルカにソウヤ、二人とも優しすぎるだろ…!中級兵とは大違いだよ!